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カクテルの王様マティーニの周辺を探る。派生カクテル?原型カクテル? カクテルの歴史を探る#1

言わずと知れたカクテルの王様、マティーニ。お酒を飲まない方でもなんとなく、名前を聞いたことはあるのではないでしょうか?

そんなマティーニ。今では様々なカクテルに派生して行っていますが、実はそのマティーニもあるカクテルが原型となっていると言われています。

今回はそんなカクテルの王様マティーニの周辺を書いていきたいと思います。

1・マティーニの原型 

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マティーニの原型とされるカクテル。それはジン&イットというカクテルです。

Gin&It。その名の通りジンとイタリアンベルモット、つまりはジンとスイートベルモットだけを使用したカクテルで、所謂マティーニは、ジンとフレンチベルモット、つまりはジンとドライベルモットを使用したカクテルです。

この当時のジンは、甘みをつけたオールドトムジンが主流だったこともあり、ジン&イットはマティーニに比べるとだいぶ甘い仕上がりとなります。

作り方は通常のマティーニと同じですが、大きく違う点が1つ。それは……

氷を使用しない。これにつきます。

なぜなら、ジン&イットが生まれた時代には冷凍庫や冷蔵庫はなく、製氷機もなかったことから、材料を冷やしたり氷を作ったりすることは不可能だったのです。

更にはミキシンググラスなんてものもない時代ですから、作る際にはカクテルグラスにそのまま注ぎ、混ぜもせずに完成!というのが本来の作り方です。

もちろん現代で作る場合には、材料を冷やしたり、ミキシンググラスを使ってしっかりと冷やし、混ぜ合わせることは可能ですが、本来のジン&イットを作るならば、これらの仕事は必要ないことになります。

2・マティーニの派生型

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〇〇マティーニというカクテル名を聞くことが当たり前となってきていますが、そもそもなぜマティーニという名前が使われているのでしょうか?

いくつか理由はあると思いますが、最もらしい理由は、使用しているグラスがマティーニグラスという名前だと言うことではないでしょうか。

細長くもなく、丸みを帯びすぎてもなく、所謂カクテルグラスと言われてイメージするグラスの名前がマティーニグラスとなっています。

もう1つの理由としては、マティーニという名前にあやかっていると言う場合がほとんどではないでしょうか?

これは安直すぎる理由なので好きにはなれませんが。笑

最近では、エスプレッソを使用したエスプレッソマティーニや、パッションフルーツを使用したポルノスターマティーニ、シャンボールというフランス生まれのベリー型のリキュールを使用したフレンチマティーニなどなど、たくさんの派生型が出てきています。

ですが、いずれのカクテルもマティーニのような、辛口でキレのあるカクテルではなく、飲み口が優しく親しみやすいカクテルに仕上がっています。

3・そもそもマティーニとは?

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マティーニが王様と呼ばれるようになった理由には、アメリカの大統領フランクリンルーズベルトが関係しています。

禁酒法が終わった1933年、ルーズベルトはホワイトハウスでの執務が終わると自らシェイカーを振り、スタッフの皆にドライマティーニを振る舞って楽しんでいました。

このしきたりがアメリカの上流階級に知れ渡り、ドライマティーニを飲むことが上流階級の嗜みとして広がっていき、マティーニがカクテルの王様と呼ばれるようになりました。

日本では戦後にGHQ総帥、マッカーサーが好んで飲んでいて、彼の部下たちも皆こぞって飲んでいたようです。(と言うより飲まざるを得なかったかもしれない)

その後、BARのような酒場の営業が可能になったときに、マッカーサー達にマティーニを振る舞っていたバーテンダーたちが、一般市民にもこぞっと進めたことから広まって行ったと言われています。

4・忘れられがちなギブソン

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そんなマティーニ。現在では非常にドライなタイプが好まれますが、ドライすぎるマティーニは実は違うカクテルとして紹介されています。

ギブソンというカクテル。ご存知でしょうか?

通常マティーニは、ジンとドライベルモットの割合が4:1程度とされますが、ギブソンは5:1程度で作ります。

このギブソンのレシピがドライマティーニとして紹介されている場合が多いです。

ただ厳密にいえば、マティーニはオリーブを、ギブソンにはパールオニオンを飾るのが基本となっています。この違い以外は正直ありません。

本来は「マティーニをもっとドライにして違うカクテルにしよう!」ということで生まれたカクテルかと思えば実は逆で、「ギブソンをもう少し飲み易くして違うカクテルにしよう!」が正解です。

ギブソンは19世紀末、マティーニの始まりは1910年頃ではないかと言われています。

作り方はどちらもステアして作るのが基本ですが、ギブソンはシェイクするとしているレシピもあります。ただしお酒同士の組み合わせ、しかもこの組み合わせでシェイカーをしようしても、ただ水っぽくなってしまう可能性が高いので、作り方で差別することはあまり得策だとは思いません。

以上となります。カクテルの王様マティーニについて書いていきました。なかなか名前だけが先行している感じがありますが、掘り下げていくと楽しく、色々な歴史がありましたね。

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