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【大人】まり先生を質問責め!

中学生のハローワーク21年12月。ゲストは伊藤眞里先生。子どもクラスと一緒に話を聞いた後は、大人と子どもに分かれての時間です。さっきのお話も興味深かったし、ウイルスを怖れるご時世なので、各自質問してみたいことをチャットに書き込んでみたら、あっと言う間にズラっと質問が並びました。全部答えてもらうのは無理かも~。

まり先生はどうやって予防してますか?

大人たちの質問に、上から順に丁寧に答えてくださるまり先生。読んでくださる方の聞きたいこととも重なると思うので、簡単にいくつかご紹介します。

Q:同じ条件でも、病気になる人とならない人がいるのはどうして?
A:人間は遺伝情報だけとか、タンパク質だけを調べたらわかる、というように、単純に出来ているわけではありません。たとえば同じくらいタバコを吸う喫煙者でもガンになる人とならない人がいます。遺伝的な影響もあるし、生活習慣、環境、その人のいままでの経験など、いろんな影響があります。
人間の複雑性にチャレンジするのを、私の研究生活の問いにしてしまったので大変ですが、少しずつでも答えに近づいていこうと思います。

Q:薬の開発技術について。ブロックチェーンは使える?
A:人間が力技で調査・分析ていたことが、AIで計算できるようになってきました。ブロックチェーンとAIは今まで別々に進んできましたが、今はこの2つを融合させようという動きが出て来ています。注目されているので、今後はどんどん出て来ると思います。

Q:コロナ対策で手洗いうがい以外で気を付けていることは?
A:建物の中ではまず換気です。そしてマスクはとても大事です。「エアロゾルはマスクも通る」と言ったりするけれど、人との適切な距離を取りながらマスクをするのは役立ちます。うがいについては、私はず~~っとイソジンでうがいをしています。乾燥した場所では20分に1回、ウイルスがのどにつくと言われています。会議中でも、20分に1回お茶を飲むなどして、のどをぬらすことを心掛けています。

Q:女性研究者ということで苦労されたことは?
A:ガラスの天井とか言って、いろんな悔しい思いをしている方も多いと思いますが、私個人はどこに行っても大事にされます。黙ってないからかもしれませんが、意見も結構言えるし(笑)。知識や技術がなくて悔しい思いをすることは多々ありますが、女性だから、ということで悔しい思いをしたことはありません。
私は女性推進を進める組織のメンバーでもあるんですが「いつもトクしてる」と言って嫌がられています(笑)。男女問わず、力のある人が上がって行くべきですよね。今後は、改善されていくと思いますよ。

Q:そのパワーはどこから?
A:薬の開発にはパワーがいります。治った患者さんの人生からも、治せなかった周りの人の思いからも、パワーをいただいています。医局との仕事が多いので、「生きよう」の思いを患者さんから、「生かそう」の思いを先生方からいただいています。
命に向き合う日を作るのもいいですね。私も毎年、ガン患者のために走ろうという「リレーフォーライフ」に参加して、走れないんですけど、患者さんと一緒に歩いています。

30分という限られた時間の中、いろんな質問にお答えいただきました。ありがとうございました。思いを込めて、しかも明確に答えてくださりながらも、「わ~、いい質問ですね」「すごいな~。この視点は大事ですね~」「質問、後で送ってくださいね!」などとと言い続けてくださる、本当にステキなまり先生でした。

大人のフリートーク

まり先生が子どもクラスに行ったあとは、大人のフリートーク。

これまでも、人間を物質だけの存在だとは思っていなかったから「Aを入力したらA'を出力する」というような医療のあり方には少し抵抗がありました。同じように、「あなたはこの遺伝子があるからこの病気にかかりやすいです」→「予防のためにこの薬を飲みなさい」とか、画像をAIに見せて「ここをこのくらい切れば生存確率がxx%です」と言われるのも、なんだか抵抗があります。

まり先生の研究テーマが、「人間の複雑性」という切り口だということを聞いて、とても興味深かったです。

今は、A病院とB病院で、先生によって違うことをおっしゃるから、セカドオピニオンも必要だし、いい治療方法も手あたり次第に探さないといけない。でも、AIに「このたんぱく質を持っていたら、この病気にかかりやすい」と診断してもらえたら、「それならこう治療したらいい」って教えてくれるなら頼もしいです。でも、たんぱく質や遺伝子だけじゃなくて、身体全体が調和しながら健康を保っていると考えると、複合的に見るには、やっぱりお医者さんも必要。両者のいい所を利用したら、より健康になれるんじゃないか、という話になりました。

また、免疫は上げたら上げるだけいいもんじゃないのでは?という話も。多すぎたら花粉症などのアレルギーになるし、少なかったらガンや白血病になるし。病気以外の事でも同じでしょうが、極端に走らずに適度な値を保つのが大事ですね。

あとは、
・「未来の治療は音楽になる」という説を聞いたことがあるが、波動を治療につかう事について分子生物学はどう考えるのかな
・自分の細胞がガン細胞を攻撃しているところをイメージしたらガンが小さくなったという話を聞いたが、イメージと物質の関係の研究はあるのか。
・薬を飲まなければ自己免疫が上がる?
・薬を飲むと体温がいつも下がるが、それは免疫落ちるってこと?
…などなど。あとからあとから質問が出て来る大人たちでした。

世界レベルの研究者のお話。レベルが高すぎて難しかった部分もあったけど、ああいう方が医療をひっぱってくださってると思うと、とても安心できました。まり先生、ありがとうございました。

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▼オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
書く人、聴く人、考える人、作る人、遊ぶ人。小さな勉強会や仕事、普段の暮らしの中で、ちょっと立ち止まって考え、言葉にし、行動してみる。少しずつ、みんなで幸せになっていけたらいいな。
ブログ毎日更新中。「自由の哲学を読む」~日々の暮らしから~
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