これからの組織は個性の集合体になる

大きい企業のメリットってたくさんありましたが、今では図体が大きいことがかえって負担になってしまい、小回りが利かないことで、時代の急速な変化に対応できなくなってきました。

日本人は「ウチの会社が〜」なんて言うように、所属することで自分が会社の一部であるような意識があって、もちろんその忠誠心というか、会社に対する想いが組織を支えてたというのもありますが、組織はあくまでも人の集合体であって、個々人の意思や思想とは別なものなので、そこは切り離して考えたほうがいいですね。

これからは個人の個性や能力が試される時代です。
自立した個人が集まってプロジェクトや組織を形成し、外から見たら今までと同じように見えても、その成り立ち方は根本的に違うものです。
安定や終身雇用を手に入れたくて人が集まった組織と、自分の個性や能力を活かすために人が集まった組織とでは、エネルギーも仕事量も大きく変わります。

僕がレコード会社を退社して独立したのは1994年のことですが、まだバブルの名残もあって景気がいい世の中でした。
その当時からイメージとしてあったのは、会社という箱(入れ物)があって、そこに人が集まるのではなくて、役割が明確な人間が集まって、仕事を成し遂げていくプロジェクトが会社だというふうに変化するだろうと。

今まさにそういう流れになりつつあって、広告代理店の電通が正社員の一部を業務委託に切り替えるようで、要は個人事業主の集合体になり、スポンサーから受けた仕事に対して、必要な人間を招集して報酬を支払えば、正社員として雇って毎月固定で給料を支払う必要がなくなります。

これは大幅な経費削減にもなり、フリーランスに近い形で仕事をしたかった人にとっては、社外の仕事を自由に受けられるというメリットもあります。でも会社に依存してる人は、正社員でいることが安心材料なので、業務委託契約に変わることを恐れているでしょう。
きっと自分に自信がなくて自分を信じていないでしょうし。

僕自身も経験しましたが、大企業の看板がなくなったときに離れていく人はいるし、今までどおりに仕事はできなくなりますが、そこから新たなネットワークを作り、自分の足で歩き始めたときの喜びというか充実感は、サラリーマンには味わえないものです。

来年に向けて必要なのは「覚悟」ですね。
今までと同じようには生きられないので、「腹をくくる」ってことです。
でもそれは後ろ向きなことではなくて、今までとは違う経験を積んで新たな自分と出会うことであり、とてもエキサイティングなことです。
このような大峠を迎えることは計画されていたことであり、その時期を選んで生まれてきたのも自分の意志ですから、しっかり「今」を受け止めて、まだまだ表に出てきてない「自分」を掘り起こすことですね。

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