【経理】スケジュールの立て方は "綿密" or "ざっくり" のどちらが良いか?
こんにちは、きくちきよみと申します。
税理士です。
スケジュールを立てて作業を進めていても、体調を崩したり予期せぬことが起こったりして、うまく作業が進まないことも多いと思います。
今日は、「確実、かつ、迅速な仕事のためには、スケジュール管理が重要」ということについて書きます。
確実&迅速な仕事の障害になるもの。
数字を扱う仕事をしていても、間違ってはいけない場面で間違ってしまったり報告が遅くなってしまったりすることは、よくあります。
ただし、たとえ間違ってしまったとしても、「物理的にも精神的にも充分な時間がある」状態であれば、間違いに気づいて自ら訂正し、正しい状態で報告することができます。また、時間がある状態であれば、作業の手戻りも少なく、迅速に業務を終わらせることができます。
今日は、「物理的も精神的にも充分な時間がある」状態でいるためのスケジュール管理の考え方を整理してみたいと思います。
経理スケジュールの立て方。
経理さんのスケジュールの立て方は、2パターンに分かれると思います。
①スケジュールを目に見える形で整理している。「綿密」
②スケジュールを自分の頭の中で整理している。「ざっくり」
ベテランの経理さんとお話すると、「スケジュールはざっくりしか立てない」とおっしゃる方がいらっしゃいます。ただ、詳しくお話を伺うと、②のパターンというだけなので、実際のスケジュールがざっくりということではありません。
①目に見える形で整理する。「綿密」
経理部が2人以上で構成されている場合は、このパターンであることが多いと思います。
ウェブカレンダーやタスクアプリなど、管理ツールは様々だと思いますが、「いつ作業をするか」「何の作業をするか」「期限はいつか」ということを明確化します。管理ツール上は作業名だけを記入し、具体的内容は別途マニュアル化していることが多いでしょう。
自分はこの①タイプではあるのですが、同じ手順に飽きてしまったり、漫然とスケジュールをこなす思考に陥ってしまったりするので、「敢えて新しい手順やツールを入れてみる」ということを定期的に試すようにしています。
<メリット>
・熟練度は関係なく、どの経理さんも同様に作業が進められる。
・急に仕事を休まねばならなくなったとき、他のスタッフが見ても、何の対処が必要かが一目でわかる。
<デメリット>
・登録作業が面倒である。
・上長が①のタイプでない場合、登録作業は新人経理さんが実施したまま放っておかれることがあり、結果的にスケジュールの抜けやミスが発生することがある。
②頭の中で整理する。「ざっくり」
ひとり経理の場合やベテランだけで構成された経理部の場合、このパターンであることが多いと思います。
基本的には、月次作業の細かいスケジュールはなく、「月次決算締日」と「月次決算報告日」だけがスケジュール表に入っていたりします。
自分自身は前述の①のタイプですが、実際に経験した経理部はこの②のタイプが多かったです。そのため、自分専用の細かいスケジュールやマニュアルを作成するようにしていました。
<メリット>
・無理にスケジュールに縛られることがなく、対応力が高い。
・経理部員が「考える」環境になるため、作業の改善提案が出やすくなる。
<デメリット>
・新人経理さんには向かない。
・経理さんが休むと、他のスタッフが対処できない。
③上長の承認スケジュール管理も必要。
作業スケジュールの中で重要度が高いの項目なのが、「上長の承認のタイミング」も考慮する必要がある、ということがあります。
毎月実施する定型的な作業であれば問題ないのですが、特別なレポートを上長にレビューしてもらう場合、事前にレビューポイントを説明し、日程を押さえてもらう必要があります。
この「事前説明」がない場合、上長の側でそのレビューの重要度・作業時間を事前に把握できません。急に「レビューしてください」と持って行っても、「なぜこのような重要な内容をこんなにギリギリに持ってくるのか」「そもそも前提情報が不足している」ということにもなりかねません。
シンプル過ぎるが、割と難しい。
スケジュール管理は基本の単純作業ではありますが、意外と難易度が高いと感じています。
それぞれの職場や人に合ったスケジュール管理があると思いますので、工夫をしながら、管理方法を変えてみてはいかがでしょうか。
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ここまでお読み頂きまして、ありがとうございました。