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【子ども】思い込みを取っ払い、新しい視点を手に入れる出会い|22年2月2回目清水裕友さん

一方的に話を聞くだけではなく、ゆうせんせーからの問いかけにもしっかり答えていた中学生たち。参加した大人からは「子どもの方が自分より大人だなあと感じることもある」という言葉も聞かれたり。でも、ここからは子どもだけの時間。ちょっとブレイクして、子どもに戻る時間だ。

ゆうせんせーのお話はコチラ↓

質問を集めてみると

さて、質問を集めてみたら、いつもより何だか少なめ。「ゆうせんせーの学校と普通の学校の違いは?」という質問も出てきて、想像力豊かな面々にしては珍しく、ゆうせんせー像をイメージするのに苦戦しているのかも。

小学校を卒業するときも中学校でも「将来の夢は?」って問われることが多くて、自分のやりたいことを見つけて目標を持って努力することが良しとされる。そんな雰囲気の中で日々を過ごしている中学生。彼らにとっては、ゆうせんせーの転職の話も不思議な感触があった様子。

だったら、いろいろな角度からの質問をして、ゆうせんせーをもっと深堀りしてみたらいい。人でも物事でもそうだけど、何だかよくわからないぞ〜ってなったときには、まずは知ろうとしてみること。相手のことを知ると興味も沸いてくるから。


いつもと違う視点をもらう

質問を集めた後に時間があったので、ゆうせんせーのことを現時点ではどう感じているのか尋ねてみた。中学生たちが口をそろえて言ったのは、

「びっくりした」

ということ。
「学校にも普通の人と変わらない発達障害の人がいるけど、言われてもわからん。へぇ、そうなんや〜って感じ」
「今までに持っていた発達障害のイメージとは違った」
それぞれ経験や知識にも差があり、感じ方がずい分違った様子。ただ、「発達障害の人=こんな人」のイメージが元々あっても、それはほんの一部。自分では赤色だと思っていたものが実はただの思い込みで、視点を変えてみると実際には無限の色が広がっていることってあるよね。

神戸シュタイナーハウスでは、小学生の間は、赤は赤で青は青であるという安心感にどっぷり浸かるようにしてきた。中学生になった今、世界に眼を向けていって欲しい時期なので、こうやって揺さぶられる体験ができて良かったんじゃないかと思う。


質問タイム!

ゆうせんせーが子どもクラスに戻ってきてくださってからは、恒例の質問タイム。

最近よく出てくる質問の中に、子どもの頃の勉強や成績についてを問うものがある。自分とゲストの方を比べて、将来について考えるヒントにしているのかもしれない。今回もやっぱりそういった質問が出てきたけれど、ゆうせんせーの回答はこれまでのゲストの方と180度違うものだった。
「勉強はしたことがありません」
何言ってるの?という表情の中学生に、詳しい説明を加えるゆうせんせー。
「ゲームの攻略サイトを見てるときに、“ゲームについて勉強してるぞ”って感じる?感じないよね。それと同じです」
ゆうせんせーは得意なことや好きなことに一生懸命向き合っていただけ。苦手克服!という考え方はせず、得意を伸ばすことを大事にしてきたんだそう。

他にも、医者にかかったときの気持ち、おすすめのボードゲーム、転職するときに猛勉強したかどうか、年に何回くらいキャンプに行くか、などなど、いろんな質問をぶつけてみる中学生たち。中には、学生時代の研究にまつわるちょっぴりマニアックな質問も。ゆうせんせー像がはっきりと見えてきたら、あれもこれもと質問が出てきた。質問したことから対話が始まり、深まり、新しい問いがまた生まれる。

ゆうせんせーは子どもたちの質問の意図を汲み取りながら、一問一答と言わず、たっぷり丁寧に説明してくださった。きっと普段から、言葉にならない言葉も汲み取って、相手に寄り添いながら関わっておられるんだろう。一朝一夕にできることじゃないなと思う。ゆうせんせーに出会えた子どもたちは、透明の教科書なんかなくても安心してコミュニケーションを取ることができるに違いない。初対面の私たちでもそうなんだから。


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えりか先生。神戸シュタイナーハウスでは、子どもクラスを担当。 小学校・放課後等デイサービスを経て、現在は児童発達支援事業所で障害児支援にあたりつつ、神戸・京都において日曜クラスの先生としても活躍中。
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