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旅行雑誌TRANSIT No59「東インド・バングラディッシュ」を読んだ

雑誌TRANSITは写真のインパクトがすごい。飾り付けされた映える写真ではなく、人や物をあるがままに写している感があって、歴史・文化も垣間見れるのがこの雑誌のいいところだと思っている。
4年くらい前にインドに行き、今回の特集の地でもあるカルカッタに数日間滞在した。そこは貧富の差が激しく、危ない街だったという印象が強い。なお、カルカッタでは、マザーテレサがかつていた修道院に行きボランティアとして病院で介護のお手伝いをした。それはまたの話として、インドは汚くて、臭くて、色んな意味で危険で、本当にカオスな国だった。でもそんな混沌としたインドという国にまた行きたいと思ってしまう。
何故、インドにまた行きたいと思うのだろうか。

・カオスであることに人とのつながりを感じる

単純に生きなければならないという思いで、あまり他のことを考えなくてすんでいる状況に瞑想に近いような感覚があるのかもしれない。だって、車の運転は荒いし、うじゃうじゃいる野犬が狂犬病をもっているかもしれないし、みんな日本人をだまそうとするし、水飲むの怖いしで、生きることに神経を使うのだ。そんな状況が面白くて笑えてくるのだ。どことなくそんな日々が、アートを観ているような、突飛な発想の中にいるような気持ちになる。
人の心は理路整然となどしてない。表情には出さなくとも喜怒哀楽がごちゃまぜになっていることは大いにある。そんなカオスな環境が人の心みたいなものと親和性を持つことに安心感を覚えるのだろうと思う。

・自然と動物と人がつながっている

コンクリートの道路に牛が悠々と歩いて車がいそいそと避けて走っている。単純にそんな状況が場面として魅力的なのだ。なんとなく全てが自然体で生きていると感じる。
生きるということ、食べること、排泄すること、泣き笑うこと、それぞれをありのままに感じられることで幸福感を得られたのだと思う。

・死が日常生活のそばにある

明日死ぬとしたら今日何しようかなんて、スティーブ・ジョブズは考えていたのだろうが、普段死ぬことを考えることは少ない。インドでは、さまざまな場面で死というものを目の当たりにすることが多い。今日を生きるということを考えさせられるとともに、皆いつかは死ぬと考えると安心感みたいなものを覚えるなんてこともあるかもしれない。

・カレー風味の何かとかチャイが美味しい

日本にはない何かが入っているかもしれないというドキドキもあったりするが、本場感って嬉しくなる。当たり前のように手でカレー食べたりしてみたくなるよね。

・地理的、心理的に遠いとこに行きたい

誰からも干渉されない孤独を求めているのかもしれないし、脳に焼き付くような体験を求めているのかもしれない。死への憧れみたいな気持ちもあるのかもしれない。頭ではわかっているつもりでも、身を持って体験しないと理解できないことって多い。とにかく行ってみて体験することを今後も続けたいと思う。


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