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「カッコーの巣の上で」(1975)レビューネタバレあり
基本情報
『カッコーの巣の上で』(カッコーのすのうえで、原題: One Flew Over the Cuckoo's Nest)は、1975年のアメリカ映画。
原作はケン・キージーが1962年に発表した同名のベストセラー小説。精神異常を装って刑務所での強制労働を逃れた男が、患者の人間性までを統制しようとする病院から自由を勝ちとろうと試みる物語である。
いわゆるアメリカン・ニューシネマの代表作の一つであり、アメリカでは興行収入1億ドルを超える大ヒットになった。
1998年にアメリカン・フィルム・インスティチュートが選出したアメリカ映画ベスト100では20位に、2006年に選出した感動の映画ベスト100では17位に、2007年に選出したアメリカ映画ベスト100(10周年エディション)では33位にランクインしている。
2012年に英『Total Film』誌が「映画史に残る演技ベスト200(The 200 Greatest Movie Performances of All Time)」を発表し、第1位にこの映画でのジャック・ニコルソンの演技が選ばれた。
クリストファー・ロイドの初映画出演作でもある[3]。
2020年9月18日には前日譚となる看護婦長ラチェッドを主人公としたドラマシリーズ『ラチェッド』がNetflixで配信されている。
ログライン
マクマーフィーは刑務所での強制労働から逃れるため精神病を偽って精神病院に入院するが、そこでユニークな仲間たちと共に自由を求めて抑圧的な婦長と対立する。
ストーリー
・最初は精神病患者を変人扱いするマクマーフィーが、彼らの中の人間性を見出すと共に、抑圧的な病院の中で彼らと外の人間は違わないということに気づき、対立していくところがよい。
・途中で患者の大多数が自発的に入院していることを知り、びっくりするマーフィ。「お前ら人生の大事な時間をこんなところで過ごしたいなんて正気か」
・脱出する前にのんびりとお別れ会をやるところがやきもきしつつ、エモいポイントでもある。
・最後、ビリーが婦長に問い詰められ、その後自殺してしまうまでのどうなってしまうかわからない展開がよい。
演技・演出
・登場人物たちの顔のアップのリアクションが多用されていて、話していることよりも、それについて周りがどう感じているかがよく表れている。
・各精神病患者の特徴が際立っており、それぞれが個性的な印象を残す。
・冒頭では口を聞かないチーフに積極的に話しかけるマクマーフィーだが、途中でチーフが口を聞くことがわかる。そして最後はチーフが話しかけるがマーフィーは口が聞けなくなっている、という対比が素敵。
・同じく窓を割るために給水台を持ち上げようとするが全く持ち上がらないマーフィーが「努力はしたぜ」と吐き捨てていく冒頭、そしてチーフがそれを持ち上げて脱走する対比が見事。
・途中、電気ショック療法を受けた後、ゾンビのようになって歩いてくるマーフィが本当にびっくりさせる。その後それは嘘だとわかりつつも、不穏な雲がかかる。
・一緒に逃げようというマーフィーに巨体のチーフが「俺はお前ほど大きくない」と言うのが印象的。
撮影
・ズームが多用されている。
・アップが多め。人物の表情をよくとらえる。
好きだったところ
・バスケットの試合で颯爽とコートを歩いて横切るチーフ。
・婦長に賭けで勝つも無効と言われ、野球の試合を観られないマーフィが自分の架空の野球中継をする。
自分だったらどう撮るか/盗めるポイント
・キャラクターを賭けに負けさえ、その後に別の勝利を与える。(野球の試合)
・皆のリアクションを多く使う。特に何かアクシデントを起こしたときの反応によってそのキャラがよくわかる。
・電気ショックのようにオーディエンスを騙しつつ、不穏な空気を出す。
・キャラクターの個性を出す。ビジュアル面でも。
画像引用元:
こちらの記事ではネイティブアメリカンについての説明と視点が素敵だったのでリンクを貼らせていただきます。
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