『セッション』 感想 ※ネタバレあり。
男の戦い(オープニングで、主人公と父が観る映画のタイトルであり、作品の今後のストーリーをネタバレしてる)の映画。
傑作『フルメタル・ジャケット』は、人殺しを作る過程を映画の半分を使ってじっくりと描いたモンスター映画だったけど、こちらも、ジャズドラマー(というか伝説のミュージシャン)を作るために鬼教官が人間に向かって怒鳴り散らす。
ここからネタバレあります。
ホラー/サスペンス映画の、レイプリベンジムービーみたいな映画でした。
尊厳を踏みにじられた主人公が、音楽を復讐の道具として使い、見事リベンジを果たす。
そりゃー音楽を愛してる人にとってみれば許せない作品ですよね。
主人公二人は、ラストでそれで救われたかもしれないけど、付き合わされる他のバンドメンバーは、たまったもんじゃないですよ。
本番中もずっと困惑してたじゃないですか。
あれ、本番終わった後も、飲み屋でずっと文句言ってますよ絶対。
でも、そういうのも含めて、芸術家のエゴが炸裂した瞬間というのは、物語になるのです。
なるんだったら、しなきゃ嘘だろ、という至極真っ当な心意気で脚本は描かれていますので、これで良いのだと思う。
ラスト、父親が、グッジョブ、て言うのだろうなあ、て思ってたら、それは流石に言わなかったけど、抱擁がそれを表してたのが見事でした。
しかし、主人公は二人ともド最低だったなあ。
芸術家ってのは、ド最低の人しかならないのだ、という、音楽に一度挫折した過去を持つ監督からのメッセージなのだろうか。
しかし、邦題問題ですが、これどうなの。
いや、原題だと音楽映画だとすら思われなくてお客さんが来ないて危惧もわかるんですが、あまりにもネタバレじゃないかしら。
『僕のエリ 200歳の少女』ほどまでひどくないにしてもさー。
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