見出し画像

「強みを知れば適職が分かる」は誤解で「自分に最適な方法が分かる」が正しい (ストレングスファインダー活用法)

こんにちは、ストレングスファインダーコンサルタントの中村太一です。


今週はワークショップや講座が立て続き、なかなか多忙な一週間となりましたが、強みを活かす価値と方法を、多くの方にお伝えできた充実感も大きかったです。

ご依頼頂きました皆様、本当にありがとうございました。


さて本日のお話は掲題の通り、


「強みを知れば適職が分かる」は誤解で

「自分に最適な方法が分かる」が正しい

というお話です。


特に就活中の学生さんや、転職や異動を考えている方にとって、


私の「適職」「天職」を判定してほしい!


という気持ちになってしまいやすいですし、私もかつてはそうでしたが、結論から言えばストレングスファインダーの正しい使い方ではありません(公式本で分かりやすい「例」として特定職種に活用する話が出ているのも誤解を招きやすいところかもしれませんが)。

じゃあ何の役に立つのかというと、今の仕事や、これからやろうとしている仕事で、うまくいきやすい最適な方法が分かるということなのです。


後半ではコーチング職を例に、資質別に適したスタイルの違いも具体的に説明しておりますので、楽しんで読んで頂けるのではと思います。

それでは、詳しく解説していきます。




何を仕事にするか(What)は自分で決断する必要がある



ストレングスファインダー以外にも、WEBテストを受けてパーソナリティや特性を教えてくれる人間理解系ツールは多く存在します。そして多くの場合で「適職」「天職」がわかりますよと触れ回っていることがあります。


実際、自分の適職を知りたいというニーズが大きいことは間違いなく、そこに訴求すれば売れる、という発想があることは理解できます。

しかしながら、実際にそういう期待でツールを使い、結果が示す職業を選んだお蔭で大成功したという方を、私はまだ知りません。


また、会社・組織単位でそうした「適職判断」を訴求するツールを導入した場合、残念な結末を迎えることも多いです。なぜなら既に実際に成功しているのにテストを受けると「適性なし」という、矛盾した結果が出るケースも多いためです。


営業部でツールを導入したら、その営業部のエース社員が「営業に不向き」という結果が出てしまい、その瞬間にツールへの信頼度がゼロになりました、といったお話もよく聞きます。

落ち着いてみれば当たり前の話で、営業として成功される方が全員、コピペしたように同じパーソナリティを持っているというのが、そもそも無理な前提なのです。

結論、何を仕事にするか(What)は、自分の意思や熱意、覚悟をもとに決断するしかないものです。もし特定職で成功した方に共通項があるとすれば、それは性格ではなく、仕事への熱意や、成果を出したいという情熱やエネルギーの方ではないでしょうか。


そのエネルギーを出すためにも「ツールが成功すると言ってるから」という受け身な決め方ではなく、「自分で選んだ以上は、もしくは、そこしか今は選択肢がないのだから、自分で正解にしていくぞ!」という決め方を、私は推奨したいと思っています。



と言いつつ、これだけですと精神論に留まってしまうので(精神はとても大切ですが)、後半はストレングスファインダーを使って出来ることについてもご説明します。



どんなやり方が最も向いているか(How)はストレングスファインダーで分かる



結論、ストレングスファインダーで分かるのは、自分が選んだ仕事において最もうまくいきやすい方法です。



どんな資質を持っていたとして、それだけで何かの職業での成功・不成功が運命づけられるなどということはありませんが、最適なやり方は明確に変わってきます。


例えばAさん(「共感性」持ち)とBさん(「戦略性」持ち)という2人の方が、仕事の悩みを抱える方に向けたコーチングで成功しようと決断されたとしましょう。


Aさんの「共感性」は、人の心の機微に敏感で、相手の感情とシンクロすることも得意という資質です。


Aさんがコーチとして成功するポイントを、ひとつ挙げるならば、相手の心を解きほぐし、そしてお相手自身もまだ意識できていなかった「本音」を引き出すことで、自ら深い気づきを得てもらう、という強みを中心に組み立てることです。


コーチングスタイルは対話重視・傾聴重視で、進行はリードしつつも、相手の方の発言量の方が圧倒的に多くなるように心がけられると良いでしょう。


他者の心・感情とシンクロできる特性も活かし、何かを教えることに意識を使うよりも、自分が鏡となることで、クライアントさんが自分自身の内面と対話しているような感覚に導くことをイメージ頂くと、終盤にはクライアントさんが問題の原因に自らたどり着き、気づき、自ら解決し始める状態に導くことができます。

こういった方向性が、ご自身に合っているスタイルと言えます。




一方、Bさんの「戦略性」は、物事を俯瞰し、ゴールにたどり着けるであろう最短最善の選択肢を、合理的に考えることが得意という資質です。


Bさんがコーチとして成功するポイントを1つ挙げるならば、相手から情報を引き出して状況を整理し、軍師のように俯瞰して具体的な原因特定や解決策提案を行えるという強みを中心に組み立てることです。


