【楽園の噂話】 Vol.28 「メカニズム 後編 : 堕ちていく安心感と、道連れの心;対策」(No.210)


前編のつづき


この大きな存在に飲まれることによって生まれる苦痛とは、人生のかじ取りを自分では出来なくなることに起因します。


大きい存在に飲まれることで、自分の人生を自分で管理監督する大変さから解放されます

はじめはそれこそが喜びでした。自分の人生をその大きい存在に丸投げして、すがっていられる感覚があったからです。


しかしそれは一時の休憩に過ぎません。


当たり前ですが、誰に飲まれようとも人生のかじ取りは決して無くならないのです。

それどころか飲まれることで、かじ取りのレベルは上がります。


大きな存在は指示を出しますが、その指示に従い結果を出すにはその都度個々の判断が必要になるのです。

ですが、そもそも心身ともに疲弊して自分のかじ取りすら出来ずにすがってきたような人なのですから、簡単に結果は出せません。
そして先輩にあたる人たちも同様ですからロクなサポートも無く、裸同然で放り出されることになります。救いを求めたはずが一般的な企業よりも難易度が高くケアも無い中で結果を求められる生活が始まるのです。

当然周りからは邪険に扱われ距離を取られ、場合によっては喧嘩となります。ですから益々身内で固まるようになるのですが、その先輩たちもまるで助けにならないのです。


この苦しさはこれまでよりずっと辛いのです。
何故なら救いのはずの存在が苦痛の原因であるからです。


つまりはもう救われないのです。そしてもう逃げられないのです。

それは人生の舵をその大きな存在に明け渡してしまったからです。


そこに気づくころには、もう人への迷惑倫理も無くなり、この苦しさに背中を押されながら、自分と同じような新たな犠牲者を探して歩くようになります。


つまりは生け贄を探すようになるのです。自分の苦しさが僅かでも消えるように他の者を犠牲にするのです。

それはまるで、永遠に治らない傷口に絆創膏を貼り続けるような行為です。愚か極まりない行為ですが、その絆創膏を求めて毎日無関係な人に嘘をつき騙し、なだめたりすかしたり、時には脅したりして付きまとい続けるのです。


人を救うような口ぶりで、実は無関係な人にすがり助けを求めているのです。
しかし助けられても感謝はしません。反省もしません。
もう、そんな人として当たり前の事ですら、大きい存在に明け渡してしまっているからです。


人としての権利、人としての責任
すべて失った、抜け殻の人間です。
それが社内を、を、学校を、議会を、選挙会場を彷徨い歩いているのです。

こうして世の中には不幸が、悪が広まっていきます。



このような人たちが大きな存在に飲みこまれた、初めのころに感じたあの解放感。

まるで永遠に続くと思っていたあの喜びは、実際には解放では無くて、ただ奈落へ落下していくときに発生した「自由落下」の感覚だったのです。


落ちている間はある種の解放感に満たされますが、その時間が長ければ長いほど、地獄に到達した瞬間のダメージは計り知れず、元々いた場所からは絶望的にまで遠ざかってしまうのです。

彼らと共に見せていたあのイビツな笑顔も、落下の衝撃で引っ張られ、顔が引きつっていただけなのです。


世の中には様々なサービスや商品がありますが、大抵は1つの元になった存在があります。


インスタントラーメンも元はチキンラーメンですし、カップ麺も同じ日清のカップヌードルから始まっていますが、現在でもその後ろには無数の類似商品が並んでおります。


ネットショップで商品を探してみますと、何やら似たような物が列挙する事がありますが、よく見るとどれも別の商品であって、一体どれを買ったらよいか迷ったりするほどです。


このようにエポックメイキングな存在が1つあり、そしてそれ以外の大多数はその元になった存在の盗作や模倣です。食品などは好みがあり一概には言えないですが、大概元になった存在のほうが圧倒的に優れているものが多く、模倣品は大抵役に立たず、存在もその販売提供者も信用にならないことが多いです。



しかし問題なのは、そのどちらも「とてもよく似ている」ことです。


元になるものがあって、それを模倣したのですから当然の話です。

ですが、知らない人にとっては、どれが元になったものでどれが模倣品なのかはわかりません。


そして数は圧倒的に模倣、偽物、つまり嘘のほうが多いですから、よほど探さないとほぼ必ず偽物を掴む事になります。


かつてはこのようなことを調べて探すことはとても困難でした。実店舗を足で歩き周ったり、各メーカーへ問い合わせたり。


でも今は違います。
誰でもいつでも簡単に調べて探すことが出来るようになりました。


ですが確かに簡単になった分だけ嘘も増えてしまいました。


しかし同時に真実も増えたことで、探せば真実に出会えるようになったのです。
それもタダ同然で得られるようになりました。
これはかつては決して無かったことです。



人が悪へと流れてしまうのは、そもそも悪の事を何も知らないからです。


人によっては積極的に悪を成す人の存在さえ認めません。
ましてや組織なんてあるわけ無いと考えます。


しかし、はっきりと存在しています。みんな日々苦しめられています。


この大切な真実は、普通に生きていても誰一人として教えてはくれません。
だからどうしても対策を取ることが出来ないために、絶対に騙されるし飲まれてしまいます。

ですからウソに、罪に、悪に飲まれないためにも事前に対策をきちんと取らなければなりません。


その対策とは世界の真実を知ること。

悪の存在を知り、そして正しさを知ること。


この大切な事は残念ながら誰も教えてくれません。


だからこそ自分で探し求め、調べることが必要なのです。


それが出来る今の時代は、実は救いのある時代なのだと思います。




【楽園の噂話】Vol.28

「メカニズム 後編 : 堕ちていく安心感と、道連れの心;対策」


おわり



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