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戦争に代わる、楽しい話し合い【理想の戦い方#4】

こんにちは、Studio Topitaです!
私たちは理想郷を本気で「想像」「創造」するサークルと称し、毎月テーマを決めて語り合い、議事録をアップロードしています。
ぱっと聞いただけでは「?」かもしれませんので、どうぞ是非、自己紹介をご一読いただきたいです。
(常連さんは、いつもありがとうございます!)

Studio Topia 4月
第4回「戦争に代わる、楽しい話し合い」

こんにちは、Studio Topiaです。
GW、みなさんいかがお過ごしでしたか?
長いようで、案外あっという間だった気もしますね。

お休みののんびりした雰囲気とも違い、日常生活には戦いが溢れています。
利害の不一致、感情の不和、ズレから生じた亀裂、などなど、その原因はいろいろですが、いずれにしても、「対立」とその「進行」は至る所にあるのではないでしょうか。対立と言っても、何も悪いものばかりではないと思うのですが、行き過ぎると悪い手段や、結果を伴うことになります。

その規模を拡大したものが、戦争です。
4月のStudio Topiaは、ロシアとウクライナをきっかけに、「理想の戦い方」について考えてきました。

本来は、「理想の戦い方」ということで、世のあらゆる戦いに焦点を当ててみるべきだったのかもしれませんが、今回は戦争も含めた「国同士の戦い」に絞って考え、一つのこたえ、「紛争担当大臣をつくってみる」というものを導いてみました。

以下、議事録です

議事録

目次
▶︎あなたは、最近戦いましたか?
▶︎理想の世界に戦いはあるか?
▶︎では、理想の戦い方とは?
▶︎話し合いは万能か?和解は解決か?
▶︎紛争担当大臣を立てる
▶︎嫌なことははっきり言う、でも相手のことも好きになる
▶︎まとめ

あなたは、最近戦いましたか?
とはいえ、初めから「戦争」といっても規模が大きくて取りつきにくいので、まずは身近なところから考えてみました。「身近な戦い」と「戦争」を比較することで、本質を炙り出そうという狙いもあります。
参加者の一人は、「自分との戦い」に焦点を当てました。理性的に考える自分と、本能的に動きたい自分のバランスを常にとっている、ということです。結局のところ、理性で生きることの方が安定して良い、ということを知っているため、本能を宥めながら生きています。
実際誰しも、そうして理性と本能のバランスをとりながら生きているかもしれません。国同士の戦いも、他国や国民にどうみられるか?という理性的な部分と、愛国心や誇りなどの感情的な部分とが混在しているように感じられますね。やはり、国といえど結局は人の集合体ですから、そうなるのも必然でしょうか。

理想の世界に戦いはあるか?
続いて、「理想の戦い」を考えるにあたり、「理想の世界」に「戦い」は存在するのか、を考えてみました。「必要」というのが結論です。戦わない、ということは全て他者に同意、ということでもあります。他者に抑圧されて生まれる同意は、望ましくないことも多々あります。ということで、「理想の戦い」を全面的に考えていくことになりました。

では、理想の戦い方とは?
それでは、理想の戦い方とは何でしょうか。
まず、動機の面で、勝ちたいと思って戦うか、負かしたいと思って戦うかでは大きな違いがある、という話になりました。自分の利益のために戦うことは良いイメージがあるが、相手を負かそうと思って戦うのは、あまり健全な感じがしないということです。
手段の案としては、そもそも戦いを避ける、という意味で「くじ引き」や、一旦落ち着くという意味で「延期」、あるいはいっそ、戦うための場所があれば被害が広がらないのでは、と「闘技場」というアイデアも出ましたが、いまいちしっくり来ず、ここら辺は無しになりました。「暴力は理想的な戦い方か」という問いに対しては、今回の参加者はかなり融和的な(!)タイプが多く、利を生み出さないから、人として死を遠ざけたいから、という理由を出して「暴力には絶対反対」でしたが、みなさんはどう思いますか?
いずれにしても、結局のところ、「話し合い」をベースに考えていくのが良さそうです。

話し合いは万能か?和解は解決か?
ここで、一度身近な疑問に立ち返ります。
よく、「争う前に話し合え」と言われたりもしますが、話し合いは万能でしょうか。会では、話し合いはツールに過ぎず、話し合う場所の整え方によって結果は変わるだろう、となりました。首脳会談がとりおこなわれたりもしますが、話せばいいというものでもありません。本当に|《・・・》話し合いに適したムードか?それを作り出そうと努力できているか?あるいは、話し合いにおいて、真に相手を理解しようとできているか?といったことをきちんと考える必要があります。
また、話し合いの結果をきちんと見据えることも重要です。決裂はいけませんが、仲良くなった、で終わっても意味がありません。ドライな感じもしますが、特に国同士ともなれば、そういった冷静さは常に必要でしょう。和解は非常に大切ですが、解決ではないのです。最終的に白黒つけようとすることが重要といえます。

