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映画の感想

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2015年11月の記事一覧

『ぐるりのこと。』 感想

『ぐるりのこと。』 感想

とある夫婦と、その二人の周辺をぐるりと描いた映画。

何事にもきっちりしたい妻と、茫洋としながらも包容力だけは広い夫。
対照的な二人は、お互いの足りない部分を埋めるかのように生きているが、子供の身に起きた不幸をきっかけに、そのバランスが崩れていく。

それでも生きていかざるをえない。

やがて二人は周りの人々や事件、社会の移り変わり(ぐるりのこと)に関わり、時に離れながらも、その中でも大切なものに

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『ロスト・ボディ』 感想

『ロスト・ボディ』 感想

死体安置所から妻の死体が消えて、実は殺人実行犯だった夫が洒落にならないくらい焦りまくる、って映画。

大学教授の旦那は、年上で金持ちで美人で剛腕な年上女房に全てを握られている。
彼の人生のすべてが、妻の掌の上なのだ。

で、そんな境遇にストレスを溜めまくった旦那は、可愛い学生と浮気。
その上、学生と共に生きていきたい、とすら願う。

なので、年上女房が邪魔で仕方ないのだ。
こうなったらもう殺すしか

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『ミラクル7号』 感想

『ミラクル7号』 感想

宇宙からやって来た不思議なペットがキモカワイイ映画。

と、書くと「なんだ、ETと一緒かな」と思われるかもしれませんが、あの名作とは全然違います。ETはキモカワイイのではなく、キモい、ですし。

名コメディアンにして名監督のチャウ・シンチーが思い切り藤子・F・不二雄先生にオマージュを捧げまくった一品。

父一人子一人の貧乏家族の元に訪れるスコシフシギなお友達、ミラクル7号。

もうその超ベタな設定

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『シャークナイト』 感想

『シャークナイト』 感想

殺人鬼の殺し道具はなんと、鮫! って映画。

午後のロードショーで観ました。
意外と面白かったです。
て言うか、かなり面白い方でした。

それもそのはず、監督は『ファイナルデスティネーション』シリーズのデヴィット・エリスで、調子に乗った若者が惨たらしく死ぬ映画は得意なのでした。
ちなみに今作がエリス監督の遺作となってしまいました。合掌。

物語は単純で、河にバカンスに来た若者が次々と死んでいくとい

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『セッション』 感想 ※ネタバレあり。

『セッション』 感想 ※ネタバレあり。

男の戦い(オープニングで、主人公と父が観る映画のタイトルであり、作品の今後のストーリーをネタバレしてる)の映画。

傑作『フルメタル・ジャケット』は、人殺しを作る過程を映画の半分を使ってじっくりと描いたモンスター映画だったけど、こちらも、ジャズドラマー(というか伝説のミュージシャン)を作るために鬼教官が人間に向かって怒鳴り散らす。

ここからネタバレあります。

ホラー/サスペンス映画の、レイプリ

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『マッキー』 感想

『マッキー』 感想

死んだらハエに生まれ変わったので、殺したあいつにリベンジだ!って映画。

いい奴のジャニは、近所に住む美人で慈善家のビンドゥに惚れている。
で、彼女に振り向いてもらおうと色々アイデアを凝らしたアピールをするのだけれど、それはまだうまくいっていない。
でもそれは、ビンドゥにしてみれば、可愛い人、みたいな感じなので、決して気持ち悪いストーカー行為ではなく、恋が成就する前の楽しい遊びなのだ。
でもその遊

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『道化死てるぜ!』 感想

『道化死てるぜ!』 感想

死んだはずのピエロが墓場から蘇って復讐にやってくる映画。

ブラックマヨネーズ吉田のギャグと、道化師、という言葉が見事に混ざり合った、悪夢のような邦題も素晴らしい。

この邦題、色々ぶーぶー言われてるみたいだけど、ピエロが出てくるお笑いホラー映画、って事が全ての人に伝わる素晴らしい邦題じゃないですか!
俺はそう思いますよ。

人体破壊描写もバンバンあって、まあホラー映画なんですが、ちっとも怖くない

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『アフターショック』 感想 ※ネタバレあり。

『アフターショック』 感想 ※ネタバレあり。

南米で大地震に襲われてクタクタになってたら暴動にも巻き込まれて大慌てする映画。

アメリカ人旅行者のイーライ・ロスが、映画も撮らずに南米チリで友達と一緒にかわい子ちゃんをナンパして、最初の三十分は楽しい楽しい言ってたら、巨大地震が起こって、一気に地獄へ真っ逆さまになります。
構成的には『ホステル』と同じだ!

映画撮らないからそんな目にあうんだよ!
と、思わず自業自得だ君は、と言いたくもなりますが

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『ホワイトハウス・ダウン』 感想

『ホワイトハウス・ダウン』 感想

テロリストに陥落されたホワイトハウスを一人の男が取り返す映画。

以前の事故で現場を離れた特別捜査官が、事務仕事よりも現場に戻りたいなー、とブーブー言ってたら、ナイスタイミングでテロリストがホワイトハウスを襲い、思ってたよりもハードな現場復帰をするのだが、やはり事務仕事にストレスが溜まっていたのか、少々やりすぎというか、手加減なしというか、強すぎてピンチにならないくらいイキイキと職務を遂行する。

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『エビデンス 第6地区』 感想

『エビデンス 第6地区』 感想

若者がキャンプ先でえらい目にあう映画。

この映画は本当に凄くて、何がそんな凄いかというと、何が起こってるか全くわからないのが凄いのです。

基本は若者がYouTubeにアップするために常にカメラを回してるけど、そのカメラにどえらいもんが映りこんじゃったよ、といういつものPOVのアレなのですけど、これの何がそんな凄いかというと、何が起こってるのか本当に、全然わかんないとこなんです。

こればかりは

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『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』感想

『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』感想

かつての天才シェフが屋台をしながらアメリカ大陸を横断する映画。

主人公はかつて、天才と謳われ、評論家にも希望の新星と書かれたが、それも昔の話で、今は生活のためにレストランの雇われ料理長。
あの頃の料理への愛情は、毎日決まったメニューを出す、というルーチンに埋れてしまっている。

美人の妻とも離婚し、息子には週末に会えるのみ。

生活にも張りがなく、ギャラは良いけどこのまま老いさらばえて行くのかな

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