加藤洋隆

作曲家。DTMやSibeliusを使って作曲活動をしています。楽曲分析が趣味で、クラシ…

加藤洋隆

作曲家。DTMやSibeliusを使って作曲活動をしています。楽曲分析が趣味で、クラシック、ジャズ、ミュージカル、ソウルなど、さまざまなジャンルの音楽を譜面や歌詞を見ながら分析しています。作曲や楽曲分析の本を執筆・翻訳中。

最近の記事

海の音

はじめに 先日、休みの日に犬を連れて、宮城県にある菖蒲田浜海水浴場に行ってきました。私は時々、夕方に家族や犬を連れてここに来るのですが、いつも人が少なく、静かで景色がキレイな海岸なので、とても気に入っています。 昔、波の音は低音から高音までが混ざり合っており、その音が赤ちゃんがお母さんのお腹の中で聞く音に似ているため、気持ちが落ち着く効果があると聞いたことがあります。確かに、犬を連れて散歩に行くとき、近所の公園に行った後と海に行った後では、なんとなく身体の疲れ方や気持ち

    • "What Was I Made For" by ビリー・アイリッシュ (Billie Eilish)

      はじめに ビリー・アイリッシュの”What Was I Made For?”が良い曲だなと思って、歌詞が気になって調べてみた所、”あれ?”とか”ニュアンスが違うな”と思う翻訳があったので、少し解説してみたいと思います。 翻訳について 英語の言い回しって、日本語に直訳すると不自然になるし、意味を汲み取って日本語の言い回しに置き換えると英語の本来のニュアンスが分からなかったり、と翻訳って本当に難しいと思います。私の印象ですが、映画の日本語訳を追っていると、さすが、翻訳のプ

      • 楽曲分析2 Blue in Green

        ¥300
        • リマスター版アルバム『Let's Begin』本日(2024.7.17)リリース

          本日、私のTemplate Legato名義で作成したアルバムのリマスター版がリリースされました。 収録楽曲は計7曲。これまでに少しずつ制作した楽曲をまとめたものです。ネオソウルやシンセサイザーを駆使したエレクトロニカをベースにさまざまなタイプの楽曲を作りたいという気持ちから、ラップからインスト、ソウルフルな楽曲と割と幅広いジャンル(悪くいうとバラバラ)をカバーしたアルバムになっていると思います。 是非是非聴いてください。また、もしコラボをしたい方やトラック(楽曲)が欲し

          AI生成 お題「バッハがヘビー級ボクサーだったら。」よく出来ているような、そうでないような。🤔よく見るとバイオリンを持った観客がいる。😳蝶ネクタイは違うと思うなあ。🤓

          AI生成 お題「バッハがヘビー級ボクサーだったら。」よく出来ているような、そうでないような。🤔よく見るとバイオリンを持った観客がいる。😳蝶ネクタイは違うと思うなあ。🤓

          Ep1 初めてのマクドナルド in New York

          2001年2月、ニューヨークでの新生活が始まってまだ間もない頃、私はマンハッタンにある英語学校の近くのマクドナルドに初めて足を踏み入れました。日本では何の心配もなく行ける場所ですが、ここでは英語で注文しなければならないというプレッシャーがありました。果たして、自分の拙い英語でちゃんと注文できるのか心配でたまりませんでした。 当時の私は偏食気味だったため、セットメニュー以外に何か野菜を取ろうとレジ上のメニューを見てみると、「cone」という文字が目に入りました。私はそれがとう

          Ep1 初めてのマクドナルド in New York

          楽曲分析1 FLY ME TO THE MOON

          個人的見解 アニメのエンディングで使われたこともあり、ジャズ・スタンダードの中でも日本では幅広い層に馴染みのある曲ですね。 関係調への転調、Circle of 5th(5度圏)、セカンダリー・ドミナントの使用やモチーフの発展あたりを勉強している方々には良い教材といえると思います。 一見シンプルに理解できそうな楽曲であっても、この楽曲のように音楽と歌詞と連動し(作詞作曲が同一人物)、特有の雰囲気を醸し出し、人の心に残る様な楽曲を作ることは容易ではありません。 構成 Aメロ

          楽曲分析1 FLY ME TO THE MOON

          楽曲分析について

          はじめに楽曲分析にはさまざまな方法があります。有名なものとしてシェンカー理論(Schenkerian analysis)があり、私は大学時代、この方法を使ってクラシック音楽の理論や分析を学び、当時は理解が難しく感じることが多くありました。 その後、大学院でジャズの作曲や編曲を学ぶ機会があり、そこで初めてジャズ特有のコード表記やメロディーとコードのみが記載された譜面に触れました。 ジャズの楽曲を読み込んでいくうちに、クラシック音楽で理解できなかったことが次第に紐づいて理解で

          楽曲分析について

          もう一つのメトロノーム活用法

          はじめに 小学生の息子はピアノを習っており、私はいつも練習に付き添っています。課題をきちんとやっているかを見守るという名目がありますが、実は小さい頃にピアノを習ったことがない私自身が、自分も密かに学びながら経験不足を補いたいと思っているからでもあります。 息子の練習を見ていて常々思うことがあります。それはメトロノームの重要性についてです。 メトロノームの役割 楽器を習うと、先生からメトロノームを使用することを勧められることがあると思います。そして、それは楽曲のリズムを正し

          もう一つのメトロノーム活用法

          はじめに / 作曲と楽曲分析とニューヨーク

          はじめまして。加藤洋隆と申します。 私は現在、作曲家として活動しています。2児の父です。 20代のとき、音楽の経験と知識がほぼゼロの状態で、無謀とも言えるニューヨークへの留学を経て作曲を学びました。この経験から、誰でも作曲ができると確信し、 ”作曲をやってみたいけどやり方がわからない” ”自分に作曲なんかできる訳が無い” ”学校の成績が悪かった自分に難解な作曲が理解できる訳がない” と決め込んでいる方々、そして、当然、 ”音楽をもっと深く勉強したい” ”きちんと勉強したい”

          はじめに / 作曲と楽曲分析とニューヨーク