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赤字だった非営利型一般社団法人が1年3ヶ月でどうにか単月黒字に

わたしの運営している一般社団法人は2021年7月に営利型一般社団法人から非営利型一般社団法人に移行した。
なんのマネタイズもない法人が赤字事業を引き継ぐことになり、別の新規事業を立ち上げるために資金調達も行った。そんな話を2ヶ月前、このnoteにも書いた。

新たに立ち上げたのは2事業、1つは病気や障害のある子どもと家族のための適切な配慮について学ぶ研修事業「チャーミングケア研修」

そしてもう1つは、病気や障害のある子どもを育てることで働きづらい保護者のための就労支援事業「チャーミングケアアンバサダー」

研修事業を行うにあたって、人も必要となりアンバサダーに関しては当初は法人内の仕事を分担して行っていただいていたけれど、段々とスキルが上がってきたり、元々高スキルの人が参画してくれていたという点もあり、外部の仕事を請けるように。

わたしが元々、広告代理店勤務だったりフリーランスで販促物の制作やディレクション・広報支援なんかを生業にしていたことも相まって、幾つかの企業さんから業務委託のお仕事をいただけるようになった。
助成金なども活用して、法人のWEBサイトをリニューアル&研修サイトの構築(研修の立ち上げ)をしつつ、そこで得たノウハウを他社の業務委託のお仕事に活かした形になる。
もちろん元々運用している、物販事業(赤字の根源でもあるのだけど)で得た知見も大いに役立っている。

そしてこの10月、業務委託での売上でどうにかこうにか単月黒字になりそうだ。
物販も研修も赤字であることは変わりないけれど、1年3ヶ月で法人全体として赤字からは脱せたのは非常に嬉しい出来事だ。

単月黒字化のポイントは、採用の成功と外部リソースの確保

採用はTwitterのみ 募集コストはほぼ0

何度も連呼するのもアレなのだけれど、言っても赤字からのスタートなので、採用募集にお金をかけられるはずはない。
最初の募集はスカウトで直接見知った人に事情を話し、資金調達はなんとかできているのでこんな賃金形態だけどご一緒してくれませんか?とお願いした。
何人か参画が確定したらTwitterでも募集をかけた。
数名の応募者があり、職務経歴書の提出をしていただき面談をして(この辺りは普通の面接と経緯は同じ)1期で5名の採用を決めた。
先日2期の募集を、これまたTwitterでのみ発信して、また新たに5名の採用が確定している。

支払いの上限は2万円まで。1年前の開設当初から変わらぬ募集概要

フリーランスのクリエイターさん達との連携

2021年の7月からわたし自身が再びフリーランスとしても働くようになり、横の繋がりで複数のクリエイターさんと仕事をご一緒する機会がグッと増えた。
1年以上もご一緒していると、フルリモートでほぼテキストベースでしか会話せずとも、お互いの背景は見えてくる。
チャーミングケアの趣旨に賛同してくださるクリエイターさんたちが、法人で運営しているコミュニティSlackに加入してくれるようになった。
デザイナー・エンジニア・動画クリエイター・ライター・バックオフィスのエキスパートまで、実に多様な方とチームで連携できるようになり、自社のWEBサイトだけでなく他社の制作にも対応できる体制ができた。
また、わたし以外にもう一人優秀なディレクターに内部スタッフとして参画してもらえたというのが非常に大きい。
そしてこのコミュニティSlackの加入者は現在100人弱。
クラウドファンディングで応援してくださった方や、研修事業でお世話になっている専門家の方々、そして病気や障害のある子どもを育てている保護者層と、クリエイターで構成されている。
もはや、無双状態。絶賛、業務委託でのお仕事のご依頼お待ちしております。m(_ _)m

今後の課題

今後の課題は、チャーミングケアとしての活動の原点となった物販事業の立て直しと、研修事業をどうにか軌道に乗せることだ。

物販事業:チャーミングケアモール

国内唯一の病児障害児に特化したECマーケットプレイスという事もあり、運用がとにかく大変。一般的なECと同じような感覚ではうまくいかない。
そして社会的意義の部分も補完していく必要性を感じている。
病気や障害のある子どもの医療ケアグッズやお見舞い品に関する情報に関して、集約されているところがない。
疾患に関わらず広く情報を集めてセグメント化できるのが、チャーミングケアモールの強みなはずなので強化していきたい。

研修事業:チャーミングケア研修

病気や障害のある子どもと家族への適切な配慮というテーマで立ち上げた研修事業。進めていくほどに課題が見えつつある。
例えば医療ジャンルにおいて、病気の子どもや家族の不安を取り除こうと*プレパレーションを行ったとしても、それ自体には医療点数は発生しない。

*ケガや病気などの様々な理由によって医療を受ける子どもに対して、治療、検査、手術などの処置についての説明を行い、子どもがそれらの医療行為を十分理解し、心の準備が出来るように導くことを指します。

上記記事パラマナビより引用

また教育ジャンルでは、何らかの配慮が必要な子どもや家族に関して*合理的配慮をする必要性がある。しかし、そのためには環境の整備と心の整備が必要。環境の整備に関しては、現場での予算の兼ね合いから、外部からアプローチするには限界がある。一方心の整備に関しては、困り事が多様すぎて具体的に把握されにくく、さらには配慮したからといってなんらかの評価や助成の対象にはなっていないのが現状。

*障害のある人が他の人と平等に暮らすために、
周囲の人や学校、会社などが無理のない範囲で行うべき①支援や②ルールの変更、③環境の調整。
例えば、①見えない人に声で文字情報を伝える、②音に敏感な子どもに教室でヘッドフォンの着用を認める、③車いすの人のために動線を広くする…など。

上記記事NHKハートネットより引用

つまりは、学んだ先のメリットが明確ではないのだ。
「当たり前にすべきこと」と位置付けられているけれど、それを学ぶのは個人の努力に委ねられている。それじゃなかなか広がらない。
マイナンバーがその図式にして広がらないという対策にたくさんの金銭的メリットを提供しているのに…
なんだかとっても矛盾している気がするのだけど、とかくこの国は無償の努力を強いる癖がある。
1つだけ言えそうなのは、「ありがとう」という言葉と子どもと家族の笑顔を見る回数は、おそらく学ぶ前より学んだ後の方が格段に増えるだろう。
そこに対して、どれだけの人がパワーを割くのだろうか?今のところ未知数だ。
未知のものを広げていくには、それ相当の時間がかかる。
根気強く発信していかねばならないとともに、学びやすく親しみやすいものである必要性がある。
その一歩として、適切な配慮を必要としている病気や障害のある当事者やご家族には研修の一部を無償提供しようと考えている。
チャーミングケア研修は現在β版として運用中。来年には体制をきちんと整えたい。

まとめ

黒字と言っても小さな小さな非営利型一般社団法人なのでチャリンという金額。
そしてそのお金は別の事業に回っていくだけの話なので、自転車操業をしているには変わらない。
ただ、課題は山積しているけれど、どうにか事業継続できる道筋が見えてきた。
どれだけ志が高くとも、預金通帳の残高がゼロでは何もできない。
そこをどうにかするのがわたしの役目だし、毎月のマイナスをどうにか食い止めた。それが頑張った証だなぁと感じている。


チャーミングケアではマンスリーサポーターを募集しています。

先日立ち上げたけれど、全くサポーターがいないというのが現状。
非営利型一般社団法人が適切な事業運営をしていくには、皆さんからの寄付も必要です。
少しでもご興味ご関心があれば、マンスリーサポーターの登録をお願いします。


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