『アフターショック』 感想 ※ネタバレあり。
南米で大地震に襲われてクタクタになってたら暴動にも巻き込まれて大慌てする映画。
アメリカ人旅行者のイーライ・ロスが、映画も撮らずに南米チリで友達と一緒にかわい子ちゃんをナンパして、最初の三十分は楽しい楽しい言ってたら、巨大地震が起こって、一気に地獄へ真っ逆さまになります。
構成的には『ホステル』と同じだ!
映画撮らないからそんな目にあうんだよ!
と、思わず自業自得だ君は、と言いたくもなりますが、よく考えたらこの映画のプロデューサーと脚本はイーライ・ロスなので、イーライ君はキチンと仕事していた。反省!
流石は『ホステル』『キャビン・フィーバー』を作ったイーライ・ロス。
容赦のなさが徹底的というか、ホラー映画なのでまっとうな姿勢というか、罪なき人たちが虫ケラのように死んでいく様を描く時、人は物語映画ならなおさら、別れを叙情的に描いてしまうと思うのですよね。
泣き所はここです! みたいに。
ですがこの映画にはそれが一切ないといういさぎのよさ。
パカパカ絶命していきます。
しかもコントみたいにギャグ混じりであっけらかんと。
どっちがリアルなのか、とかいうつもりは有りませんが、ああいうとんでもない災害が起こって都市全体がパニックになっている時に、知り合いや友達の死に目に出会える方が幸運なのかも知れません。
最初はこんなに楽しかったのに……
『アフターショック』というのは余震、余波の事で、メインの大地震よりもその後の人災や余震、そして更に全てのラストで最大の余波、容赦のない大津波がヒロインを襲ってきます。
教会の地下道で、過去に堕胎をし、それを心の傷にしているヒロインであるモニカは、嬰児達の死体に囲まれパニックに陥り、いよいよ死を覚悟するのですが、彼女はなんとか生き残ります。
そこで彼女は子供の死からようやく逃れられ、母なる海へともう一度生まれ直しをするラストシーンが感動的なのですが……。
脚本のイーライ・ロスはそこからもう一度、更なる洗浄(強制)を彼女に課すという、容赦のなさ!
全くお前は、本当に性格の悪い男だよ!
最初はこんなに楽しかったのに……
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