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【第15回定期セミナー】たくさんの人に見てもらうには? WEBメディア編集長がコンテンツ企画のポイントを解説

お酒とメディアのオンラインサロン「Starter」では月1回、文章の書き方やお酒の知識などを学べる定期セミナーを開催しています。

7月13日(木)に開催された第15回のセミナーのテーマは「コンテンツ企画のポイント」
今はSNSで誰もが自由に発信できる時代です。そんな中、多くの人にリーチしてもらうには、高い企画力が求められます。

日本酒専門WEBメディアのSAKETIMESは、これまで多くのコンテンツを生み出し、読者と酒蔵(あるいは日本酒産業関係者)を繋いできました。本セミナーでは、そんなSAKETIMESの編集長の小池さんが、著者が書きたいことと読者が読みたいこととのバランスを取り、良質な企画とする方法を伝授してくれました。

なお、今回のポイントは、テキストの記事だけでなく、SNS、動画、写真、イベントなどさまざまな企画に活用することが可能です。是非あらゆる発信活動にお役立てください。

■セミナー概要

テーマ「コンテンツ企画のポイント」

講師

小池潤(SAKETIMES編集長)
2015年から日本酒専門WEBメディア「SAKETIMES」編集部に所属し、2017年に編集長に就任。

司会進行:木村咲貴

基本にして王道、企画の基礎は「5W1H」

小池さんはまず、企画を作成する上で前提となる考え方を紹介してくれました。企画とは、分解すると「5W1H」の構成要素でできているといいます。
この5W1Hを埋められるかが、企画の第一歩であり、最も大事なポイントです。

本レポートでは、この内の2つの項目を解説します。

まずこの中で最も重要なのがWhat(主題)です。

「何を伝えるのか、という主題の部分が企画の骨子になります。これがないと企画は上手くいきません。基本的に情報発信とは主題ありきであり、はじめに決めるものです」

一方、企画の発案時には、主題よりも取材対象(Who)が先に決まるパターンがあるそうです。この場合、主題があやふやなままで取材が進行しかねないので、注意して整理しておくことがポイントとのこと。

次に、なぜその主題を伝えたいのかというWhy(動機)も重要です。

「前置きとして、動機の強弱そのものが発信の受け手側に及ぼす影響は少ないです。一方でコンテンツの質が高くなるのは、担当者が動機を強く持っている時です」

これには司会の木村さんも、「利益が発生するメディアでは、書くことがお金=富と、キャリア=名声に繋がります。SNSの場合は、フォロワー数です。これが目当てになってしまうと、書きたいわけではないことまで書いてしまい、ついWhy(動機)の部分が見落とされがちになりますね」と同意していました。

また、動機がしっかり整理されていると、記事を書く時のリード文やまとめが書きやすくなるとアドバイスしてくれました。

情報収集では「誰に伝えるか」の意識を強く持つ

企画の前提は5W1H、ということを意識した上で、次に行うことは、たくさんの情報を集めることです。小池さん曰く、その際のポイントは以下の式で表現できるとのこと。

企画のクオリティ=作業量×思考量

「作業量とは、いかに多くの情報を集められるかを指します。この量こそが企画の良し悪しを決める生命線です。ただし、時間をかければいいというわけではありません。思考量、つまり集めた情報を並べて、どれくらいしっかりと自分の考えを深められるかが大事です」

では、情報収集はどのように行えばいいのか。これには2つの視点が重要だといいます。

1. 何を伝えるのか
発信したい主題に沿って深掘りしていくミクロの視点です。例えば、主題に関するトレンド、データ、専門家の声、関連商品情報などがあてはまります。

2. 誰に伝えるのか
「今、社会はどんな情報を求めているのか」というマクロの視点です。例えば社会の流行や日本酒コミュニティでの話題、コンプライアンスなどがあてはまります。

「この2つの視点のバランスを取ることが重要です。誰もが自由に発信できる時代の今、自分が伝えたいことに意識が偏りがちです。誰かを置いてけぼりにしていないか、世の中が求めていることか、というマクロの視点を意識し過ぎるくらいで、ちょうどいいバランスかもしれません」

また、マクロ視点での情報収集は記事の企画時に関わらず、日々の生活の中で意識的に集めていく方が良いという話もしてくれました。

他にも、情報整理のために仮タイトルを作り、テーマに対する自分の理解度を測ることが重要など、さまざまな有益な情報をいただきました。

アフタートーク

本編終了後の質疑応答の時間に登場したのは、SAKE Street編集長の二戸浩平さん。ライバルメディアの編集長同士ですが、質問や相談をし合い、時には互いの手の内を明かすような貴重な場面が見られました。これらをこの場で公開することはできませんが、代わりに雑談部分を一部お見せします。

二戸さん「ページ閲覧数伸ばしたいですね〜」
小池さん「伸びるなら無限に伸ばしたいですね」
二戸さん「1億!」
小池さん「1億いきたいですよね〜……」

WEBメディア編集長達の切実な願いが聞こえてきましたが、「脳を動かさずに話さないでください」と司会の木村さんから一蹴される始末でした。

[ライターの感想]
WEBメディアの編集長のセミナーということで、どんな専門的なノウハウがあるのかと構えていましたが、蓋を開けてみれば、そのポイントはシンプルな「5W1H」でした。決して拍子抜けしたわけではなく、むしろ納得感がありました。難解な用語も多い日本酒を扱いながら、記事の読みやすさが際立つSAKETIMESと通じる部分を感じたためです。

また私自身、日本酒にまつわることをnoteで書いているので、5W1Hと2つの視点の手法は参考になりました。セミナーの内容通り、何を書きたいかばかりに意識がいき、誰に向けての視点をおろそかにしていたので注意しようと思います。

最後に、本編後の小池さん、二戸さん、木村さんによるトークの時間も非常に見応えがあるものでした。各社の企画会議の様子や、ボツにする企画がどんなものかという話、あの酒蔵の記事の企画についてなど、裏話をたくさん聞くことができました。アーカイブは必見です。

Starterの会員の方は、今回の定期セミナーのアーカイブ動画を見ることができます。

次回のセミナーの講師は、SAKE Streetの編集長の二戸浩平さん。テーマは「日本酒ビジネスガイドライン基礎編」です。日本酒でビジネスを立ち上げたい!という人に「ここは押さえておこう」というポイントを説明していただきます!

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今月のライター:たろけん(Starter会員)
日本酒沼ハマって4年。気がつけば蔵人に。モットーは「日本酒は尊い、されど軽やかに、自由に。」です。 クラフトサケ全般応援中!
Twitter @taguki30
note https://note.com/taguki30

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