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50代脱サラ作編曲家 初めての確定申告が大変だった話

みなさんこんにちは、ケイです。
みなさんDTMしてますか?

僕は50代で大企業の開発部長職をやめ、趣味のDTM(パソコンを使った音楽制作)でフリーランスになってしまった人です。

今回はあまり楽しくない話かもですが、フリーランスになると避けては通れない「確定申告」についての体験談をお話ししてみようと思います。会社員はこういうのに全く無頓着の方が多いと思うので、フリーランスになるとこういうことがある、という参考にしていただければと思います。

はじめに、確定申告とは?

確定申告とは、一定期間(通常は1年間)の収入や経費に関する情報を税務署に報告し、納めるべき税金を計算し、必要に応じて納税または還付を受ける手続きのことです。このプロセスを通じて僕たちフリーランスは自分の所得や税額を正しく申告し、適正な税金を納めることが求められます。

会社員や公務員場合は源泉徴収で税金が給料から天引きされていますが、フリーランスはこれを各人がやらなければならない。自分でやるのか、税理士さんと契約してお願いするのか、フリーランス全員が直面する問題だと思います。

フリーランス1年目の僕の場合は税理士さんと契約はせず、自力で先日無事確定申告を終えましたので、この話をまとめてみようと思います。

自分で申告するなら会計管理ソフトは絶対必要

僕の場合、会社員時代の職種は技術職でしたのでこういう会計の話にはほとんど無縁の素人でした。ですから最初は税理士さんに頼むか迷ったのですが、起業直後の頃は売上も小さかったですし、税理士報酬がもったいないと感じていました。
そこでYouTubeなどで情報を漁っていたら、最近は会計管理ソフトというものが発達していて、会計の初心者でも簡単に扱える様子。その中でもfreeeというソフトが一番「会計っぽくない」「初心者に優しい」という評判でしたので、これを使うことにしました。

結論から言うと想像の10倍くらい大変でした。それでもまだ、この会計管理ソフトがあったからこそ自分でできたと思っています。もしこれがなかったら途中で無理と悟って、背に腹は変えられず税理士さんと契約をしていたかもしれません。

結局一番苦戦したのはfreeeの使い方

先ほど申し上げた通り、このfreeeを使ったからといって会計管理や確定申告が楽勝だったかというと全然そんなことはなかったです。
このfreeeは「会計の知識がなくても使える」と言う触れ込みでしたが、僕はこれを使ってみて「そんなのウソだ!」と思いました。
しかし僕は決してfreeeにダメ出しをしたいわけではないです。おそらく、他のソフトはもっと複雑でfreeeはまだマシだったのだと思うのです。
ですが、会計管理初心者の僕にとっては十分に複雑怪奇なものでした。

自分でいうのもななんですが、僕は結構パソコンや新しいソフトの操作習得には強い方だと思っています。DAWの操作なんかもわからないことはGoogleで検索して結構一人で解決しちゃいます。だから最初は自信があったんです。

でも、その自信はfreeeを使い始めてすぐに消えてなくなりました。

誤解がないように申し上げておきますがfreee自体はすごく高機能で便利です。銀行やクレジットカードの明細は自動的にAPIで連携して拾ってきてくれるなど、会計処理を楽にしてくれる機能が満載ですし、ユーザーはその自動取得してくれたデータを仕分けしていくだけです。それでも僕にはやっぱり難しかった。会計の知識が不足している中ではその便利さが逆に複雑になってしまうこともあったと感じています。

例えば、請求書と実際の入金の紐付け。これ、一応freeeが自動で紐づけてくれるんですが、これが間違った紐付けがされたりするとそれを手動で紐解いて直していく。これ、パズルを組み替えるような大仕事でした。
そして、クレジットカードの利用金額と銀行からの引き落とし金額、この紐付けのやり方も当初わからなくて大変困りましたね。
さらに、freeeに登録されている取引結果と銀行口座の残高の金額が合わないことも原因探しと修正に苦労しました。

やっぱりfreeeもこのように「会計」という独特の世界のことを反映したソフトなんですね。僕が苦労したのは結局、僕が会計のことを知らないこととfreeeの使い方が分からないことが重なって混乱した結果だと思います。
あまりに操作方法がわからなすぎて、2回ほどココナラでfreeeに詳しい税理士さんを探して使い方をレクチャーしてもらいました。また、freeeのカスタマーサービスからのチャットでのサポートも何度受けたかわからないです。

