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止まない雨はない、でもまた雨は降る。

「春」。

日本において、一年で最も過ごしやすく、晴れやかな季節。また、何か新しいことを始める際に心身ともにベストな状況であり、おすすめな時期。

 田舎の中でも栄えている地区の道路を車で走っている。車道の両脇にはおそらく満開であろう桜が咲き乱れている。空を見上げると雲ひとつない。
 「ここ最近全く雨降ってないな」
満開の桜並木の道路が驚くほど綺麗なのがまさに物語っている。

 「なんで日本には年の始まりが年に二回も来るんですか?」
 「それはどう言うことかな?」
 「だって、一月一日に新年を迎えて四月の一日に新年度になるじゃないですか。どっちか一つじゃダメなんですか?」
この質問を小学校3年生の時に担任の先生にしたときの、あの大人の困った顔は今でも忘れない。
 とやかく私は、一月一日のハッピーニューイヤーは好きになれても四月一日の新年度は好きになれなかった。理由は細かく言うといくつもあったが、ざっくり言うと、自分の生き慣れた日常を変えられるのが嫌いだった。電器屋の前を通りかかった時に「新生活応援キャンペーン」と大きくプリントアウトされた広告を見るだけで憂鬱な気分になった。

 ただ、私みたいな人間は確実に少数派である。しかし、少数派の意見の中にこそ重要な視点が隠されていると思う。

 「少数派」

この言葉を聞くと私は人知れず心が躍る。

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