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ロシア連邦の税収の収益構造と利用

2021年の連邦予算の支出は、合計で47.07兆ルーブルでした。

ここではまず、税収の構成を見ておきましょう。ここでは(2008年から、2010年まで)の情報を用います。2023年現在とは違いがある場合があります。

税収入の利益構造


2008年から2010年にかけての連邦収入のうち

  • 石油・ガス関連の収入は30%から37%

  • 国内販売に対する付加価値税(VAT)は19%から25%

  • 輸入に対する付加価値税は13%から14%

  • 法人利益税は8%

  • 石油・ガス以外の輸入・輸出関税は8%

  • 消費税は2% (上記付加価値税(VAT)は、日本でいう"消費税"にあたります。)

  • 石油・ガス以外の天然資源税は1%未満から1%

  • その他の税金(未払いの徴収含む)は7%

  • 配当金とその他の非税収入は5%​

そして2021年の連邦予算の支出は、合計で47.07兆ルーブルとなっています​。その利用方法は以下の通りです:

2021年 連邦予算支出

  • 社会政策:16兆ルーブル

  • 経済:7.22兆ルーブル

  • 医療:5.17兆ルーブル

  • 教育:4.69兆ルーブル

  • 防衛:3.58兆ルーブル

  • 国家装置(State apparatus):2.85兆ルーブル

  • セキュリティ:2.5兆ルーブル

  • 住宅と公共サービス:2.17兆ルーブル

  • 文化:0.65兆ルーブル

  • スポーツ:0.44兆ルーブル

  • 環境:0.44兆ルーブル

  • メディア:0.17兆ルーブル​。

情報源

この内約における「国家装置(State apparatus)」は、政府の行政部門や公務員など、国家を運営するための構造や組織を指します。具体的な支出項目としては、公務員の給与、行政施設の運営費用、国家の運営に必要なその他の費用などが含まれる可能性があります。

防衛(国防費)とセキュリティが分けて配分されていますが、ロシアは世界で最も大きい連邦国家であるため、常に辺境の構成国、周辺国との関係があります。外国・対外的な防衛(国防費)と、対内的なセキュリティとの境界は曖昧であり、重複していることも踏まえておく必要があります。2023年6月にロシアのプーチンは、ワグネル社へのロシア国歌予算による助成支援を公式に認めています。推定される助成規模は、国防・セキュリティの総額からみると小さなものですが、この内役におけるメディア:0.17兆ルーブル​より大きな額とされています。これは一企業への助成支援としては高額であるといえるでしょう。

これらを基本的な情報として、ロシアの税収の生成と利用について概観を考えてみましょう。


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