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DX推進の切札、アラフォーお局様よ、大志を抱け

この記事は2021年12月5日に作成したものの、お蔵入りになっていた記事をリライトしたものです。

お蔵入りにした理由は、多分恥ずかしくなったからだと思います。頑張って書いたので、供養として公開します。

世間ではDXが大流行り。あなたの会社にも、社長命令でDX推進を進める部署ができたり、専門のキャリアを持った人がすごい肩書と共に入社したりしていないでしょうか。

ハッキリ言います。外部から来た専門家だけが牽引するチームでDX推進は不可能でしょう。

あんた誰だよ、SEでも情シスでもない、オバチャンが何を偉そうに!という、突っ込みは、やんわりと受け止めます。

この記事では、アラフォーのノンプログラマーで、VBAも使えず、関数とピポッドだけで切り抜けてきたようなオバチャンが、DX推進に必要な人材になれるかも!?なれるとしたらなぜ、どうして?を大真面目に考えてみたいと思います。あなたは社内の生き字引ではありませんか?

簡単にDX推進に実は向いてる人物像の例を挙げます。(オバチャンの自己紹介)

■主な職務経験
建材を販売している会社で約15年、仕入、支払業務から商品のクレーム対応、販売部門でのお問い合わせ対応といった実務全般を経験。
生き字引的なポジションで、紙が主流だった時代からデータ管理するようになった現在までの過渡期を経験。
販売管理システムの入替、新システムの導入を実務担当者側の担当者としてプロジェクト参加。

簡単に言うと、小さな会社で長く働いている間に、誰もやりたがらない面倒なポジションを回されているうちに、その会社の実務にやたら詳しくなっちゃったオバチャンです。

そのポジション、身に覚えある~!という方、是非最後まで読んでみてください。


DXの9割は失敗する


社長号令で、鳴り物入りで始まった「DX推進」。
しかし、実情は何をしているのか不明で、業務の問題点なんかをアンケート調査されるものの、ちっとも進捗がわからないし、他部署も含めて業務が改善された、うまくいっているという実例も情報もない。

DX推進を進めている会社で、そのチームが何をしているのか全く分からない時点で、そのプロジェクトは頓挫しかかっています。

これらの中小企業が抱えるDX推進に関わる問題点は、DX推進に関する書籍やトークイベントでも口酸っぱく語られています。

DX推進について調べているうちに、成功事例は業種、規模によって違うため参考にならない部分もありますが、失敗事例についてはある程度規則性がありそうです。

1.意思決定者(社長)がDX推進についてよくわかっていない。
2.DX化が目的になっており、何をDX化したいのかが不明確。
3.外部のプロに丸投げでいけると思っている。
4.「現場」の担当者がプロジェクトに参加していない。

これらの傾向から、中小企業がDX推進を進めるうえで、大事なことは2つだけ。①社長が当事者となり、プロジェクトを推進すること。そして、②現場が関わっているか。この2点に絞られると私は思っています。

よく勘違いされがちだなと思うのは、「IT人材や専門スキルの人材を採用する」ことは、成功を握る鍵ではないということです。

中小企業のDX成功を握る鍵は、「お局様」にあり

「お局様」と聞くと後輩をいびり倒しているような人が?と思う方もいるかもしれません。(後輩いじめをしてなくても、お局様と呼ばれてしまう人っていますし!)

しかし、実際には人望があり、経験も豊富、コミュニケーション能力にも長けていてバランスがとれている方でないと、このポジションは難しいです。そうはいっても社内での属性やキャリアでは「お局様」がしっくりきてしまうので、あえてこの言葉を使います。

ここからは、具体的にどういう人が求められる人物像なのか深堀したいと思います。

ITスキルは必要なし!”現場を知っている”ことが武器になる

・少しずつ改善、変更されてきた社内の暗黙のルールを熟知している。
・過去の失敗や、不思議ルールができた過程を知っている。
この人の業務はアンタッチャブル!最小限の変更に止めよ!

こんな煮ても焼いても食えないような情報が意外と役に立ったりします。
あなたの会社に蔓延る言語化されていないアンタッチャブルなルールはありませんか?

