歌と喫煙の関係


個人的にはプロとして歌うなら喫煙はしないほうがいいと思っています。
ただこれは嗜好品なので、本人の意思によるところが大きいし、強制的にやめろとは言えないですけどね。

以前、ある女性ボーカリストに喫煙をやめるようにアドバイスしたことがあるのですが、結果的にやめることはできませんでした。
彼女の個性は何と言っても美しいハイトーンだったので、喫煙によってその個性が失われる気がしていたのですが、予想通り高い声域が出なくなり、魅力が半減してしまいました。

現在その女性は歌うことをやめてしまったようですが、備わっている素晴らしい能力や個性を、自ら失うような行為はどうなんだろうと思っていましたが、まぁその本人の生き方ですからね。
もったいないとは思いましたが、どうしようもないことでした。


レコード会社にいた頃に、ミックスを海外のエンジニアにお願いしたことがありました。
彼はスタジオなのに自宅で音楽を聴くような音量で作業をしていたので、「なぜその音量なのですか?日本人はもっと大きい音で作業をしますが」と聞いたところ、「私は音楽で食べているし、特に音を聴きわけることが自分の仕事であるので、できるだけ耳にダメージを与えないようにしている」という答えが返ってきました。

その時に、そうかプロとしてそれは当たり前のことだよなと納得しました。
音量を上げるだけでテンションも上がるものですが、長く仕事を続けていきたいなら、耳に対するダメージを軽減することは当然のことです。


喫煙をやめないボーカリストもヘッドフォンで大音量で音楽を聴くミュージシャンも、プロとしての意識が足りないのだと言わざるを得ません。
若い頃はそんなの関係ねぇよと思うでしょうけど、後になって後悔しても取り返しがつかないこともあります。
ただ、それも自己責任なので、長く音楽を続けていきたいなら、何を選択し、何を切り捨てるのかをしっかり判断していきたいものです。


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