歌っている時だけが仕事ではない



歌や演奏でステージに立っている時だけがライブではありません。
どういうことかと言うと、観客から見える場所にいる間はステージだという自覚が必要なんです。
舞台の袖から登場する瞬間、人の目に映る瞬間からがライブです。
ハケる時も同じです。
見えなくなるまでがステージです。
緞帳があるなら、緞帳が下りきるまでです。
それからもっと言うと、ライブ後の物販もステージだという意識がないなら、やはりプロとしては意識が低いと言わざるを得ないでしょう。

物販コーナーで、来てくれた友達に「ごめんね〜今日はあんまり上手く歌えなかった〜」とか言って言い訳してる場合じゃないんですよ。
発表会に来てもらってるわけじゃないんですから。
いや、ずっとアマチュアでやるんならそれでいいんですよ。
でも仕事にしていきたいなら、ライブハウスだろうがホールだろうが、人から見える場所にいる時は仕事をしましょう。
この意味がわかりますか?
もしアルバイトでマクドナルドのカウンターにいて、友達が来たからといって「あれ〜どうしたの今日は?」なんて会話をしませんね?
なぜならそれは勤務中だからです。

先日も書きましたが、エンタテインメントとは「人をもてなすこと」です。
舞台裏を見せてはいけないし、楽屋で盛り上がったネタを話してはいけないし、「素」の自分で接してはいけないんです。
演出としてオープンキッチンを売りにするレストランもありますが、高級な料亭で調理場が見えてしまうようなお店はありません。
優雅に泳いでる白鳥は、実は足をバタバタさせて水を掻いて前に進みますが、バタバタしてる足が見えないから優雅に見えるんですね。

だから人に見られている間は、常に自分はステージにいるのだという自覚が必要なのです。
歌はもちろん、あなたのキャラクターや人柄、接し方や語る言葉の一つ一つがエンタテインメントなのですから。


これだけ自由に表現ができる時代になりました。
誰もがネットで歌や演奏を聴いてもらうことが簡単にできるし、テレビやラジオの番組も持てます。
マンガや小説を書くこともできるし声優もできますね。
自撮りでグラビアアイドルをやろうと思えばそれも可能です。

何をやっても自由なんですが、それを仕事にしていきたいなら学ばなければいけないことがあります。
それは表現者として何を提供し、どう魅せていくのかということ。
つまりエンタテインメントについて深く知る必要があります。

ここを理解しなければ、大成することはないでしょう。
ぜひ参考になるものを探してください。
ライブや演劇や落語など、生で観ることはとても勉強になるし、ネットでも参考になるものやアイデアをもらえるものはたくさんあります。
そこから何を学び吸収するのかはあなたの才能次第です。
「あ〜楽しかった」で終わってしまうとしたら、将来は厳しいでしょう。
表現の方法は何であれ、自分はエンタティナーであるのだという意識を持って、どんどん進化していってください。


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