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STEAM教育:なぜいま英語でSTEAMを学ぶのか

「英語を」学ぶのか、「英語で」学ぶのか。

一つの助詞が違うだけで、大きく意味合いが変わってきます。

多くの人にとっての英語学習のゴールは、「英語で」「何か」をすることではないでしょうか。もちろん「何か」は一人一人違うと思います。もし「英語で」なにかを成し遂げたいなら、「英語で」学ぶという方法も一つの有効な選択肢になるのではないでしょうか。


なぜ「STEAMを英語で」学ぶのか?

従来の日本の英語授業は「英語を」学ぶことに焦点が置かれてきました。しかし、英単語を記憶し、文法問題を解いているだけでは英語はできるようになりません。

一方、その反動のように、近年はスピーキングを重視したアプトプット中心の授業が展開されています。オールイングリッシュやネイティブスピーカーによる授業が注目されてきたのも、こういったアウトプット重視の風潮に起因していると言えるでしょう。

しかし、日本の子どもの大半は、英語の授業以外は日本語で生活をしています。それなのに突然英語を話せと言われても、話す準備が整っていない子がおおいのは驚く話ではありません。十分なインプットがなければ、中身のあるアウトプットは難しいというのは英語教授法の世界では広く知られている理論の一つです。

グローバルな世界で通用する英語力を習得するためには「英語で」学ぶという視点は外せません。そこで STEAM コンテンツの事象を使うのです。目の前で起こっている事象について、見た通りに英単語を並べてみる。それを基本構文に当てはめて文章を作ってみる。自分の仮説や考察を基本構文に当てはめて言ってみる。この一連の動作を繰り返すことで、英語で考え、英語で伝える力が身に付きます


なぜ自然科学系(STEAM分野)なのか?

日本の英語授業では、STEAM分野、特に自然科学系の題材を扱う機会が少ないように感じています。英語の先生は、いわゆる「文系」出身の方が多いこともあるかもしれません。

自然科学の分野ほど、英語の基本構文を理解し、使いこなせるようになるための訓練として適切な分野はありません。自然科学分野の英語は簡潔かつ明確です。目の前で起きている事象を観察し、考察し、事実を客観的かつ論理的に伝えるものだからです。

これは、理工系専攻者だけでなく、すべての英語学習者に有用です。このように論理的に考えながら英語の組み立て方を習得することは、日本語にも良い影響を与えます。日本語は「察して」文化、英語は「言葉にする」文化。つまり、英語は曖昧さを嫌う言語だと考えることもできます。この曖昧さを避ける点が、見たままを伝える自然科学の分野には特に適しているのです。

このように論理的に考えて伝える力というのは、社会で十分に通用するコミュニケーション力を得ることにつながります。だからこそ、低学年からSTEAM分野に触れる機会を増やし、その英語力の土台を培うことが重要だと考えています。


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