紛争担当大臣を立てる
現在の国家同士の会談は、「首脳会談」や「外務大臣による訪問」等ということになります。ただ、いずれも関係調整が主流となっていて、身動きが取れなくなることが多々あるのではないでしょうか。それを、思い切って「紛争担当大臣」を立ててはどうか、というのが今回のアイデアです。首脳が会談をすると、どうしてもアピールやパフォーマンスが出ます。争いに真摯に向き合うことが評価につながるような役職として、国家間の争いを、今までの首脳会談や戦争に代わるセオリーを持って動かしていくのが、当、紛争担当大臣です。

参考:外務省「会談・訪問」ページ

嫌なことははっきり言う、でも相手のことも好きになる
さて、その大臣は一体何をしていくのか。主に、話し合いを通じて国家間における問題点の提示と、そのための解決に全力を挙げることが任務となります。基本的にはこれまでの会談と大きくは変わらないでしょうが、より紛争解決に適した階段を設定します。先ほど「話し合い」は単にツールであるため、それをうまく使える場を整え、真摯に話し合う必要がある、と提示しました。
では、話し合いをうまく使える場、とは一体何でしょうか。おそらく、話し合いをするための心持ちを安定して保てるような場のことではないでしょうか。「罪を憎んで人を憎まず」、 問題が生じても当事者のことまで憎んでしまわないように、という教訓がありますが、これは国家間でも大事なことのはずです。解決待ったなし、不和の生じている国であっても、どこかでリスペクト・好感を持って話し合える環境づくりをすること。特産品を送ってみたり、歓待しあったりと、お互いにポジティブになってみるのです。形だけになると本末転倒ですが、無意識的に相手国を思いやれる環境を作ってしまおう、という話になりました。
その上で、確実に解決につなげるために、真摯に話し合う、つまりは腹を割って話すことも重要です。多少感情的になったとしても問題はなく、むしろ、思い切れることこそ紛争担当大臣の強みであり、役割です。
こうして、相手国を思いやりつつも自国の要求をはっきり示していくと、今のように相手の出方を伺って要求を遠回しに飲ませようとしていくよりも、うまく妥協点が見つかるような気がしますが、どうでしょうか。もちろん平行線も考えられますが、前提にリスペクトや思いやりがある以上、これまでの「じゃあ制裁」「それなら侵攻」のような結論に達することは考えにくいので、何かしらいい折衷案・解決策を作り出せそうな気がします。

まとめ
今回は、「理想の戦い方」に「争う役を作る」というこたえを出してみました。トップの他にマネージャーみたいな人がいたらいいのではないか、という案から膨らんだ当案、いかがでしょうか。実際にはどうやって選出されるのか、成果は何で測るのか、まとめ役はいるのか、など細かいところはまだまだ詰められそうですが、ここで時間切れです。
抽象的にしてみると、戦うこと自体が悪いことではなく、戦い方に良し悪しがあるだけ、相手を思いやって戦うべしというのが今回のまとめになるでしょうか。
思い返すと、当初出された問いは「良い暴力は存在するか」「ロシアの侵攻は正当化されるか」と言ったところでした。

その質問に答えたのは、今回というよりもむしろ前回だったかもしれませんが、全ての回を通して考えてみると、相手のことを思いやらない戦いは良くない、という考え方から、「良い暴力は存在しない」「ロシアの侵攻は正当化されない」と言えるはずです。

ちなみに、独りよがりの思いやりは望まれませんね。思いやりがあったって体罰は体罰ですし、「思いやりのある戦争」なんてワードは、気持ち悪さしかありません。
感覚としてはなんとなく、みんな分かっていることではありますが、いつか「理想の思いやり」を考えるのもいいかもしれません…!

編集後記

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
「理想の戦い方」、いかがだったでしょうか。戦争をきっかけに考え始めた当回ですが、「戦い」を考える、というのは思いのほか奥深かったです。

「戦い」と対比されがちな「話し合い」ですが、おそらくはこれも一つの戦いで、話し合いが万能、ということでもないというのは良い確認になりました。

学校や職場でディスカッションをする機会がありますが、その時に思い切り戦えるのは、相手を傷つける意思がない、とお互いに分かるからだと思います。
国同士だと、お互いを伺い過ぎて、深読みし過ぎて、腹を割って話せないのかもしれません。持つ力の差が大きいので簡単には言えませんが、思いっきり話せれば、もうすこし楽になれるのかもしれませんね。(奈都)

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Studio Topia 4月テーマ「理想の戦い方」
第4回「戦争に代わる、楽しい話し合い」
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