まず現状と目標をヒアリングして状況を俯瞰、理解を深め、その後に分析や仮説を共有し、それらをもとに一緒に解決策検討をするようなやり方が向いていると言えます。全体的にティーチングの成分も多めになりそうです。


クライアントさんの状況を俯瞰し、構造化。「共感性」スタイルとは対照的に感情部分と事実部分も切り離して整理することで、「あ、なんだ、確かに私の問題の本質ってコレですね。じゃあコレをどうにかして片付ければいいってことか!」と、クライアントさんに冷静さと洞察力を取り戻して頂き、更には一緒に打ち手を考えたり、クライアントさんに見えていなかった選択肢をこちらから提示する。

こういった価値提供が合っていると言えます。



(余談ですが、私も「戦略性」持ちであり、だから自分のコンサルやワークショップのスタイルもこちら寄りなのだなと改めて自覚しました。笑)


以上、資質を知れば、適切な方向性・スタイル(How)は見えてくるよ、というお話でした。


1つの資質だけでもここまで具体化できますので、更に上位5つの資質の掛け算(私の本業の1つです)まで行うと、どこまで分かってしまうのか、想像頂けたのではないでしょうか。

(本当に奥が深く、面白く、強力なツールなのです!)


やる仕事(What)は自分で決断し、やり方(How)をストレングスファインダーで決める



ということで結論がこちらです。


やる仕事(What)はツールに頼らず決断し、

やり方(How)をストレングスファインダーで決める。

この使い方を是非知っておいていただければと思います。


既に頑張ろうと決めている仕事に取り組んでいるけど、うまくいかなくて迷っているという方には、仕事自体(What)を大きく変える前に、まずはやり方(How)の方を変えることを、先に試してみて頂きたいなと思っております。


もちろん、ストレングスファインダーを進路(環境)判断の材料の1つとして使うのは有効です。特に組織で仕事をされる場合、自分だけで環境をカスタマイズできるとは限りませんので。


例えば、営業としてキャリアを積みたい、という場合でも下記のように会社さんやそのフェーズによって主流環境・要素が異なります。

  • チームで動く ⇔ 単独で動く

  • 商材の種類が多い ⇔ 少ない

  • 商材カスタマイズは他部署の仕事 ⇔ 自分の仕事

  • 低単価・販売先多数 ⇔ 高単価・販売先少数

  • 固定給+成果賞与 ⇔ 完全歩合
    ・・・・・


このような、環境・条件・求められるスタイルはHowの領域ですので、資質による相性が存在します。


とはいえ、全要素に神経質になる必要もないのでご安心ください。合わない要素が1個でも見つかったら即NGという姿勢ですと、働く場所がなくなってしまいます 笑


あくまで、並列の選択肢が出てきた場合に、あまりにも総じて合ってない環境よりも、合う要素が多めの方が良い、という話です。


一方で、仕事環境を設計する立場の経営層・マネージャー層の方々にとっては、可能な範囲で部下の資質に合う要素を増やすことがお金をかけずに大きな効果が見込める施策にもなりますので、ぜひご検討下さい。


やり方(How)の最適化のため、個人としても組織としても、ぜひストレングスファインダーをご活用頂ければと思っております。


終わりに


ストレングスファインダーは自分の特性を知り、そして、強みを乗りこなしてポテンシャルを引き出してくれる本当に優れたツールです。興味を持っていただけた方は、ぜひ活用してみてください。


ストレングスファインダーをまだ受けたことがないという方は、Amazonなどでこちらの本(新品)を購入後、同梱のアクセスコードを、本で案内されるサイトに入力し、WEBテストを受けると結果が分かります。
https://amzn.to/3wTzfGN
※中古はアクセスコード使用済の場合が多く、新品購入が必要です



また、私の仕事はそのストレングスファインダーの結果を使い、より深い示唆が得られる掛け算分析によって、具体的な強みの可視化や、ご自身やご自身の組織に合った戦略・解決策のご提供をすることです。


それが助けになる方には直接お手伝いができればと思いますので、興味をお持ちの方はぜひこちらの自己紹介記事資生堂さんでのワークショップ事例も、ご一読頂けますと幸いです。


「人の”強み”を活かす文化と技術を、日本と世界の多くの人や組織に伝える」というのが私の目標で、こういった考え方に共感して下さる方を増やしたいという思いでこのブログも開設しました。

今後もフォローなどで応援いただけると嬉しいです。


最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
またお会いしましょう!


雑談あとがき


以下雑談です。

私が4年前から住む葉山は海沿いかつ温暖な気候ということもあり、5月の上旬にはもう海遊びが始まります(さすがに日は選びますが)。

SUP(ボードに立って水上を進むアレ)もやり始めましたが、ベストシーズンは実は暑すぎない5~6月だなと思います。

海の家と海水浴客で賑わう7~8月も楽しいですが、この時期の海も素敵ですので、都内・神奈川在住の方には、日帰りの海遊びやドライブもおすすめです。小さいお子さんもすごく楽しんでくれます。

雑談あとがきも読んで頂き、ありがとうございました。それでは、また。

この土地で育つ娘は
泳ぎがうまくなりそうです


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?