一見無駄のような業務がなぜあるのか理由を知っている。それこそが業務をデジタル化するうえで重要だったりします。

業務をデジタル化するために現状把握をする段階で、システム会社や情シスに現況業務を話す機会があるかもしれません。自分が大したことないと思っている情報が重要である場合があるし、それが重要かどうかを相対的に判断するにも情報がないと検討も判断もできません。

宝の山のような情報があなたの頭の中に入っている可能性があるのです。重要なのは現場のスペシャリストであることで、データ分析や処理が得意である必要はないのです。それこそ、専門の方にお願いしましょう。

特別なスキルを持った人が、どれだけ時間をかけてもたどり着けない事実や現場が抱えるる問題点。それに一瞬でたどり着くヒントや、DX推進を進めていく上で必ず通る、社内の均衡を保ちつつ、業務改革を円滑に進めるための鍵が、あなたの頭の中に眠っている可能性があるのです。

社歴と人脈、過去の経験と実績が活きる

・自分は分からなくても、だれがその情報を知っているか知っている。
・誰とでも話せて、情報通。自然と現場のお困りごとの情報が入ってくる。
肩書とは関係ないパワーバランスを熟知している。
・過去の仕事ぶりで、信頼や信用を獲得している。

伊達に長い期間、働いていない!どれだけ新しい人が増えようと、新しい業務が増えようと、キーパーソンとなる人は変わらないことが多いです。(その人が辞めない限り)

部署を超えてキーパーソンに最短でアクセスでき、相手も「まぁ、あなたに聞かれちゃ、答えないわけにはいかないね」「前に助けてもらったし、協力しますよ」といった信頼関係を構築できている。

そういった人材が重宝されるでしょう。

システムが”できないこと” ”苦手なこと”を知ろう

「SEでもないのに、そんなことわかりません」とシャットアウトしては勿体ない!要はどんなことができて、どういうことができないのかを知るだけでいいのです。ここでは”できないこと、苦手なこと”、”しないほうがいいこと”、を知っていることが特に重要です。

・Excel的な細かいセルに個別に適用しているような制御はできない。
型の整っていないデータの活用はできない。
・DX推進に関係ない情報をむやみやたらに入れない。管理しない。
・システムはひとつ入れたら問題が解決するわけではない。
・パターン化出来ない業務は、システム化できない。

データの出し入れ(連携)が大変だということを知っている。

システムに入れられない情報がどんなものなのかを知ることは、そんなに難しいことではありません。しかも、この”入れられない情報”や"入れ方"は普遍的。
あなたの勤める会社が、何を売ろうが、どういうチャネルで販売していようが関係ありません。

自分の経験が他の会社で通用しないと思っているとすればそれは大間違いです。金銭のやりとりをしているのであれば、顧客がいてサプライヤーがいて、なにか商品やサービスを販売している。その流れは変わらないのです。

マーケティング的な視点も必要な場合もありますが、それは考えられる反響を実務者がやりきれるかどうかだけ。やりきれないのであれば、他の売り方やツールの導入を現場のリソースや予算と鑑みて判断すればいい。

これらの考えられる懸念点を理由とともに論理的に説明できれば、確かな判断材料に成りうるでしょう。

なぜアラフォーなのか

お局様に年齢制限はもちろんありませんが、デジタルネイティブと、ノン・デジタル世代を繋ぎ、どちらの気持ちも何となくわかる、それがアラフォーではないかと思うからです。

・古株社員にも一目置かれている。
・中間管理職も実務においては頭が上がらない。
ハートが強い。多少の失敗も陰口もへっちゃら。ちょっとしたことでは動じない。

そんな人材こそが、DX推進に、強いては会社の生き残りを左右するキーパーソンだということに、早く企業の経営者には気づいて欲しいものです。

AIシナジストへの道

この名前のない職種、実はちゃんとした名前があります。
石角友愛さんが書かれた著書で定義されている「AIシナジスト」

「自分はAIに詳しくないから」、「理系じゃないから」と言って、自分の仕事にAIが無関係だと決めつけてしまうべきではない。

 技術者になるようなスキルはなくても、AIをうまく利用できれば、従来のやり方を踏襲していては考えられないような実績をあげられるケースは多い。会社には多大な利益をもたらし、それを個人的なキャリアアップにもつなげられる。

出展:「AIシナジスト」とは?https://www.paloaltoinsight.com/2021/04/27/ai-career/

私はこのポジションを知らず知らずのうちに担っている人が案外多いと思っています。

会社に使われながら、面倒な業務ばかりやらされてきたアラフォーに向けて、このポジションをキャリアアップの選択肢として是非狙って欲しいと思います。

AIに仕事を奪われない人材になるために

ノンプログラマーだったとしても、AIが使えないということはありません。使い方を学べば、WordやExcelのように使いこなすことができるようになります。

逆に、AIを使いこなせないことで、生産性が爆上がりした同業者に仕事を奪われる人はどんどん増えるでしょう。

AIやシステムに置き換わってしまうような仕事からは距離を置く必要があります。今回ご紹介したスキルはどれもシステムではどうにもできないスキルばかりです。是非、今までの辛い経験をバネにして、自分を売り込み、代替えが利かないレア人材であることをアピールしていきましょう!

これからの時代はリスキリング抜きにしては、キャリアアップもキャリアチェンジもまともにできなくなるのではと感じています。

具体的なリスキリングの方法や自分に合った方向性を見出したい方は、こちらの書籍もオススメです。


最後まで読んでいただいてありがとうございます!
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