老いについて思う–父のこと③【Rika's Subject】
(老いについて思う–父のこと②の続き)
元気なシニアと比べてしまう
一時期、元気なシニアを見るのが趣味だった時期がある。
90歳日本最高齢フィットネスインストラクターの瀧島未香(タキミカ)さん、88歳の現役料理研究家の小林まさるさん、90歳の今も板場に立っている道場六三郎さんなどをYouTubeでよく見ていた。
今夏私は布施明さんのコンサートを観に行った。
布施さんは父と同い年である。
最後列の席だったが、布施さんの眩しい笑顔と白く輝く歯が印象的だった。歌声はもちろん衰え知らずで、布施さんの歌うMy Wayには泣かされた。合間のトークも面白く、布施さんご本人が脚本を書いて演じる一人芝居もユーモアと優しさにあふれた心温まるものだった。
博品館劇場の小さなステージに立つ布施さんは、とてもキラキラしていた。
それに引き換え、我が父は一体何をやっているのだろう。
食べて寝るだけ。トイレもお風呂も1人では行けず、母を困らせる毎日だ。
第一線で活躍してきた芸能人と比較するのはフェアでないかもしれないが、まだ70代前半、せめて自分のことは自分でできて欲しかった。
やっぱり自業自得なんだと思ってしまう
勝間和代さんの 健康もマネーも人生100年シフト! 勝間式ロジカル不老長寿 という本を読んだのも大きかった。
その本には、健康・お金・社会とつながりを持つことなどについて、食生活や運動から情報リテラシー(スマホやタブレットを使いこなせる能力)まで、「人生100年時代に備えるための術」が余すところなく綴られている。
父は完全にその真逆をいっている。
食生活だけは母が気を付けていたので問題ないが、大して運動もせず、人とかかわりもしなかった。スマホどころかガラケーすら持ったことが無いし、退職後はパソコンを使うことも無かった。
今思えば、私が説教の1つでもすればよかったのかもしれない。が、母に散々「お父さん、このままだとボケるよ」と言われても何もしなかった父。たまに会う子供の言うことなど聞かなかっただろうとも思う。
父は、「なるべくして認知症になった」ということになるのかもしれない。
介護認定は、要支援1・2、要介護1~5の順で重度になる。
初めての介護認定で、要支援をすっ飛ばして要介護と認定された時、私は「やっぱりな」と思った。自業自得だ、馬鹿じゃないのかと思った。
(続く)
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