現代詩

〈  美   星 〉

弾圧と殺戮

香港、ミャンマー、イエメン、ガザ

憎悪を駆り立てる

国家の非情な管理だ

弾圧と殺戮

香港、ミャンマー、イエメン、ガザ

遠い太古の昔から

土地はそこに住むものたちのもの

愛は人々の絆を育むもの


バラバラに散った愛しい人の肉と骨
母なる大河をながれる
無数の黒い骸(むくろ)


遠い昔   真夜中のゴビ砂漠の天空に
輝く無数の星たちがささやいた

「きみの名は   みしょう
    その由来は未詳」

春先のバイカル湖を渡る
気まぐれな夜風が囁いた

「きみはいつこの世界に
     やって来た?
    きみの初源は  みしょう
   その誕生は、覚者  未生   以前」

それから幾星霜過ぎたのか
知らないが

言葉と道具を使う2本足がこの地を支配した

彼らは文明という名の大きな変革と
ともに少なからぬ災厄をもたらした


森が失われ、極地の氷が溶け
山は崩れ、時に河や海は荒れ狂い

木々や花花、鳥や獣たち、
虫や魚たち、生きとし生けるものたちは、
かってない気温の上昇と
少雨による乾燥に苦しんだ

ああ  われらの  みしょう

見よ 
いま北半球に紫色の晩秋の夕暮れが
訪れる     

それから?

それから

ロンドン、パリ、ニューヨーク
東京、ソウルは、

きっぱりとした態度で
弾劾し
われらの
冬の旗を揚げる

それから?

それから

モスクワ、ボン、マドリード
北京、ローマは、

われらの
超法規的な自由を認証し
われらの自立とわれらの愛するもの
すべての平和と幸福を宣言する


たとえばきみの遥か上空から
白亜のメガロポリスを俯瞰する
世界の銀嶺を越える気流が囁く

「きみの名は  みしょう
    その由来は未詳」


あるいはエメラルドグリーンの南の海の
その遠い沖合いを走る黒潮が囁く

「きみの初源は、みしょう
    その誕生は覚者 未生 以前」


弾圧と殺戮

香港、ミャンマー、イエメン、ガザ

憎悪を駆り立てる

国家の非情な論理だ

弾圧と殺戮

香港、ミャンマー、イエメン、ガザ


遠い太古の昔から

土地はそこに住むものたちのもの

愛は人々の絆を育むもの


ああ われらのみしょう

母なるわれらの星

ああわれらのみしょう

タクラマカンの

夜空に輝く

すべての美しい星たちの眷属

きみの名は みしょう

その由来は未詳

きみの初源は みしょう

その誕生は  覚者 未生 以前


いやきみの名は?

母なるわれらの

美しい星         


地球





























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