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ルネ・ラリック展@岡崎市美術博物館

庭園美術館で開催されていた時に行きたいと切望しながら、
機を逃してしまったルネ・ラリック。
何と、岡崎に来ていました。
猛暑予報何のその、ラリックを見れるなら!と
思いきって遠出。

東岡崎駅からバスに揺られること約20分… 
どんどん山道を登って行くのに若干の不安を
覚えつつも、半ば遠足気分。

遠くに岡崎の市街地が一望できる
とてつもない丘の上に到着しました。

開催中企画の看板ものどかな緑に囲まれています。

モダンなガラス張りの美術館は、
エントランスから1階下ったところにチケット売り場と展示室が配されています。

北澤美術館さんの協力により、
撮影OKとのことで、俄然沸き立つガラス愛。

当時最先端の技術、電気の灯りを
上品に包み込む常夜灯。
自然の美とテクノロジーの融合、
当時の人々はさぞ、来る新時代の美に心踊らせたことでしょう。


孔雀のテーブル・センターピースは
近寄って見るほどに、細工の繊細さにため息が出ます。

ラリックがインスピレーションの源泉の一つとした
ジャポニズム。
バッタのモチーフがシャープな青に映えます。

コティ社の香水瓶。
テスターケースってあれこれ試したい欲をそそりますね。

このテスター容器も素敵。
小さな宝石を試着するかのような特別感、溢れています。

実は今回、一番粋に感じた作品がこちら。
1912年のラリック展の招待状なんですが、
ガラス製のメダル型!
こういう招待状届いたらその瞬間から
展示会の序章のようでワクワクするだろうな。

ラリックの代表作、オパルセント・ガラスの
幻想的な作品群。
光の当たり方によって、ブルーにも、乳白色にも
オレンジにも見える、まさにオパールのような
質感。

うって変わってちょっと男性的な作品だなと思ったら、
ラリックのお嬢さんのデザインした
モダンで凛々しい花瓶たち。
父娘はよきビジネスパートナーだったようですが
女心を掴む女性的なデザインの父と、
新時代のくっきりシャープなデザインの娘。

対比が面白かったです。

ラリックの作品はやはり繊細さが大物でも際立つ。

こちらは蝶のモチーフが表裏に配されていて、
蝶が幾重にも重なりながら群れて飛ぶ様が
本当にうまく演出されています。

人々の日常に美をもたらしたいと願っていた
ラリックが手掛けたテーブルウェア。

一度も来日したことはないのですが、
ニッポン、トーキョーというネーミングに、
並々ならぬ日本愛も感じます。



そしてラリックと言えば、やはり香水瓶!
自然や神話をモチーフに、香りを視覚でイメージさせる、
ラリックの商業デザイナーとしての先駆性に感嘆。
香水が入るとこういう見た目になるのね。

乙女の足先と、サチュロスのひげに浸した香水をつけるという斬新な発想!

アネモネ、やはり可愛らしいなぁ。
毎朝これで香水つけるのが楽しみになりそう。

真夜中の星空をモチーフにしたシリーズ。
夜のパーティー前につけて、ロマンチックな気分を上げてくれそうです。

ぐるりと小さな雀がクリスタルに留まるデザインの
涼やかなネックレス。
クリアガラスと曇りガラスの技術が
上品に使い分けされています。

先進的な技術との融合と言えば、
やはり車!
車の先端につけるカーマスコット、
力強く、速く走るイメージを表現して
雄々しいデザインが多く見られました。

カーマスコットの下に配するカラーパーツを変えれば、
光に照らし出されるカーマスコットの色を変えられるという仕様なんですね。

デザイン画や素描、当時の展示会の資料など
一挙193点を楽しめました。
施設もちょうど良い規模感で雰囲気もゆったりしているし、
是非多くの方に見ていただきたいです。

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