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AD時代に追いかけた汗だくの男たち

「来週、東京ドームで取材だから」

当時ADをしていた私は、東京ドームというワードを聞いて即座に巨人を思い浮かべた。

「ついにドームの芝に入れるのか〜生由伸監督に会えるかな〜」

ノー天気なリアクションにディレクターから
「ちょっと勉強してきなさい、これがフライヤーな」
と渡されたのはアメリカンフットボールのチケットだった。

ルールや選手名など必要そうな知識を一気に詰め込み、当日の現場へ。

私が取材に向かったのは「ライスボウル」。アメフトの日本一のチームを決める試合で、学生代表と社会人代表が直接対決するものだった。

学生と社会人となると体格差や体力差があるのではと思っていたが見た目ではどちらかわからないほどに互角、選手たちが直接ぶつかりあいながらチームプレーでボールを追いかける様は最高にかっこよくて、取材そっちのけで見入ってしまうほど。声をかけられても気づかない私にディレクターは呆れ顔。この日までアメフトに触れたことがなかったはずの私でも大いに楽しめるスポーツだった。
ちなみに合間のハーフタイムショーも芸能人やチアリーダーが出てきて面白く、家族でも楽しめるような構成だったと思う。

試合も佳境に入り「タッチダウン」の間隔も狭まり、そして一気に優勝が決まった瞬間の盛り上がりは未だに忘れられない。
優勝したのは社会人代表。会場中が最高潮の熱気に包まれる中、汗だくの選手たちが「ありがとう」と監督、スタッフ陣と硬く熱い握手を交わしている硬派なかっこよさが目に焼き付いている。

野球やサッカーほどメジャーではないかもしれないが、ルールも分かりやすく、熱いスポーツ。いまの状況が落ち着いて公開試合をすることがあれば、またあの熱気を感じに行きたいと思う。

#応援したいスポーツ

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