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想像のなかで旅をして

ひとり旅にときどき憧れる。
今まで日帰りでどこかへ行ったことはあるけれど、泊まったことは一度もない。

noteでひとり旅の記録を目にするといいなぁ、と思う。そしてやっぱり憧れる。


ひとり旅に行ったらどう過ごそうか想像する。
海のない県に住んでるから、海が見えたらいいなと思う。
行くなら、絶対電車だ。
(その方がゆっくり旅できそう)
家族で旅行するときはいつも車で行くから、電車で遠くに行くだけでも、ひとり旅気分が高まりそう。
本も数冊持っていきたい。
江國香織さんのエッセイがいいな。
『雨はコーラが飲めない』とか『やわらかなレタス』とか、何回も繰り返し読んだもの。
村上春樹さんの『遠い太鼓』もいい。

馴染みのある好きな本と、読んだことのない本も一冊だけ持っていきたい。
(ハードカバーじゃなくて、かさばらない文庫がいい。何を持っていこうか考えただけでわくわくする)

行くとしたら一泊だけ。
遠くても新幹線ならあっという間に到着しそう。
早めにチェックインして、窓から外の様子を眺めて、知らない町を散策する。

ホテルのディナーは緊張するから、夕食は表で済ませたい。小川糸さんの小説に出てくるようなレストランだといいな。
ゆっくり夕食をすませて、家族のことを考える。みんな元気にしてるかな、とか。

ひと晩離れるだけなのに、不思議な気持ちになるだろう。
普段ずっと一緒にいると、家族が自分の一部みたいに思えてきてしまうけど、決してそうではないことをそのとき思いだすだろう。
たまたま一緒にいることができる、めぐりあえた他人なんだと。たとえ自分の子供でも。


そんなことを考えながら、ホテルに戻ってお風呂に入る。
(温泉があるところだといいな)

ホテルに泊まって小説を執筆するのも憧れるけど、きっと状況が特殊すぎて、小説なんて書けないだろう。
その代わり日記をたくさん書く。
(3ページくらい書ける気がする)
そして、これから書きたい小説のことについて考える。その物語はまだ発生していないけど、物語が放っている小さな光が胸に灯って、しあわせな気持ちになるだろう。

夜は早寝してしまう。
(もともとすごく早寝だから)

そして夜明け前に目覚める。
静かな朝焼けを眺めたあと、身支度を整えて、
ホテルのラウンジで朝食をとる。
(朝食は緊張しないから、ホテルのなかでも食べられる)

おみやげをたくさん買いこんで、
満足して家に帰る。
そんな旅がしてみたい。

これを書いていたら、家のリビングにいるのに旅をしたような気持ちになった。


夏休み中、家のなかの色んなことで疲れたとき、想像のなかで旅するだけで幸福な気持ちになれそうだ。
今、ここにあるしあわせを見つめ直せる気がするから。



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