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【コラム】年齢に沿った成長のために

人間に完成はなく、いつまででも、それこそ40歳になっても60歳になっても成長していくことが出来ます。もちろん、年代ごとに課題は違うので、ここでは子どもが育ちゆくために大切にしたいことをまとめてみます。

【幼児~低学年】

何も持っていない手を差し出して「はい、どうぞ」って言うと、小さな子どもは「わぁ、ありがとう!」と受け取ってくれます。想像しているだけじゃなくてホントに何かを見ているのです。
何もないところにそれを見るのは、「生み出す力」です。それがきっと大人になった時、社会にないものを実際に作り出していく力に変わって行くのだと思います。急いで大人にさせることはありません。どれだけ自分の世界に没頭できるかを大事にしてあげたいですね。

【中学年(9歳~)】

ファンタジーの世界で何でも作り出していた状態の子どもは、9歳ごろから地上に降りてきて、サンタさんも小人もトトロも見えなくなります。初めて現実に目が向き、「世界はこんな風に出来てるんだ」と気づきます。そんな時期の子どもには、「地上の世界は不完全だし、作り方も雑だけど、それはそれで捨てたもんじゃない」と伝えたいです。
クラスでは古事記を材料に世界の成り立ちを話しました。神様にもいろんな個性があるんだから、自分や周りの人にデコボコがあっても、それはそれで素晴らしいですよね。この時期には人間に一番近い生き物として動物も取り上げました。

【高学年〜中学生】

個性が少しずつ際だち、好き嫌いがはっきりしてきます。良い・悪い、正しい・間違い、敵・味方…。なにかと二つに分けたがりますが、実際には「あの子とは仲良しだけど、ここはおかしいと思う」とか、「やり方はまちがってるけど言ってることは正しい」など、2極の間には無限のグラデーションがあります。相手の立場に立ってみたり、もやもやする気持ちに耐えて考えて行く力を育てていきます。2極の間のグラデーションの間~「白か黒かじゃなくて、黄色や赤もあるよね」「こうも考えられるよね」を意識的に提示してみると、たいてい子どもはもやもやして拒否しますが、拒否することで自分の好みや考えがよりクリアに際立っていきます。「自分」というものに気付く種まきをしているのでしょう。

小さな頃は、良し悪しをはっきり提示していました。悪いことをした鬼は退治されなければなりません。大きくなると、「鬼には鬼の言い分がある」と考えるようになります。親や先生が「これが正解だ」と答えを提示して終わると「自分は違う」と言いたくなるのがこの年代。「どうなのかな?」という問いかけで終わると、それぞれの中で答えが生まれていき、気持ち良く終われます。

中学生は反抗期と言われます。最初は親にぶつかりますが、高校生、大学生、社会人になって、活動のフィールドが広がると、その力が社会の理不尽に立ち向かう力に変わっていくことでしょう。

(お話:えりか先生 まとめ:オキツ)

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