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【経理】資料をレヴューするときに、大事にしたいこと。

こんにちは、きくちきよみと申します。
税理士です。

先日、お客様(経理担当者の方)から「スタッフが作成した資料をレヴューするのに時間がかかってしまうので、コツを知りたい」というご質問を頂きました。正直なところ、自分よりも早くて正確なレヴュワーは山ほどいるので、コツを教えられるような立場にはありません。(そもそも「時間がかかる」がどの資料で何分なのか、という基準はあるのでしょうか、、、)

ただ、レヴュワーとして大事にしていることはありますので、今日は「他者が作成した資料をレヴューする際に、大事にしたいこと」について書きたいと思います。


大事にしたいこと①:目的を知る。

レヴュワーとしては、まず「その資料の目的を知る」ことが重要です。

お客様に提出するものなのか、公的機関に提出するものなのか、社内作業用なのかなど、資料にはその作成目的があります。その目的に沿って資料の作成方針は決まりますので、レヴュワーはその前提を知る必要があります

例えば、単なる社内作業用であるならば体裁にこだわる必要はありませんが、お客様に提出するのであれば、ある程度の体裁・見た目は必要でしょう。公的機関に提出するものであれば「求められた様式に沿っているか」などの検証も必須です。

レヴューを始める前に、その作成目的を押さえましょう。

大事にしたいこと②:サマリーには徹底的にこだわる。

これは資料の作成目的は関係なく、どのような資料でも共通することですが、「サマリー(まとめ)には徹底的にこだわる」べきだと思います。資料のサマリー部分は最も重要な部分だからです。

結論が求められる内容であれば、その結論が明確に書かれているのが望ましいでしょう。以前に「深く理解して細かすぎるか、理解が浅くて大雑把か」という内容で2パターンの経理タイプについて書きましたが、レヴュワーがサマリーを見るとき、この2パターンの経理タイプは全く関係なく、こだわる方が多いと思います。普段は大雑把な人であっても、サマリーにはこだわるということです。

結論を示す部分であるからこそ、「この書き方は見にくい、誤解を招く可能性がある」などの視点は作成者本人は気づきにくく、非常に重要だと思います。また、重要な前提の抜けがないかなどの視点も必要です。

資料の細かい部分も大事なのはもちろんですが、大筋で誤らないための舵取りがレヴュワーの役割だと思います。


大事にしたいこと③:「パッと見10秒」で合っていると感じられるかどうか。

これは自分が一番大事にしていることですが、「パッと見10秒」で「この資料は大丈夫そうだな」と感じられるかどうか、というのは非常に大事だと思います。

自分はレヴューをするようになってからのこの「パッと見10秒」を実践するようにしていますが、今は「パッと見10秒」の所感と実際に詳細をレヴューした結果は、ほとんど変わりません。当然ながら「パッと見10秒」では細かい訂正箇所まではわかりませんが、「パッと見10秒」で大丈夫ではなさそうなときは、やはり内容に誤りがあることがほとんどです。

資料の順序や配置・体裁などで作成者の意図は伝わりますので、作成者の頭の中が整理されていないと資料も整理されておらず、「パッと見」で全く内容が理解できません。一方、「パッと見」でわかりやすい資料は理解しやすいので、万一、その内容に誤りがあったとしてもその誤りに簡単に気づくことができます。

結果的に「パッと見」でわかりやすい資料は、レヴューにかかる時間も少なくなります


【番外編】資料作成者の立場から見ると。

余談ですが、資料作成者の立場からは「結論は間違っていないのに、なんでこのレヴュワーはこんなに細かいことを言ってくるんだろう」「いつもは大雑把な人なのに、資料のサマリー部分だけ細かいな」と思うこともあると思います。

レヴュワーがレヴュー初心者のときは、自分の好みだけで指摘箇所に含めてしまうこともあるかもしれませんが、大抵のレヴュワーは好みだけの指摘のときは「これは自分の好みですが」と前置きします。

単純に数字を配置する箇所だけの訂正依頼であっても重要な意味を持っていることは多いので、訂正依頼に納得がいかない場合は、その訂正の理由をきちんと質問した方が良いと思います。

まずは、かける時間より、何を見るか。

上述の③で書いた通り、レヴューにかかる時間は、そもそものレヴュー対象の出来・不出来にも影響されると思います。

かける時間を少なくしたい気持ちは理解しますが、まずは「何をポイントとして見るか」が大事なのではないでしょうか。


最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。

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