「シンプル・プラン:第1回;塩水発電LEDランタンを試しに使ってみた。その7」(No.0242)

マグネシウム式の塩水発電LEDランタンの使用感想

その6の続き

(過去の記事:その1その2その3その4その5


・96時間経過


2回目の水換え


若干暗くなったような気がするがよくわからない。


裏側を確認すると、白いカスによる濁りが見られない。


画像1



マグネシウム棒を抜き取ると、殆ど減ってない。

画像2


そして排水すると、白いカスがまるで無く、以前の時と同じような砂状のカスだけが底に溜まっていた。

画像3


以前は白くなったカスがドロドロと溜まっていて、甘酒のようになっていたのに今回は砂状である。
なぜ違うのだろうか?


この砂の色はマグネシウムの色とほぼ同じだ。
白い小さなカスと、マグネシウム色の砂状のカスが混ざっている。


試しにこの砂状のカスが溜まったところにクエン酸と水を入れてみた。


画像4


かなり見ずらいが、非常に細かい泡が無数に発生している。
水面にビールのように泡が溜まっている。


前回は本体の中に溜まった白いカスを洗浄するためにクエン酸を使った。


その際、保存していた以前に出た白いカスの入ったボトルの中に、水とクエン酸を入れて混ぜたところ、僅かに泡が発生したがすぐに泡は止まり固まっていた白いカスはサラサラになった。


おそらく、マグネシウムがきちんと反応して電気を発生させていたらクエン酸との反応は弱いのだと思う。
だが、今回のようなマグネシウム色の砂が溜まった状態というのは、何らかの理由できちんと反応せずにマグネシウムがボロボロと「分解」されてしまったのではないか?
だからこの砂は多くがマグネシウムそのもので、それ故にクエン酸が強く反応しているのではないかと思った。


後はいつもどおりに水交換をして終わり。



マグネシウム棒の減りが少ないのでまだまだ使える。

本来はあと1日で終わりのはずだが、とても終わる気配はない。


次回も同じように48時間後に水交換を行う。


・144時間経過


3回目の水換え



少し遅れて約52時間ほど経過した状態。


だが明るさには一切の変化は無い。

画像5


早速中を確認すると、流石にかなり痩せ細っていた。


画像6


また、排水も以前と同様に砂状であった。

画像7


そのおかげで洗浄も1回で終わった。


今回で合計148時間の連続点灯が実現された。


何度も書いているがこの製品の連続でLEDを点灯出来る時間は本来120時間までとなっている。


つまり既に30時間近く余分に点灯出来ている
これだけでも充分に満足行く結果である。


だが、先程確認したマグネシウム棒の残量からいっても、まだまだ使用出来そうだ。


水換えも無事に終了し、きちんと点灯も出来た。

画像8



前回から思っていたが、水換えしたばかりの状態だとどうにも薄暗さを感じる。
だがしばらくすると明るさは以前のレベルにまで上がっているような気がするのだ。
たんに目の錯覚かとは思うが、感想として記録する。


次回も48時間後に交換作業をする。



・192時間経過


4回目の水換え



48時間経過した。

合計で192時間の連続点灯だ。
明るさも変化なし。

画像9


中を確認すると、やはり相当にマグネシウム棒は痩せ細っていた。

画像10


もう折れそうなほどだ。
こうなるとそろそろ終わりが見えてきた感じがする。


排水も砂状のカスだけなので洗浄が一回で済んだ。


どうにも今回はこの砂状のカスしか出ない。
これまでの実験で当たり前に出てきた白い粉石けん状のカスは一度も出てこない。

ただ排水自体は白みがかっている。
だがこれまでとは全く形状が違うのが不思議である。

また、この砂状のカスを保存しているが、終始発泡しているのだ。
音もする。

つまり反応が起きているのだ。

金属マグネシウムは水と反応してガスを発生させる。
おそらく水素だが、つまりこのカスはたっぷりとマグネシウムを含んでいると考えられる。
この金属色の砂の正体は、おそらく砂化したマグネシウム棒なのだろう。


これまでと違って、なぜかきちんと反応せずに砂化してしまった為に、このように排水時のカスにも反応が出てしまうのだと考えられる。

前回は上手く反応した為に、排水にはただの粉石鹸状の白いカスしか出なかったのだ。


ここで、過去2回と今回の違いがあるとすれば、それはずばり「2回目」という部分だ。


つまり初回はどちらでも(アクパ、ミズシオン)上手く反応したのだ。
だが、2回目になると反応が弱まっているということを意味するのでは無いだろうか?


使っている水や塩も変えていない。
特に塩は重要と思われるが、全く同じものを使っている。
そうなると違いは2回目、複数回使用した、という部分になる気がする。


この製品は複数回の使用を認めており使い捨てでは無い。
その際に劣化するといった記載も無い。


だが、ひょっとしたら劣化するのかも知れない。


そもそも内部にある金属板が複数回の使用に耐えうるというのも少し疑問だ。


電気が発生した塩水に金属板がどれほど耐えられるのだろうか?

実際、マグネシウム棒が減ってくると、棒を支えているネジが露出を始める。そしてマグネシウム棒と同時に分解されていくのだ。


初回のアクパの実験で、排水時のカスに混ざっていた金属片は恐らく分解されたネジのカスだ。


ネジは分解され、内部の金属板は問題ない?
それとも内部に金属板は無いのか?

