清水健介

20年間ある循環農業の共同体運動に携わった後、人智学(Anthroposophy)とシ…

清水健介

20年間ある循環農業の共同体運動に携わった後、人智学(Anthroposophy)とシュタイナー教育を学ぶため2000年に渡米し、10年間シュタイナー学校で教え、現在はワシントン州の公立高校で数学を教えています。バックヤードファーマー/ミュージシャン

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はじめに

アメリカで一般に宗教というと、あれかこれか多項択一の問題だと思われています。人智学(アントロポゾフィー)を説明しようとすると、ある種の宗教だなと、普通は捉えられます。どんなものにも本質とスタイルがあります。スタイルを見ている人には、それぞれ違うものに見えるし、本質を見ている人には、違いはあまり意味を持たない。例えば、人智学やシュタイナー教育についても、スタイルを本質と勘違いしている人は多いと思います。僕は人智学の本質は、”本質を問題にする”ということだと思っています。全ての宗

    • バイオダイナミック農法のアルケミ― (聖なる農業 第二章の3)               Sacred Agriculture         ーAlchemy of Biodynamics by Dennis Klocek より

      第二章 〖物質の変容〗の3気(風)の意識 さて、これから取り上げるのは気の要素、これは私の好きな分野です。気を理解することの難しさは、私たちは決して本当に気を理解することはできないことにあります。なぜなら、あなたがとうとう気を照準に捉えたと思った時、気はいつも別の何かになってしまうからです。35年間の気象研究の中で、私はこのことの意義が分かってきました。なぜなら、間違いを犯すのは、常に何かを理解したつもりになっている時だからです。気象と取り組むのは、自分が知っていると思っ

      • バイオダイナミック農法のアルケミ― (聖なる農業 第二章の2)               Sacred Agriculture         ーAlchemy of Biodynamics by Dennis Klocek より

        第二章 〖物質の変容〗の2堕罪 さて先へ進む前に、錬金術的要素としての水に焦点を当て、四大元素の考え方を再確認してみましょう。四元素説は非常に古く、今日の科学で言うところの位相変移に関係しています。現代の言葉で言えば、位相変移とは固体から液体へ、液体から気体へ、気体から純粋な温かさへの移動のことです。この概念は、どちらかというと機械的で、原子論のように、一種の幾何学的な性質を持ち、結合角やその種の現象がシフトの動作原理とみなされています。 四元素理論が展開された当時は、結

        • バイオダイナミック農法のアルケミ― (聖なる農業 第二章の1)               Sacred Agriculture         ーAlchemy of Biodynamics by Dennis Klocek より

          第二章 〖物質の変容〗の1自然と人の意識 この章では、バイオダイナミック農法の調合剤にまつわる理論や現象論を紹介します。特にバイオダイナミック農法に関連して、ルドルフ・シュタイナーの仕事の背景にある錬金術的考え方を説明します。私の理解では、シュタイナーの世界観は、人間の意識を通して霊と物質が出会えるということです。それは錬金術の世界観に沿った考え方です。 古代における錬金術的思考の核心はこうです。”自然は天界によって創造されたが、人類の堕罪によって、自然と天界は2つの別

        • バイオダイナミック農法のアルケミ― (聖なる農業 第二章の3)               Sacred Agriculture         ーAlchemy of Biodynamics by Dennis Klocek より

        • バイオダイナミック農法のアルケミ― (聖なる農業 第二章の2)               Sacred Agriculture         ーAlchemy of Biodynamics by Dennis Klocek より

        • バイオダイナミック農法のアルケミ― (聖なる農業 第二章の1)               Sacred Agriculture         ーAlchemy of Biodynamics by Dennis Klocek より

          バイオダイナミック農法のアルケミー(聖なる農業 第一章)

          バイオダイナミック農法について学びたくても、どうしたらいいのかわからない人がたくさんいると思います。簡単なノウハウとして、種まきカレンダーに合わせたり、調合剤を撒いたりは出来るかも知れませんが、それでバイオダイナミック農法を実践していると言えるのでしょうか? このような疑問は、シュタイナー教育についても、オイリュトミーについても、すべての人智学的実践においてあると思います。 ルドルフシュタイナーの農業講義は、錬金術の言葉で話されており、そのバックグラウンドを知らないとなか

          バイオダイナミック農法のアルケミー(聖なる農業 第一章)