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いのちの分水嶺

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刻と時のあわいに揺らめく三世の川に響く梵音のこえ…

幾多の線が、コントラストが、私の記憶を呼び覚ましてゆく。私が生まれるずっと前にどこかで聴いた、懐かしいひかりにも似たそれは、肌をくすぐり香りを奏でてゆく。葉脈のなかを水が走るように、視覚が結ぶ形象が私の全身を満たしてゆく。

それが共感覚というものと知ったのは、もう四十年も前のこと。それがなにを示すものなのか、気づいたのはつい最近のことだった。

私の中に在って私のものではないもの… 無意識の奥底のずっと向こう側に在る名状し難きもの…

そこに言葉は必要ないのかもしれません。


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