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【第10回定期セミナー】ビジネス会話から簡単な司会まで。“話し上手”の極意を学ぶ!

お酒とメディアのオンラインサロン「Starter」では月1回、文章の書き方やお酒の知識などを学べる定期セミナーを開催しています。

2月17日(金)に開催された第10回のセミナーのテーマは、「会話からインタビュー、司会まで “話し上手”のテクニック」

メディアの発信では、文章を書くだけではなく、インタビューや司会進行など“話す”場面も多く訪れます。今回のセミナーは運営陣の中でもきっての話し上手、SAKETIMES編集長の小池潤さんと、バイリンガルタレントの児玉アメリア彩さんの2人がトーク術を伝授してくれました。

「メディアには興味はあるけれど、インタビューや司会をする機会なんてあまりないよ」と思う方もいるかもしれませんが、ご安心を。
本セミナーの内容は、日常会話やビジネスでの会議のシーンなどでも役立つものが多く含まれています。今回の記事では、特に日常会話レベルで参考になるものをピックアップしました。

■セミナー概要

テーマ「会話からインタビュー、司会まで “話し上手”のテクニック」



講師

小池潤(SAKETIMES編集長)
2015年から日本酒専門WEBメディア「SAKETIMES」編集部に所属し、2017年に編集長に就任。

児玉アメリア彩
アメリカ在住経験を生かし、バイリンガルタレントとして活動中。日本酒きき酒師・J.S.A.SAKE DIPLOMAの資格を保持しており、日本酒イベントのMCやセミナー講師としても活躍している。

司会進行:木村咲貴

話し上手になるために

まず初めのテーマは、「話し上手になるために必要なこと」。日常会話でも、インタビューや司会進行でも、共通して意識するべきマインドを伝授してもらいます。

■自分の役割を理解、整理できれば話は上手くいく

1つ目は、“その場における自分の役割を理解する”
さまざまな番組やイベントにゲスト出演する際、小池さんは毎回、「なぜ自分が呼ばれたのか」を確認しているそうです。

「自分の役割がわからないと、右往左往してしまいがち。共演者との関係性を把握した上で、どういう話をしてほしいのか、自分の立ち位置をちゃんと確認しています」

児玉さんも、司会進行などをおこなう立場として、「それぞれの役割が明確だと、『Aさんは○○に詳しい立場として参加しているんだな』ということがわかり、話の信用性が高まりますよね」と同意していました。

■「話し上手」とは「聞き上手」である

2つ目は“『話し上手』とは『聞き上手』である”。これは、話術を磨くというテーマからは意外なように思えます。

児玉さん「脳科学の研究によると、自分が話すよりも、相手に上手く話してもらうほうが、相手に良い印象が残り、『この人、話し上手だな』と思ってもらえるんだそうです。無理に自分から話さなくても、相手のことを引き出すポイントさえ抑えれば、話し上手に見えるんです」

続いて、小池さんは、編集長という立場ならではの視点でアドバイスをしてくれました。

「ライティングに関しても、『書き上手』は『読み上手』であるとよく言われます。『どうすれば読む人にとってわかりやすい文章になるか』というのは、自分が日頃インプットをして、いろいろな文章を読んでいるからこそわかることなんですよね。同じように、『話し上手』であるためには、日頃からいろいろな話を聞くことで、様々な言葉や話し方を身につけることが大事になってくるんです」

テクニックはこうやって磨く!!

それでは、講師の2人はどのようにしてトークスキルを磨いているのでしょうか。セミナー内で披露してもらったものの中から、今すぐ取り組めそうな4つのことをご紹介します。

1. 話し上手の人の話を聴いてみる

まずは小池さんから、先ほどの「話し上手は聞き上手」に通じるアドバイス。テレビ、ラジオ、イベントなどで、プロの話し方を聞くという方法です。

「理想的な話し上手の人の話をインプットしてみましょう。積み重ねることで、良い話し方の感覚が自分の中で磨かれていきます」

2. 自分の声を聴いてみる

インプットしたあとは、アウトプット。自分の声を録音して聴いてみるという方法です。 

小池さん「初めは気持ち悪いかもしれませんが、自分の声を聴くことで、心地良いペースが掴めてきます」
 
今はSNSなどで誰でも配信できる時代なので、それらを駆使することも練習につながります。ちなみに、小池さんのおすすめは“1人ラジオ”。トークスキルが磨かれるだけでなく、日常の出来事をエピソード化し、ネタを増やすことで自信になるそうです。