ならどうして前回との違いがあるのだろう?
よく分からない。


水換えを無事に終わらせた。


点灯もOK。

画像11


次回は果たして48時間もつだろうか?




・240時間経過


5回目の水換え



未だに点灯中。

画像12


ついに240時間を経過した。


これは十分に立派な結果だろう。
何度も書いている通り、本来は120時間までの製品だ。
それが現在で倍の時間を経過したのだ。


中身を確認する。
今回は排水が白く濁っており、しかも砂状のカスがまるで無かった。


そしてマグネシウム棒は驚くほど細くなっていた。

画像13


面白いぐらいに均一に細くなってる。
気をつけて触らないとすぐにポキっと折れてしまいそうだ。


ここまで細いともう残りは1日保たないだろう。

100_0230 トリミング軽量



明るさは少し暗くなったような気もする。だが本当によくわからない。




・288時間経過後


6回目の水換え



100_0232 トリミング軽量



何とまだ点灯している。


遂に連続288時間を超えた。
だがさすがに暗くなっている。


開けてみて驚いた。
もう何も無くなっていた

画像16

画像17


ネジの周りも白いカスで覆われていた。


排水を確認すると、白いカスが出来ている。

今回のテストでは砂状のカスばかりだったのに、ここに来て前回のような白いカスが発生している。


あと数時間というところだろう。


だが、何れにせよ120時間のところが約300時間出来ているのは凄い。




更に12時間後


消灯。

ついに終わった。
かなり長かった。
昨日から更に12時間以上の使用に耐えた。
素晴らしい。


これで合計300時間の連続点灯を実現させた

今回の実験により、48時間毎に塩水を入れ替えることで、明るさを一定に保ちながらも300時間使えることが証明出来た。




「シンプル・プラン:第1回;塩水発電LEDランタンを試しに使ってみた。
その7」(No.0242)


おわり


〜追記 実験を終えて〜

・この実験はだいぶ前に終えていて、記事の準備も出来ていたのに、どういうわけか最近まで今回の実験の最後の記事を作らないままにしてしまっていた。

自分の注意力の無さを情けなく感じながらも、きちんと完結させるべくこの度、この記事を書き上げた。


・改めてこの製品のことを振り返ってみても、実に面白いものだと思う。
とてもシンプルな構造でありながら煌々とLEDが光る姿はどう見ても精密機械のようだが、しかし触ると水筒のように水の音をさせる。
その手触りも見た目も、複雑さは微塵も感じられない。

性能から言っても触り心地や見た目から言っても、子供の玩具と言った具合だ。
しかし、確かに明るさは乏しいものの、この記事からも分かるように連続での使用時間は定期的な水換えで300時間という長時間の使用を実現できる。
12日間以上だ。
一見、お飾りにも見える電源ボタンも、実際に省電力に貢献することも今回の実験で「偶然」分かった。

また、水換えのタイミングについてだが、今回の実験では48時間ごとに行っているが、恐らくは、それもやり過ぎなのだと思う。

多分、暗くなったら水と塩を交換する、という程度のアバウトなやり方で良いと思う。
厳密に考える必要ないと感じる。

また、今回のテストでは、排水時に砂状のカスが多量に発生するという事象があり、原因が分からなかったが、それについては記事に書いた以外にも、原因と思われるフシがあるので記載しておく。

この実験で使用したマグネシウム棒は、一度塩水に漬けっぱなしにしている。それは電源をOFFにした状態であったので、消耗には至らなかった。

しかし、乾電池でもそうだが、電源を切って電力を消耗しない状態であっても通電可能の状態というのは電池に影響を与えるのはよく知られている。
実際に、使用しなくても電池を入れっぱなしにしていると液漏れという現象を起こす。
使っていなくても影響があるのだ。
ひょっとしたらそのような影響が関係しているかもしれない。

また、もう一つ考えるのは、この使用したマグネシウム棒は何度も塩水だけでなく、袋から取り出して触ったりしてる。つまり酸素にも触れている。
このことも関係しているのかもしれない。
しかし、そうであっても300時間連続で使用できているのは素晴らしい。

・だが、現在このタイプの製品は殆ど市場に無い。
アマゾンも在庫を持っていない。この実験で使用したアクパの大サイズの方は購入も難しくなっているようだ。

構造は恐ろしくシンプルで、マグネシウムと水と塩だけというのも良い。
現実的には使用するタイミングが災害時以外に見当たらないのは残念だ。

改良は必要に思うものの、結構魅力ある製品だと思うので惜しい気持ちだ。



「シンプル・プラン:第1回;塩水発電LEDランタンを試しに使ってみた。」

 おわり



【ほかにはこちらも】


【借りものたちのメッセージ】シリーズ


【シンプル・プラン】シリーズ


【カメオの共鳴】シリーズ


【2つめのPOV】シリーズ


【グッドプラン・フロム・イメージスペース】シリーズ


【想像の番人】シリーズ


【獣人処方箋】シリーズ


【身体の健康】シリーズ


【楽園の噂話】シリーズ


【過去記事のまとめ】


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?