ある日会社から転籍を告げられ、苦しかった日々を振り返る。
会社員として働いている以上、特に大きな組織で働いていると必ずと言っていいほど、組織体制の変更やその他事情による異動の話はつきものです。
人によっては望んだ異動の話もあれば、実は避けたくても自分の意志だけではどうにもならず、結果望まない異動でも受け入れざるを得なかったり•••
ひょっとしたらそんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今から数年前、会社員として働いていた時のこと。そんな自分自身にも会社都合による異動の話を受けたことがありました。
組織改編をするという経営陣の方針があり、そのことが影響してか当時の上司が辞任、併せて私が当時携わっていた事業をグループ会社へ移管するという方針が打ち出され、それに伴い私がグループ会社に転籍する、という話を次期社長から呼び出されて、聞きました。
聞いた瞬間は、「まぁよくある話だよな〜」とある意味では他人事のように聞いていました。
ところが!、です。
転籍の話を聞かされてから、1時間、2時間、3時間・・・と時間が経過していく度に、自分の心の中で「よくある話だよな〜」という気持ちから、段々と「よくわからない」感覚に陥るようになりました。
当時の状況を例えると、まさに「手も足も出ない」状態でした。
道の上を歩いていて、一歩踏み出せるスペースはあるはずなのに、手も足も全く動かない・・・八方塞がりとはまたちょっと違った、「手も足も出ない」とはこういう状態なんだと身をもって経験しました。
この「よくわからない」感覚に陥ってからは、体にも影響が出ました。夜中ベッドに入ると勝手に涙が出てくる、食事をとっていなくても全くお腹が空かない・・・といった症状がしばらく続きました。
この症状はいつまで続くのだろうか・・・
そもそもどうしてこうして涙を流したり、食欲が出ないのか・・・
そう感じていた時に私を救ったのは、キャリアコンサルティングの学びでした。
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その時起きた出来事と、それに付随する感情や思いを並行しながら振り返る。
よくわからない感覚に陥っていた時に、たまたま私はキャリアコンサルタントの資格取得のための養成講座に通っていました。
しかも転籍の話を聞いていた時は、偶然にも養成講座では人材紹介会社などの第3者機関でのキャリアコンサルティングの活かし方について学んでいた時だったので、なんだか運命的なことに出くわしたな〜と、当時のことはとても鮮明に覚えています。
よって当時はキャリアコンサルタントとしての目線で、一方で相談者としての目線で、一人で二役を演じる感じで状況を整理し、とても心が忙しかったことを覚えています。
具体的にどのように整理したのか、についてですが、私の場合まず引っかかったのは、話を聞いた当初は受け入れていたはずが、なぜ段々とよくわからない状況に陥ったのか、でした。
よってまず何が起きたのか、その経緯をノートに書いていきました。
そしてその経緯を整理するにあたり、ただ何が起きたのかという出来事の整理と、その出来事に出会したときに私自身が思った感情や思考がなんであったかを並列にして書いていきました。
このように出来事を感情や気持ちを振り返ることは、私が習得したキャリアコンサルティングの「経験代謝」と呼ばれるものからきていて、この経験代謝の学びを自然と私のケースでも当てはめて整理していきました。
(参考:https://www.j-cda.jp/your-own-career/learn-deeply.php)
そうして出来事と感情を整理していくと、私の中で転籍によるこれから先の不安が残っていることに気づいたのです。
この不安に気づいたことによって、「よくわからない」という感覚から段々と解き放たれて、体に出ていた寝れない、食欲ないといった症状も無くなっていきました。
そして次に向けてどうしたらいいのかを考えられるようになりました。
後になって気づいたのですが、行動や思考感情をノートに記すことは認知行動的アプローチであり、今後のキャリアについて悩んでいるなど、今置かれている状況がよくわからない人に向けては有効な手段の一つと言われています。(私の場合この認知行動的アプローチを気づいたら勝手にやっていた、というわけです)
キャリコン資格取得者はお分かりかと思いますが、その後はキャリコン試験にも出てくるシュロスバーグの転機の理論を思い出しながら、私の今後のキャリアをどうしていくか、考えていったというわけです。
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やっぱり何事も経験することに無駄なことないな〜と痛感しながら、次のキャリアに向けて進んでいきました、とさ。
by なっちゃん