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フリーランスの収入安定には「選択と集中」じゃなく「多角化と分散」

みなさんこんにちは、ケイです。
みなさんDTMしてますか?

僕は50代で大企業の開発部長職をやめ、趣味のDTM(パソコンを使った音楽制作)でフリーランスになってしまった人です。

今回はフリーランス「収入安定」について僕が思うことを書いてみたいと思います。会社員を辞めてフリーランスになりたいけど「収入が不安で踏み切れない」という方にぜひ読んでいただきたいです。


フリーランスの最大の不満は収入が不安定なこと

内閣官房日本経済再生総合事務局のフリーランス実態調査結果によると、7割以上のフリーランスが「仕事上の人間関係」「就業環境(働く時間や場所など)」「プライベートとの両立」「達成感や充足感」に満足しているとのこと。その結果約8割のフリーランスが「このままフリーランスとして働き続けたい」と思っているようです。

一方で、収入について不満があるフリーランスは6割もいるとのこと。そして不満の内容は「収入が少ない、安定しない」というものです。

つまり「フリーランスとして働き続けたいけど収入が少なく安定しない」というのがフリーランスの実態というわけですかね。

その結果、中小企業白書によると約30%のフリーランスが1年以内に、60%が3年以内に廃業している、という調査報告があります。

今回はこの調査結果と僕のビジネスを見比べながら、フリーランスの収入を安定させるビジネスモデルについて考えてみたいと思います。

ビジネスシーンでよく言われる「選択と集中」とは

会社員を経験した方なら、ビジネス界隈では「選択と集中」が良い、という意見が幅を利かせていることをご存知ですよね。要するに、あれもこれもと手を出して力を分散させるより、可能性が高い分野に経営資源を集中したほうが経営効率が高まって結果が出やすい、という考え方です。

僕の個人的感想ですが、フリーランスの世界でもこの考え方は主流で、あれもこれもと中途半端に手を出すより、自分の強みが活かせるところに自分の時間と労力を集中投下したほうが成功しやすいよ、という論調が多い気がします。

でも僕は、これこそフリーランスの収入が不安定な原因になっているのではないかと想像しています。それはあくまで想像でしかありませんが、選択と集中によって収入源を自ら絞ってしまうことで、クライアントに対して立場が弱くなり、クライアントの意向一つで収入が左右されてしまう状態になっているのではないかと考えているわけです。

「選択と集中」がフリーランスに向いていない理由

なぜ「選択と集中」が収入の不安定さにつながるかというと、例えば僕のキャリアが作編曲家一本であれば、例えばAIの進化によって作編曲が誰でもできるようになれば仕事は無くなるかもしれません。
でも僕は音楽講師でもありますから「AIに作ってもらうのではなく自分で音楽を作りたい人」という人が将来も存在するならば、作編曲の仕事がなくなっても音楽講師という仕事は残るかもしれません。このように複数のキャリア・収入源を持っていると、どれか一つが時代の変化で稼げなくなっても別のキャリアのチャンスが逆に広がったりする、だからその方が世の中の変化に強いと思うからです。
これが、フリーランスにとって「選択と集中」が向いてないと僕が思う理由です。

また少数のクライアント、例えば1〜2社にクライアントを絞っていると常に経営は不安定です。その会社が来年も確実に仕事をくれるとは限らないからです。会社というのは経営が傾けば、真っ先に外部から切っていくものです。それは彼らが生き残るための必死の行動なので、フリーランスが何を言っても無駄だと思っています。
またクライアントが1〜2社しかなければ、多少無理や理不尽を言われてもいうことを聞かざるを得ないと想像できるので、そもそも自由を求めてなったフリーランスというライフスタイルに失望して、結局会社員もどりをしてしまう可能性が高いと思うからです。
だからやはり、フリーランスに「選択と集中」は向いていないと思うのです。

「多角化と分散」がフリーランスに向いている理由

僕の場合は意識して収入源を分散することを目指しています。僕の理想は、僕に月に千円支払ってくださる個人を1千人確保することです。もしこれができれば収入元が分散した状態で月の売り上げ100万円になりますよね。

例えば僕が運営しているstudio Kのメンバーシッププログラムは個人クライアント様を相手に月千円のサービスを展開していますが、100人単位で会員様がいらっしゃるとどうしても「今月で契約終了で」という方はいらっしゃいます。残念なことなので気分は落ち込んだりしますが、一人一人は少額契約で人数が多いので、僕が会員様から切られても収入的なダメージはほぼないですし、毎月解約数以上に新規の契約が発生するので常に右肩上がりです。

そして、そのほかにも作編曲家としての収入があるし、大学やフリースクールなどで授業を担当することもある、YouTuberとしての広告収入やアフィリエイト収入、企業案件収入、そして前職の経験を活かした商品開発コンサルタント収入などがあり、数えてみたら収入源が10個ほどあります。このような多様な働き方・稼ぎ方をしていることが収入源を分散して安定性を高めていると思うので、冒頭フリーランスの最大の不満として挙げられていた「収入が不安定」ということをほとんど感じなくて済んでいるんですよね。

逆に僕にとって最悪なのは、月100万円のクライアントが1社だけとか、1案件100万円の仕事をとりにいく、というような働き方です。想像しただけで不安になりますし、常に心が波立っているのではないかと想像できます。

山が高いビジネスじゃなく谷が浅いビジネスを

僕の場合は50代で人生の残り時間が少ないので、収入UPより自由がある幸せを優先した「自分らしいライフスタイル」を目指しています。
だから起業は一人で自宅起業で経費を最小化し、スキルを売ることで原価も在庫もないスタイルを選択しました。

この稼ぎ方は決して、成功したからといってタワーマンションを買えたり、高級車を乗り回したりするほどは稼げない働き方です。銀行から融資を受けたり社員を雇ったりというリスクを取らない代わりにレバレッジ(てこ)が効かないので、山が高いビジネスは作れないんですね。

でもその代わりローリスクで、かつ急に仕事が全部なくなったり、メインクライアントから切られたりなどの恐れがないので、谷が浅いビジネススタイルだと思います。

そしていつも僕が申し上げている
・嫌な仕事をしない自由
・嫌な奴と関わらない自由
・やりたいことを我慢しない自由
がある働き方、ライフスタイルが得られます。

若い世代にとっては、上記を強いられることも成長のためにある程度必要な経験だったりするとは思いますが、50年以上生きてきて散々それを経験した僕にとってはもはや不要だと思っています。

今この原稿も旅先のホテルで書いていますが、何かに追い立てられるような気持ちや不安はほとんどなくて、本当に自由だと感じます。

僕のような働き方は先ほど申し上げたようにタワマンに住んで高級車を乗り回すほど稼げることは決してないですが、その代わりリスクが少なくて経済的な安定と心からの自由が得られるスタイルだと思うので、フリーランスを目指している方、すでにフリーランスで収入の不安定さに不満がある方は、少しだけ参考にしていただければ幸いです。

studio Kのホームページはこちらから。

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