hanaka

現実にあるような無いような内容を

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最近の記事

溺れた私と悟兄ちゃん

ぼちゃん ごぼごぼ 三歳の私はある公園の茶色くて汚い池に頭から落ちた。 その時は薄茶色の水の中という認識と、 たくさん水を飲んだ感覚だけを覚えている。 まずいとか汚いとかそんなことは考えられず、 ただ「水」「うす茶色」というその瞬間のイメージだけが脳を支配した。 その数秒後、私は池に落ちた自分を認識する。 暴れたかは覚えていない。 すぐに誰かが私の足を掴んで引っ張り上げたからだ。 どっちの足を掴まれたかは覚えていない。 ザバァと自分が引き上げられる音がきっとしたのだろ

    • エレベーターにて私の心が事故に遭ったのだ

      エレベーターの悲劇 会社の昼休み エレベーターは社員で混み合う 私はすぐに降りたいから 自社のフロアから階段で2F程上がり 別の会社の入っているフロアに行き 自社のフロアには止まらない直結のエレベーターを使う 落ち着いて乗れるのでこのスタイルをよく使うのだ しかしそこで同期AとBと落ち合う どちらも男性 階も1フロア違うしあまり接点はない 私は女性 ちなみに入社5年目 そして異性コミュ障 もともと男性は苦手なのだ でも同期男性Aはいつも挨拶してくれてありがたい 私も

      • 小さな虫カゴの女のうた

        小さな虫カゴの中の女 よくあること 「この子あたしのこと嫌いだな」って思うこと。 それはたとえば お昼の場所とりで二人きりになった時の会話で、あたしからの問いかけに一切レスポンスがない時など(しかもそれは次の会話では解消されている。聞こえなかったのかもと不穏な空気にさせるのがうまい) 小さな虫カゴの中の女 それはたとえば ゼミで牧場に行った時のポニーレースの席 あの子は一番端っこになり、隣があたしだった時、 あたしが話しかけてものれんに腕押しの時など 小さな虫カゴの

        • いとこの兄ちゃんの結婚と感覚

          いとこの兄ちゃんが結婚するらしい 36歳 周りはようやくだな、とか、あとまだ結婚してない年頃の奴は3人だなとか、少々騒がしい 祖母の一周忌で、わたしは親戚が会する場へ向かうこととなった わたしは普段名古屋にいて、おばあちゃんは東北だったので、そもそもなかなか親戚自体に会うことがなく ちょっといつも身構えていく 一周忌の集まり、 案の定26歳独身のわたしにも微妙に飛び火が来るので、それをわたしは笑顔でかわしながら、素直にいとこの兄ちゃんの婚約を祝った いきなりだが わた

        溺れた私と悟兄ちゃん

          ノスタルジー・サーフィン

          明日も仕事 そんな日の真夜中に発症する 「今あの人はなにをしているんだろう」 急激なノスタルジー 過去欲 過去の人たちを知る手立てはいくつかある まずはラインのグループを開き、アイコンとカバー写真を見回る、見荒らす 子供のアイコンになっていたり あのライブに行ったであろう、タオルを持った写真になっていたり 誰かに撮ってもらったであろうピン写を見ると、 これは彼氏にでも撮ってもらったであろうと推測してみたり こういう時、ただの海とか、どっかのアニメキャラみたいなアイコンだ

          ノスタルジー・サーフィン

          ぼくが同性を好きであったとき

          ぼくが同性を好きであったとき それは中学3年生だった これといったきっかけはないけど きみは優しくて面白かった きみの異性の友達とは ぼくは見事に打ち解けられなかったけど たのしそうなきみを見れたからよかった きみから英語の問題集を借りた きみは「家のにおいがしみついてるからちょっとはずかしい」と言った ぼくはそれを何周も解いたし、ベッドのそばに置いてにおいをかいだりもした ぼくはよく想像をした ぼくが、ひょんなことからきみの家に招かれる夢 そして夕暮れの中、オレンジ色が

          ぼくが同性を好きであったとき

          コラおじさんとわたしの写真

          わたしは小学校1〜3年まで学校の帰りに学童保育へ行っていた。 そこはわたしの行く学校以外の子も多くおり、宿題をやったり塗り絵をしたりドッチボールをしたり。 ある程度のルールはあるが気弱で人見知りながらもわたしはそれなりに楽しくやっていた。 そんな学校から学童へ向かう道中のことだ。 工事現場があった。 たしかマンションが出来るから工事をしていた場所である。 そこにいかにも工事現場のおじさんですという出で立ちの男がひとり立っていた。 わたしは友達2人とわいわい話をしながら帰

          コラおじさんとわたしの写真

          それは幻の〇〇くん

          飲み会は反吐が出た。 本社応援の後の打ち上げ 同期が行くっていうからついていった程度 最初は理知的だったリーダー感ある上司も 酒が入り時間が経つにつれてどんどん正気の目ではなくなっていった おしぼりをぶん投げる奴がいたり 枝豆をぶん投げる奴がいたり それを唖然と見ている私の隣でゲラゲラ笑う女がいたり それをムービーに撮ってるそこそこの年齢の男がいる カツラを取り出したハゲた男がいれば それを新人の男の子にかぶせてゲラゲラ笑ったり 大人 とは 脳が固まった かというわたしも チ

          それは幻の〇〇くん