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【コラム】私に与えられた課題は何?と問い続けた7年間③

7年間子どもが授からないな〜と思いつつ、いろいろ試した話の続き。個人的なことだけど、シュタイナーの思想の影響もあるしまとめてみよう・・・と書き始めた3回目の最終回。よければお付き合いください。

1・2回目はこちら↓

ついに課題を発見

家中のときめきお片付けを通して、意外と母親に気を遣って生きていた自分に気づいた私は、数年前、子宮筋腫が見つかったときに読んだ本を思い出しました。「病気が教えてくれること」みたいな内容の本。シュタイナー界隈の知人がすすめてくれたものです。

本によれば、子宮に問題があるのは「家庭」への恐怖。過去の自分を手放せ。過去の過ちを赦せ。自らと向き合え・・・と。心当たりはあるものの、向き合うだけの強さはない私。

いやいや、こうやって何でも考え過ぎるのが体に障るに違いない。フタをして心の奥にしまっておくことにして、子宮筋腫の治療を終えたのでした。

そうやって奥底にしまって忘れていたのに、数年経った今、断捨離をしていたら記憶がよみがえってきたのです。でも、当時の私とは違います。今なら、向き合ってみてもいいかもしれない。そう思えました。


背中を押してくれたのは、身体へのアプローチ

さて、その頃の私は、それまでなんとなく敬遠してきたエクストラレッスンのエクササイズを始め、さらにオステオパシーの施術を受けていました。今改めて振り返ってみて感じるのは、おそらく、大きな変化をもたらしたのはこの2つだということ。あと、ムーンノードでしょうか。

エクストラレッスンを始めてすぐは自分の変化に戸惑い、怖くなって逃げました。だけど、先生の支えもあって、もう一回スタートラインをひき直してトライ。オステオパシーの施術後は劇的に変化して何がなんだかわからなかったですが、身体を動かすことが気持ちがよくて。そして、身体が変わると心境も変化していきました。

うん。今なら、何でもできる気がする。何が起こっても乗り越えられるような気がする。根拠はないけど自信がわいてきたし、自分は大丈夫だと思えます。と同時に、なぜだか夫への信頼度も高まっています・・・本当になぜなんだか。いや、夫だけじゃなく、周りの人や物事や全てのものを信頼できる気がしたし、感謝できる自分がいます。心に余裕や余白があるというか。さらに、転職先での出会いも背中を押してくれました(→ムーンノードに使命が降りてくるってよ!)。

そう思ったのと同時期に、父からの連絡。なんてうまくできてるんだろう。再会の日が決まるまでに時間はかかりませんでした。


再会、そして・・・

で、20数年ぶりに父と再会。

父はというと、デリカシーのなさは健在で、
「子どもはまだか?はよ、しーや!待ってるで!」
と。

なんですと?

これまで、夫も友人も、母も義実家も、近所の人でさえも、私を気遣って誰も口にしてこなかった言葉。まさかこんなところで、こんな人の口から聞かされるとは思ってもみませんでした。

「うん、そやなー」
と適当に答える私。相変わらず気遣いを知らない人だと呆れる気持ちと、期待されることを嬉しく思う気持ちが入り混じっていました。少女からおばさんになり、やっと私の反抗期は終了を迎えたのでした。


大人になりました

それから数週間後に妊娠が発覚。親の言葉って、長女の私にとっては物凄い威力があるのかもしれません。

でも、それだけじゃないかな。母や父の言葉にはもちろん力があるでしょうけれど、私自身がやっと精神的に自立したんだと思います。「私は大人よ!なんでも自分でできるわ!」って思ってた思春期のあの頃の反抗的な気持ちを、ずーっと引きずってこじらせてきました。なんでも自分でやるのが美徳のような気がしてしまって。

神戸シュタイナーハウスの子どもクラスのみんなと一緒に成長してきて、反抗期というものを客観的にとらえられるようになったのも大きいと思います。

私は私が母になることを許せた。私が私になった。どんな言葉で表してもいいけど、とにかく、「大人になりました」。大人になったから、親になっても良いと思えたんでしょうね。

自分の人生を動かしているのは自分。私に与えられた課題とは何なのか、って考えている時点で、違っていたのかもしれません。課題って与えられるものじゃない。自分で選び取り、自分で自分を成長させていくためのもの。

「生まれてくる前の私」がこの世でどんな成長を遂げたいと思っていたのか、それは今となってはわかりません。でも、「今の私」がどんな成長を遂げたいと思っているのかは、内面を静かにする時間を持つことで見えてくる・・・こともある。「今の私」が成長したいと思っていることを、まずは大切にしようと思います。

おかげさまで、妊娠・出産・子育てにおいても、人に頼って助けてもらいながら、等身大の自分で楽しんでいます。


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えりか先生。神戸シュタイナーハウスでは、子どもクラスを担当。 小学校・放課後等デイサービスを経て、現在は児童発達支援事業所で障害児支援にあたりつつ、神戸・京都において日曜クラスの先生としても活躍。現在は初めての育児に奮闘中。
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