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ビールの常識を覆す! 中国で1本3万円弱の超高級品が人気上昇中!?

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記事の要約:

中国のビール市場では、経済成長に伴う所得向上で、富裕層を中心に消費者の本物志向が高まっている。その結果、ビールの高級化が進んでいる。

最大手の華潤ビールと2位の青島ビールは、2022年1月から6月の期間に、中高級価格帯のビールの販売量が前年同期比で約2割増加した。

華潤ビールは6月に、1本約280円の高級ビール「秦始皇」を発売。黒い瓶に赤字の派手なデザインが特徴で、中級品の2倍程度の価格設定だ。青島ビールも、1本3万円超の超高級ビール「一世伝奇」を発売。アルコール度数10.5%と通常のビールの2倍以上で、ウイスキーの醸造方法を取り入れるなど、高級化を図っている。

こうした高級ビールの人気上昇を受け、華潤と青島の2022年1-6月期の売上高と純利益は過去最高を記録した。中国のビール市場は「量から質」へ変わりつつあり、高級品のシェアが拡大傾向にある。

一方で、経済成長鈍化に伴う低所得者層の伸び悩みから、低価格帯ビールの不調もみられる。メーカー各社は、高級品と低価格品の二正面作戦を迫られている状況だ。



中国で進むビールの高級化

中国のビール市場では、1.5Lで3万円近い超高級ビールが販売されているという。これは日本の市場とは大きく異なる動きだ。日本でこのような高額なビールが売られていたら、ほとんどの人が買うことはないだろう。なぜなら、日本ではビールメーカー4社の寡占体制が長年続き、ビールの価格帯は安い第3のビール、普通の銘柄、そしてちょっと高いプレミアムビールの3つしかない。この価格帯以外でビールを判断できない消費者が多いためだ。

しかし中国では、1本3万円のビールに対して支払い意思と価値を感じる層が存在する。中国のビールメーカーはこの層を取り込もうと、高級ビールの開発と販売に乗り出している。最大手の華潤ビールと2位の青島ビールは、2022年上半期に高級ビールの販売が2割以上増加。売上高と利益も過去最高を記録した。

中国の消費者はなぜ高級ビールを選ぶのか

中国でビールが売れるようになった背景には、消費者の文化度が向上し、酩酊するのではなく、程よく酔うことを楽しむ層が増えたことが関係しているのではないか、と考えている。

確かに、中国では経済成長に伴う所得向上で、消費者の価値観やライフスタイルが多様化し、本物志向が高まっている。ビールも単なるアルコール飲料から、リラックスや社交のための嗜好品へと位置づけが変化した人が増えたのだろう。だからこそ、香りや味わいを求める富裕層が、1本3万円の高級ビールに対して支払意思を持つ。社会的地位を示すステータスシンボルとしての側面もあるかもしれない。

日本のビール市場は追随する?

日本のビール市場が中国のような高級化を追随するにはハードルが高いのではないか、と睨んでいます。日本の消費者は、ビール4社による長年の寡占体制の影響で、ビールの価値観が固定化されがちだと思います。

超高級ビールが受け入れられるためには、まず消費者側の意識変革が必要だ。ビールメーカー各社は、消費者との対話を深め、ビールの可能性を広げる革新的な商品開発とプロモーションで、この意識変革を促すことができるかもしれない。日本の伝統的なビール文化に合わせた高級化の形が提案されることが、楽しみだ!


今日の問い

  1. 貴方はビールを飲む際、味以外で大切にしていることは何ですか?香り?品質?衛生面?それとも価格?

  2. ビール1本にいくら払うのが限度だと思いますか? 3,000円? 5,000円? もしくは1本10,000円以上のプレミアムビールでも購入してみたいと思うことはありますか?

  3. ビールメーカー各社がさらに高級化を進め、1本3万円の超高級ビールを売り出したら、貴方は購入意欲を感じるでしょうか? 理由は何ですか?または購入しない理由を考えてみてください。

  4. ビールを飲む主な目的はリラックス?社交?それとも美味しさを楽しむこと? ビールの位置づけを思い描いてみてください。

  5. ビールの可能性を広げる新商品やサービスがあれば、何が魅力的だと思いますか?ぜひアイデアを考えみましょう。

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