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小説 「鵜原海岸」 ①

わたしの名前は鵜原 りお。

二〇〇五年五月三日に千葉県勝浦市鵜原に生まれる。

鵜原海岸


勝浦市鵜原は海が綺麗でわたしの家から鵜原海岸までは徒歩〇分のところにあって夏は毎日のように海水浴を楽しんでる。

ちなみにわたしの名字は漢字では鵜原だけど読み方は、『うはら』で地名は『うばら』なのだ。
なんとも惜しい。

高校一年生になった。母と父と兄と妹の五人家族。これだけ見れば単なるどこにでもいる家族だけどわたしは違う。

足がないのだ、正確に言えば膝から下がない。

中学一年春、小学校を卒業して、新しい生活に少し慣れた矢先に学校に向かう途中、自動車にはねられて気づいたら病院で寝ていた。
ドラマとかで見たことある機械があって、点滴をしていた。

特に痛みもなかったが体が動かない、喉が渇いて水を飲みたかったが、体が動かない、誰かを呼ぼうとしたが声も、うまく出なかった。

しばらくして看護師さんが病室に入って来てわたしが目を覚ました事に気づいて、「目が覚めた?気分はどう?」そう聞かれて頷いた。

ナースコールを押して先生を呼んでくれた。
先生が来るまで看護師さんが「痛いところはない?気分は悪くない?」と聞かれた、だか声が出なくて頷く事しかできなかった。

先生が病室に入って来て意識の確認と何が起きたか説明してくれた「足が車と壁に挟まれて病院に運ばれて一日経ったんだよ」わたしは一日も寝てたんだ。

それよりも喉が渇いて仕方がない、これを伝えないと「み、みす、のと、のと」うまく言えなかったが、少し声がでた。

すると看護師さんが水を持ってきてくれて、飲ませてくれた、ものすごく美味しかった。

これほど水を美味しく感じたのは小学校一年生で初めて海で泳いで上がった後に飲んだ水以来だ。

続く。

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