試されるカップル①

直近の話題が全部コロナ関係になって、まあそれが日常のトップの話題だし、人間が今までの行動が出来ない故、話題もなくなる。
毎日家にいるだけの生活で、何の事件も当然だけど起こらない。むしろ、自分の国に帰れなくなったということがすごい事件なのだが、これを会話にしても着地点がないので、この件のストレスに関しては自己処理である。
デート相手たちに話しても、「まあ辛いのは君だけじゃないし」と言われてしまう。至極正論なのだが、何となく「アフリカの貧しい子のために食事を残すな」と言われた気分に近くて、もやもやする。
みんなが一緒に乗り越えるべき大変な時期なのだが、それでも個々に悩みはあるじゃないか。政府だって連日コロナのことばっかりやってればいい訳ではないのと一緒だ。

そんな私の現在の悩みのトップ事項といえば、国に帰れないことでも仕事がなくなることでも何でもない。
コンタクトレンズの使用期限が切れていることだ。
すでに2週間経過している。装着しているともう目がしょぼしょぼするし、これがラストペアだと思うと、サーフィンのときもめちゃくちゃビビっている。
ならサーフィンするなよとツッコミをいただきそうだが、サーフィンするからこそ、ここスリランカに閉じ込められていることに意味づけ出来るし、これにてメンタルサニティが保たれているので、見逃してほしい。
もちろんコンタクトもしくはメガネを探すための最大限の努力はした。しかし何と言っても戒厳中である。オプティカルショップなんて、特に生命に関わる問題はないだけに、10軒近く回ったが開いていない。
こっちにとっては充分「生命活動を脅かす」問題なのだが、しょうがない。
しかし戒厳令が数日ぶりに6時間だけオフになっている間、何軒も走り回って見つからなかった時には流石にがっくりきた。
もうメガネをかけている通行人から追い剥ぎをしようかと割と真剣に考えた。なんならお金払って譲ってもらおうかとも。でもみんな無いと困る。
そういうわけでホテル内にいるときは、もうメガネもコンタクトレンズもなしである。ボヤーっと人の顔が見れるぐらいだ。これもパソコンに顔を近づけまくって書いている。コロナ騒動で私が心に決めたことは、レーシック手術をしよう、ということ、そうでなければ旅行には必要以上のコンタクトレンズを持ち込もう、この二つである。それ以外の教訓はまだ得ていない。

さて食事においてであるが、幸運にもラッキーのママが3色据え膳を用意してくださっている。これは本当にありがたい。
しかもスリランカ のカレーはめちゃくちゃ美味い。更に言うならラッキーのママの料理が素晴らしい。
お陰で野菜不足にもなっていないし、栄養は完璧だ。また日本の薄焼きせんべいみたいなパパダンが最高なのだ。メニューも毎日違う。
さて、ここでハッキリ言うが、私とラッキーやその家族は仲が良いと言っても、もちろん私はここで受ける全てのサービスにお金を払っている。
ラッキーも非常事態ということで格安にしてはくれているが、有料なのは逆にありがたい。ただでさえストレスが溜まる中で気を使いたくない。
これをどれだけの人が読んでくださっているかは謎だけれども、今後コロナの影響で日常生活もキツくなってくるかもしれない。
なので私がこの戒厳令の中で、まだ結婚もしてないカップルにアドバイスするとしたら、向こうからオファーされても、出来るだけ自分の分は自分で払え、ということだ。もちろん、こちらが無職で相手はまだ大丈夫なら、しばらくの間甘えてもいいが、お互いの経済事情が逼迫してきているなら、メンタル以外では甘えないほうがいい。

これが原因で、あるひと組の国際カップルに亀裂が入りかけているのを私はリアルタイムで見ている。

(続く)


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