見出し画像

思い出した記憶とボクの憧れ

久しぶりにnoteを書きたくなった。

2020年春からスタートしたボクのnote連続更新。
100日達成してボクは一旦noteを休むことを決めた。
これまで何度かnoteのページを開いて記事を書こうと思った時はあったけど、どうしても手が動かなくてそっとページを閉じた。
そんなボクが今、衝動に駆られるようにディスプレイに文字を叩き出している。

溢れ出た記憶

きっかけはひょんなことから

2020年師走、ボクは今住んでいる場所から地元へ帰るために新幹線に乗り込んだ。いつもの年末では想像できないくらいに空いている新幹線の中。ボクが座った席の隣にはキレイな着物を着た背の高い女性が座っていた。
きれいに整えた髪、詳しくはないけど多分良いものなことはわかる着物、真っ赤なリモワのスーツケース、着物の下で組まれた足。真っ白の足袋。

それを見てボクの記憶の蓋が一気に開いた。

忘れていたわけではないけど、「記憶」の中から一気に「心の中」に流れてきた記憶。それは昔、ボクが経験した甘酸っぱい思い出。

ボクと彼女

好きと愛してるの違いもわかっていないような時、ボクは彼女に会った。お互いに一目惚れで、付き合い始めるまでに時間がかからなかった。

ボクと同じくらい背が高く、すらりとしたモデル体型で手も足も細く長い。
肩まで伸びた黒髪のストレートヘアーはよく手入れがされていて、笑った笑顔はひまわりというよりも百合の花のような湿度があった。
茶道をやっていて時々着物を着て出かける。
椅子に座っても足は組まずに指先はいつもピンと伸びてる。
ペットボトルに直接口をつけずにストローを刺して飲んでいた。
いつもゆっくり歩いて決して慌てるようなことはしない。でも時々忘れ物をする。そして諦める。
気に入ったものしか持たどれも洗練された上品なものばかり。
背が高いから小さな頃はバスケをしていたけど膝の大怪我をしてから運動というものを全くしていない。
とある大きなコンプレックスを持っていて、友達の前では決して見せないけど、ボクの前では時々勝手に溢れ出てくる感情とともに全てをさらけ出してくれる。

ボクと彼女はひょんなことから付き合うことになって、その結果たくさんの時間と場所を共有した。
彼女はボクが話す内容を、静かに笑みを浮かべながら聞いてくれた。ボクは彼女が喜ぶことならなんだってした。
ボクたちが一緒に過ごした時間は、ボクの人生の割合から考えるととても短いものだけど、それでもボクの記憶の中では今でも彼女の姿や仕草が鮮明に残っている。

憧れるボク

今ではボクも家族を持っているから、今更彼女のことを愛してるなんて言うつもりは全くないんだけど、それでもボクの心の中で記憶のヒダの奥に絶対に剥がれ落ちないように存在している。

そんなボクの遠い記憶。
新幹線の隣に座った着物の女性を見ていてふと気がついた。

ボクは彼女に憧れていたんだ。彼女のようになりたかった。
ボクが持っていないもの、欲しているものを全て持っていた彼女。
男性とか女性とか関係なく、ボクは彼女のような人間になりたかった。
好きとか愛してるを超越した存在。ボクの憧れ。英語で言うならまさにIdleかな。

2020年の師走、ボクはようやく大切なことに気づいた。
ボクは彼女のことを忘れちゃいけない。
彼女はボクの到達すべき最終地点。
ブレたくないボクの視座。

あの時、こんなボクと時間と場所を共有してくれたことに、ボクは心の底から感謝している。ボクは絶対に彼女を忘れない。
いつかどこかで彼女にふと出会ったときに、変わったねって言われるように、ボクはボクの人生の旅をこれからも続けていく。

上品で人生の一瞬一瞬を大切に一生懸命生きている彼女。
そんな彼女のような人間になれるように、ボクもこれから頑張って生きていくよ。

ありがとう。
あの時あの場所で、こんなボクの前に現れてくれて。

よければサポートお願いします!あなたのサポートは新しいクリエイティブ活動に生かさせていただきます!