この僕の経験から申し上げると、会社員時代に会計を仕事にしていた方でない限り、ある程度会計や税務処理の勉強をして臨んだり、誰かに助けてもらうなどは必要だと思います。

行政機関のたらい回しに苦しんだ話

そして実際の確定申告が始まると、各行政機関のたらい回しにも苦労しました。

簡単にいうと、本来freeeの中で国税庁のe-taxへ自動的に確定申告ができるはずが、僕の場合はちょっと特殊な株式の利確があってそれをうまく入力できず、freeeのオペレーターと話してもそれが解決しなかったため、freeeでは決算書だけ作ってそれをe-taxにて手入力することにしたんです。

ところが、e-taxに国民年金の控除額を入力するところでトラブル。
マイナポータルからダウンロードした控除証明書をe-taxに読み込ませても金額情報が表示されないというエラーが出てしまいました。

このままだと控除が受けられないので、ここから各所に電話をし始めましたが、ここでたらい回しが始まりまりました。

  • 税務署に電話 → 「役所に聞いて」

  • 役所に電話  → 「年金事務所に聞いて」

  • 年金事務所に電話 → 「日本年金機構に聞いて」

  • 日本年金機構に電話 → 「年金機構の別の窓口に聞いて」

  • 年金機構の別窓口に電話 → 「国税庁に聞いて」

そしてたどり着いた国税庁の担当の方から結局言われたのは、
「金額表示されないなら手入力して」
とのこと。

だから最後は年金ネットにアクセスして自分の前期の国民年金の支払額を見て手入力しました。

でも思ったのは・・・

「おい!じゃぁこのデジタル控除証明書ってなんなんだ!」
「マイナンバーカードやマイナポータルで国民生活は便利になるんじゃなかったんかい!?」

という心の声は飲み込みました。
日本の縦割り行政とDX後進国ぶりに非常に腹が立った出来事でした。

DTM製品を買うと節税になる!

さて気を取り直して税制の面でフリーランスのいいところについてもお話しします。

フリーランスは基本的に事業に直接関係のある支出は経費にできるので、それによって課税所得が圧縮されるので節税になります。

僕の場合は作編曲家、DTM講師、そして前職の経験を活かした開発コンサル業が事業内容ですので、これらと直接関係のあるものは経費にできるわけです。つまり、DTM関連の機材やソフト、DTM部屋の備品などは全て経費になります。また、カフェでYouTubeやnoteの原稿を書くときのコーヒー代なんかも経費になりますね。

これは正直嬉しかったです。大好きなDTM製品を買うと節税になるなんて素晴らしすぎます。好きなことを仕事にすることのメリットですね。

さらに自宅で起業しているので、水道光熱費や通信費などは仕事で使っている分だけは経費になります。僕は住宅ローン完済していますが、もし残っていたらこれも仕事分は経費にできます。これは開発コンサル業での市場調査で使う自動車関連費用なんかも同じですね。

会社員の時は全部給料から払っていた生活費を個人事業が賄ってくれ、その分節税になるという感覚、これは新鮮でした。

これからフリーランスになる方へ

勉強せずにフリーランスになると損をすることはたくさんあると思います。その代表例が会計や確定申告です。

これ、今時はYouTubeを見漁れば大抵のことは無料で勉強できます。
ある程度勉強した上で、そういうことに頭や時間を使いたくない、という方は初めから税理士さんに頼んでしまった方がいいかもしれません。

僕の場合は自分の事業を運営していく上での勉強にもなると思ったので自分で確定申告する道を選びました。
初年度は苦労はしましたが、先日確定申告を無事終えることができたのでフリーランスの確定申告の勘所は掴みました。

  • コツは、会計ソフトに毎月きちんと入力して、月次の締めを行うこと

  • 節税欲に駆られて事業に関係のない費用を経費にしようとしないこと、つまり正直な会計処理を心がけること

この2つがポイントだと思います。
僕の場合は、前期苦労したおかげでfreeeは簡単だと思うことができるようになりました。だから、今季以降は税理士いらずでサクッと確定申告していけると確信しています。

この記事が、これからフリーランスになろうと考えている方の参考になれば嬉しいです。

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