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大阪の人が知っておくべき「東京ビジネス」思考

少し前の話ですが「○○さん、全然関西弁出ないですね~」って言われましたが、その場では「そうですね~、もう出張歴も長いんで、すっかり馴染んじゃいました~」と返しつつ、「なんでやねん!ちゃうちゃう、出とる出とる!知らんけど 笑」と心の中では思っていた、大阪と東京を行き来する「コト」づくりプロデューサー・Straight55(仮)です。

私が人生で初めて東京に行ったのは、25歳のときでした。自費ではなく、会社の費用を使っての出張でした。とある企業のプロジェクトを大々的に進めていくにあたり、東京・岡山・福岡、そしてもちろん大阪でも、各説明会場で前に立って10分程度話す、質疑応答するというものでした。

それにしても、初めて東京に行ったときに最初に思ったことは、電車駅のホームで「○○○○じゃん!」「○○○○じゃん!」「○○○○じゃん!」(きゃっ!きゃっ!)・・・という女子高生の会話が耳につくつく・・・。

会話の勢いも含め「東京、怖えぇ・・・!!」と思ったのは、いまでも忘れないくらいの衝撃でした。まあ、思えばちょっとした事なんですけどね。

とにかく会話(語尾やイントネーションの違い)が耳につきました ※写真はイメージ

文化・仕組みにおける「大阪」「東京」の違い

初めて東京に足を踏み入れてから、25年が経ちました。いまはこうやってインターネット上に情報も溢れてて、当たり前のように動画も見れるようになったので、昔ほど壁は感じにくいかもしれません。

こちらのサイトを参考にしたところ、文化・仕組みにおける「大阪」「東京」の違いはこんな感じ。

  • エスカレーターの立つ側は、大阪は「右」、東京は「左」。(ちなみに京都は「左」)

  • トイレットペーパーは、大阪は「シングル多め」、東京は「ダブル多め」。(あまり実感無いが)

  • 交通ICカードで、大阪ICOCAは「1円でも残高あれば乗れる」、東京SUICAは「初乗り残高が無いと乗れない」。

  • 大阪は出汁文化で「うどん屋」が多い、東京は醤油文化で「そば屋」が多い。(参考記事より少しアレンジ)

  • 居酒屋で、大阪は「突き出し」で、東京は「お通し」。

  • 大晦日のメニューでどちらも「お蕎麦」を食べるが、大阪は「お寿司」で、東京は「刺身」と一緒にすることが多い。(そうらしい)

  • 節分に「巻き寿司」を食べる風習は、関西が主流で、関東には殆どない。(知らんかった)

上記以外にも、こんな違いも。

  • バスの乗車口は、大阪は「真ん中や後ろの扉から」に対し、東京は「前方扉から」。(名古屋も「前方扉」)

  • 電気の周波数が違う。大阪は60Hzに対し、東京は50Hz。(例えば「電子レンジ」とかには影響が・・・)

  • マンションの賃貸契約において、大阪には無いが、東京では2年契約による更新料などが発生する。

  • 大阪は「味付け海苔」に対し、東京は「焼き海苔」と、おにぎりの海苔が違う。

  • 塩味の表現に対して、大阪は「からい」に対し、東京は「しょっぱい」。(妻が標準語なので気づいた)

特に「食文化」は、上記以外にも多くの違いがあります。ほんと面白いですね!

ビジネスにおける「大阪」「東京」の違い

国立社会保障・人口問題研究所の「第7回人口移動調査」によると、東京都における地方出身者は46.7%というデータがあります。その多さから、東京には他県から来た人も寛容に受け入れ、多様な価値観が混在するエリアということがわかります。

私自身、25年も行ったり来たりしていると「慣れ」もあって分からなくなってしまいますが、頭の中の整理も兼ねて書いてみます。あくまで傾向で主観的なところもあり、一概には言い切れないところもありますので、その点ご容赦ください。

  • スーツ着用率は、心なしか大阪>東京。(大阪に出張で来た人に「スーツばかりでコワイ」と言われたことも・・・)

  • どちらも基本は「アポ」ベースですが、当日に急遽(いきなり)会える確率は、大阪>東京(ビジネスの内容にもよりけり)。

  • 大阪では、余計な詮索(良く言えば、アイスブレイク)も多いが、東京での会話は「仕事の話(要件)」がベース。

  • コロナを経て、大阪は今も「対面商談」が多め、でも東京は「オンライン商談」が多く感じられる。(上記もあり、大阪人はオンラインを嫌がる傾向も?)

  • どちらかと言えば、大阪でのビジネス会話は抽象的、東京のほうが具体的で分かりやすい傾向がある。(その分、東京では潜在的なニーズなどを掘り下げる必要も多い)

  • 大阪では「値段(コスト)重視」での商談成立が多い。東京では「価値・内容・対応(プロセス)重視」で商談成立しやすい。

  • 大阪は決まった相手とビジネスすることを重視、東京は決まった相手がいつつも多様な受け入れもある傾向も。

  • 大阪は「キタ」「ミナミ」とエリアで呼ばれるもビジネスにおけるセグメントはさほど分かれていないが、東京は「中央区」「千代田区」「港区」「新宿区」「渋谷区」といったエリアによって、それぞれ大きく異なることがある。

あらゆる場面でちょっとした違いはありますが、知っている・知らないで、ビジネスのしかたは大きく変わると思います。

大阪の人が、東京ビジネスにおいて意識しておくべきこと

ここまで色々な「違い」を列挙してきましたが、この違いは実際に肌で感じないとなかなか分からない部分もあります。ただ、東京でのビジネスにおいては、いくつか意識しておくべきことがあるかもしれません。

①「価格」で決めないビジネスに努める

ビジネスにおいて、価格合意は必ず通る道ではあるのですが、決め手が極力「価格(安さ)」にならないようにすべきかもしれません。大阪(関西)の商習慣では「いくらでっか?」に終始する悪い癖があり、本質的な価値を見てもらえていないことが多いように思います。いかに何の価値が提供できるか、そのためには何を学び、何を体験し、何をギブできるのか。その姿勢に磨きをかけなければなりません。

②コミュニケーションは「浅く」「広く」かつ「丁寧」に

大阪では人情でウェットな関係に対し、東京ではビジネスライクでクールな関係になりがちです。ただ、冷たいって感じとかではなく、先の統計にもあったように地方出身者が非常に多く、お互いが助け合い、お互いの違いを理解しあう関係といったほうが伝わりやすいでしょうか。よって、遠慮もあり、適度な距離感もあり、ただし丁寧に対応してくれる人が多いような気がします。

③適度にオンラインを活用する

いまの時代、なんでもかんでも対面という訳にはいきません。そして、大阪と違い、東京の山の手エリアだけでも、思う以上に広く物理的な移動に時間がかかります。コロナ後はオンラインミーティングも一般的になっていますし、程良く使い分けることをオススメします。それこそ、広大なアメリカでは、何度も移動して対面にて商談ができるビジネス環境ではありません。リモートセールスも意識しておいたほうがいいでしょう。


表現としてはちょっと言い過ぎなところもありますが、大阪では極論、用事も無く営業訪問している人もいるような気がします。東京では通用しませんし、アポ無しなんてもってのほか。ビジネスに標準的なものは存在しませんが、これらの意識を少し持っておくとこれからのビジネスの仕方も変わってくるのかもしれません。

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