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St. Gallen Symposiumの特徴 ~他の国際会議とどう違うの!?~

第一回のnoteでは、St. Gallen Symposiumについて説明させて頂きました。
今回は、"Leaders of Tomorrow"について詳しく述べるのですが、その前に。「St. Gallen Symposiumは他の国際会議とどう違うの?」という質問を頂きましたので、お答えしたいと思います。

まず、いくつかオンライン上に記事が出ていますので、いくつかご紹介です。

参加した"Leaders of Tomorrow"からは、参加者のバックグラウンドの多様さ、議論のレベルの高さ、「対話」を重視し計画的・偶発的にネットワーキングの仕組み、大学のみならず地域が一丸となってシンポジウムを開催するホスピタリティ等々、感動した、刺激を受けたとの声を多く聞きます。

国際会議に多数参加されている"Leaders of Today"の皆さんも、ハイレベル且つ満足度の高い国際会議と評されることが多いです。

事務局メンバーで、St. Gallen Symposiumの特徴を挙げてみました。

①議論がアカデミック&ハイレベル

毎年その時代に即したトピックが設定されるのですが、議論が非常にアカデミックかつハイレベルです。

その理由の一つに毎年St. Gallen Symposiumが主催する"Global Essay Contest"があります。このエッセイコンテストは全世界の30歳以下の大学院生を対象としています。その年のシンポジウムのトピックに即したエッセイを、Boardと呼ばれる博士課程の学生数十名が審査します。

その審査は厳格そのもの。公平公正な審査のために、応募者の名前を隠し、審査員はエッセイの内容のみで点数をつけていきます。トップ100名がSt. Gallen Symposiumに"Leaders of Tomorrow"として無料招待(航空券代、宿泊代無料)されるのです。

St. Gallen Wings of Excellence Awardsの受賞者たち。プレゼンテーションと議論の激戦を経て、投票で勝者が決まる。

トップ100名の内、上位5名(年によって人数は異なる)はスイスで200名のLeaders of Tomorrowを前に自分のエッセイのプレゼンテーションを行います。さらに、数十名のチームに分かれ、各上位者がモデレーターとなりディスカッションを行います。

最終的に投票を経て、"Wings of Excellence Award"が決まります。勝者3名には賞金が出ます。

エッセイコンテストの詳細は、こちらから。毎年秋にトピックが発表され、1月下旬~2月上旬に〆切となります。30歳以下の大学院生の皆さん、是非挑戦してみてください!

②学生と財団による運営(プロフェッショナリズムとあたたかさの共存)

前の記事で記載の通り、St. Gallen SymposiumはISC(International Students' Committee)というサンクトガレン大学の学生による組織によって運営されていますが、財団にバックアップされています。
非常にプロフェッショナルです。

シンポジウムの終わりには、ISCのメンバーに対し大きな拍手が送られる。

シンポジウムのためにISCの大半のメンバーが大学を休学します。彼らは文字通り世界中を回って参加者を募り、シンポジウムに関する説明を行うなど、その準備の周到さ、仕事には驚くばかりです。シンポジウム当日は、数百名の学生と地域の方々がボランティアとしてシンポジウムを支えて下さります。プロフェッショナルでありながら、あたたかさを感じるシンポジウムです。

上記にて、国際会議によく参加される"Leaders of Today"の方々からも高い評価を得ていると書きましたが、その評価は議論に留まりません。ロジスティクスもしっかりしており、St. Gallen Symposiumの伝統と組織の強さを感じます。

③対話重視の姿勢

前回の記事でも記載しましたが、そもそもSt. Gallen Symposiumは暴力・暴動がエスカレートしつつあった時代に対話の場を設けたのが始まりです。設立当初から「対話重視」の姿勢を貫いており、シンポジウムでは随所えその心意気を感じます。

まず、毎年その時に起きている重要な問題を選定し、誰もが議論に参加できるようなトピックを設定します。

例えば、2018年のテーマは”Future of Work”。AIの台頭を踏まえたリスキリングの重要性、新しくできる仕事・AIに奪われる仕事、雇用制度などその議論は多岐にわたりました。
参加者それぞれが自分の専門性やバックグラウンドを生かして議論に貢献することができるよう、設計されています。数百人でのPlenary Sessionから数十人、数人でのディスカッションまで色々な機会があります。

ランチタイム、カフェタイムは貴重な対話とネットワーキングの場となる。

また、プライベートランチ、カフェタイム、ディナーも絶好の対話の場です。ある"Leader of Tomorrow"の方は、午後にコーヒーを飲んでいたら、隣にとある国の大臣が来られ、個人的にパネルディスカッションでの議論について質問することができたそうです。

④長期的な信頼重視・堅実な姿勢

シンポジウム全体を通じて感じるのが、運営含め、長期的な信頼を重視していること。とても堅実です。

いたずらに注目を集めるのではなく、世代間対話の理念に共感して下さる参加者を増やすべく、考えた上でマーケティングやテーマ設定がなされています。

30歳以下の参加者"Leaders of Tomorrow"200名の選考も非常に厳格です。
100名は、上述した通り"Global Essay Contest"でトップ100名に選ばれた大学院生。エッセイは誰が書いたかが分からないよう、名前が隠され、中身のみで選考がなされます。
残り100名は、様々な分野でリーダーシップを発揮している社会人です。選考基準などはまた別の機会に記載しますが、求められているのは、今現在の実績やレジュメの綺麗さだけではありません。


・・・と、書いていたらすっかり長くなってしまいました。

次回は、Leaders of Tomorrowに焦点を当ててみます。


質問やリクエストがあれば、以下までメール頂けますと幸いです。
pr.stgallenycjapan@gmail.com(St. Gallen Youth Club of Japan事務局PR担当)

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