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米国企業のジョブ型は組織育成もジョブのうち

最近、日本企業がメンバーシップ型からジョブ型に移行する、という話をよく聞きますね。その中で「ジョブ型」についての懸念・課題が叫ばれていますが、なんだか理解が間違っているものがあると思います。

「ジョブ型」に関する誤解

・仲間が教えてくれない(仲間はライバルだから蹴落とす)

・上司が育ててくれない(部下を育てなくなる)

・組織の成長・企業理念への意識が希薄になる

そんなことはありませんよ。私が勤めた米国企業はもちろんジョブ型採用ですが、ジョブの半分は業務(たとえば経理)、半分は組織育成です。組織育成は、自分の成長、同僚の成長、部下の育成、上司を含むチーム全体への貢献も含みます。

組織育成は重要なジョブです。組織育成ができない人は昇進できません。

こういう誤解をされている方は、メンバーシップ型のいい点を挙げます。人材を教育する。新任社員で経験も能力もなくてもお給料が払える。理念を共有できる、ということです。

経営理念は、会社に長く勤めればわかるというものではありません。会社の上層部がわかりやすくきちんと説明すれば、転職したばかりの人とも共有できます。というか、転職する際にはその会社の経営理念をよく理解して共有できるかどうかで、その会社にはいるかどうかを決めますからね。

日本企業では今までOJTでひとを育ててきたというけれど、「その会社でしか通用しないこと」を教育してきたのでしょう。それを、60歳まで同じ会社にいることを前提に、ゆっくりゆっくり昇進させて育てます。外から欲しがられる人材に育てる、という観点はありません。

日本企業に新たな動きが出てきたことはいいことです。だんだんなじんでいくのでしょうね。

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