#15中国留学で感じた日本人と中国人の最大のミゾ

日本人と中国人が交流する過程で生じるミゾがあると思います。実際に私が日本人同士で話して中国人に対して感じたことは、なんで中国人はそんな行動をするのか、なんでそういうことを言うのかということです。反対に中国人の友達に言われたことは、日本人のこういうところがよくわからない、なんで日本人がそういう考え方をするのか理解できないということです。

この両者の最大のミゾであり誤解はここにあると思います。日本人は「スジ」で考える人たちです。自分たちが物事を判断する時に「普遍の原則」を基準にし、それがたぶん世界人類共通の真理だと思っています。反対に中国人は「量」で考える人たちです。その場の状況を的確に認識し、どういう行動を取るのが最も合理的かを瞬時に判断して、臨機応変な行動をすべきだと思っています。それが全人類普遍の心理だと考えます。これは『スッキリ中国論 スジの日本、量の中国』に載っています。

両者の誤解はここにあるのです。つまり自分たちの常識や価値観、ものさし、基準が世界共通のものだと認識しているということです。

また『異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養』では、他の文化を読み解く方法を知り、陥りがちな文化の罠を回避する術を知らなければ私たちは行き違いや不要な対立や決定的な失敗の餌食となってしまう。(中略)自分たちの文化の見方はあまりにも当然で一般的なため、別の文化には別の見方があると想像するのが難しい。他とは違う自分たち独自の文化を認識することでオープンな議論や学びや最終的な理解へと至ることができる、とも述べています。

だから結果として、あいつらは非常識だ、間違っている、おかしいという判断をしてしまうのです。そうするともう一歩踏み込んで考えようとはしないわけです。なぜなら面倒くさいし、おかしいものはおかしい、理解できないし、おかしいからそもそも理解したくないと思うからです。したがっていつまで経っても両者は理解することがないのです。

具体的に日本人が中国人に感じることの代表例は、中国人は自分勝手で自分の利益しか考えないということです。中国人が日本人に感じることの代表例は、日本人の本音と建前が理解できないということです。多くの人がこのような疑問や不満を感じているのにここから先について考えるのをやめてしまいます。なんで中国人はあんなに自分勝手なのか?そこには何らかの原因があるのではないか?またはなんで日本人は本音と建前を使うのか?その背景は何か?とここを考えて理解しようとする人が少ないわけです。

結果として疑問と不満で終わる人は、いつまで経っても思い込みで終わってしまいます。反対にこの先を考える人は仕事や留学での交流に成功しやすくなります。また世間の凝り固まった思考から脱却できます。なぜこのようなことが起こるのでしょうか?思い込みで終わってしまう人は世間や一般大衆です。彼らは学ぶのが嫌いだし面倒くさいと思います。交流しても意味ないし分かり合えないと思います。しかし実際に中国現地で継続的に活躍している人はどうでしょうか?例えば、矢野浩二さんや竹内亮さんを例に挙げます。彼らは中国を内側からよく観察しています。中国という国や中国人がどう動いているかをその目で見ています。現地の人々と交流を欠かせないものと考えています。その結果、お互いに分かり合えるし学ぶことができます。

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