3. コミュニケーションに必要な3本の矢

児玉さんは、「これだけ覚えていたらコミュニケーションが成立する」という基礎的なテクニックとして、「コミュニケーションの3本の矢」を教えてくれました。

コミュニケーションの3本の矢
①おうむ返し
:相手の発言を繰り返すことで話の流れにクッションを置く技
②感動詞:「へぇ〜」「おぉ!」などの感情を乗せる言葉
③「そうですね」ファミリー:「そうなんですね」「なるほど」「確かに」など、相手を肯定する言葉

児玉「会議や飲み会の場などは、相手に気持ちよく話してもらうのがいちばん。いずれも相手を受け入れる姿勢を示すリアクションなので、相手が話しやすくなります」

4. 抑揚をつける

こちらも児玉さんからのアドバイス。少しわざとらしいくらい抑揚をつけたほうが、相手にとっては聞きやすくなるのだとか。

「高い音をしっかり高く発音してあげることで、言葉が波に乗ります。ただ、人それぞれ心地よい周波数があるので、私の場合は一定の高さ以上は上げないように気をつけています」


■番外編

児玉さんが上記のように周波数について説明していたときのこと。

司会・木村さん「小池さんは、周波数はいかがですか?」

小池さん「周波数ですか?周波数は……好きですよ〜。最近ハマってるんですよ。いいですよね、周波数」

トーク術について話していたところで、まったく予想だにしない角度からの回答により、その場の雰囲気が一気に和みました。児玉さん、木村さんからも「全然求めてない答え」「ハマってどうする」など総ツッコミが。

このように、場を和ませる言葉を扱えるのは、話し上手の中でもさらに高度なスキルの1つと言えるのではないでしょうか(※この評価は、筆者の主観によるものです)。


そのほか、質疑応答の時間では、
「会議や飲み会といった複数の集まりで、うまく話せる気がしなくて黙ってしまう」
「つい話が長くなってしまう」
「良い司会者とは?」
といった相談に講師の2人からそれぞれの視点で回答をしてもらいました。

[ライターの感想]
“話し上手”の講師によるセミナーだったので、2人の解説してくれたスキルが、まさにこのセミナーのトークでも披露されており、実践的な学びが得られました。
時折ジョークも交えられ、緊張と緩和の“抑揚”もあり(緩和成分が、やや多め)、参加者にとってリラックスできて飽きがこないセミナーになりました。

ひとつ、児玉さんが解説していた“抑揚”について、ふと思ったことがあります。日本の教育では、英単語のアクセントは学ぶのに、国語では単語の強調部分を学ぶ機会はありません。このせいか、普段から日本語を扱う上で、どこにアクセントを置くかを考える機会はほとんどなく、意識もしません。
そのため、抑揚を意識するだけでも話し上手に近づけるように思いました。この“抑揚”は、バイリンガルである児玉さんならではの視点なのかもしれません。

最後に、アドバイスどおり、実際に自分の声を録音して聴いてみました。……思ってた感じと全然違う。声色が不快なのは置いといても、スピード、間、抑揚など、全てが理想からはかけ離れていました。今回のセミナーで学んだことを実践するだけでも、かなりの話し上手になれそうです。

Starterの会員の方は、今回の定期セミナーのアーカイブ動画を見ることができます。

次回のセミナーの講師は、日本酒メディア「SAKE Street」の二戸浩平さん、SAKEジャーナリストの木村咲貴さん。

テーマは「信用されつつ、炎上しない!SNS運用方法〜Twitterでの効果的な情報発信・情報収集〜」です。個人アカウントから企業アカウントまで、精度が高く信頼される情報発信を、日頃から活発にTwitterを活用されている二戸さん&木村さんコンビでレクチャーします!

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今月のライター:たろけん(Starter会員)
日本酒沼ハマって4年。気がつけば蔵人に。モットーは「日本酒は尊い、されど軽やかに、自由に。」です。 クラフトサケ全般応援中!
Twitter @taguki30 
note https://note.com/taguki30

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