詩【儚き夏のショートスリープ】

作:ストーンヘッジ

味のかわった農協牛乳を飲んで
僕の短い夏は終わったと知る

ついさっきまでうっとうしかった汗も
一歩ビルを出た瞬間心地よく
感じて 感じて

これから始まる日々を
長い休みを想うんだ

あ〜最近会ってないな あ〜随分会ってないな
そんなことばかり思って懐かしい夏を巡る

まわって まわって 繰り返される思い出は
早くて 早くて 

僕はまた戻る

短くなった線香花火が落ちて
僕の短い夏は終わったと知る

逃した花火大会の音が今
少しずつ 心に溶けていく

風鈴が落ちた 音が響いて
単調で短調な生活が忍び寄る

「おいでよ」って 誰かの呼ぶ声がする
甘くて 甘くて

僕はまた戻る

味のかわった農協牛乳を飲んで
僕の短い夏は終わったと知る

微かに湿っている部屋の匂いは
あまりにも酷い仕打ちに感じて

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