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好きなエッセイ
図書館で本を借りるとき、
エッセイを借りることが多い気がする。
(もちろん小説も借りるけど、それより軽い読み物も必要になるようなかんじ)
好きな作家のひとだと、余計にエッセイも読みたくなる。
今まで読んだなかで一番好きなエッセイは何か、と問われると少し難しい。
まず最初に、江國香織さんは入ると思う。
(ほとんど、20代で読んだ本)
『やわらかなレタス』は本棚にある。
『泣く大人』と『泣かない子供』も。
『日のあたる白い壁』も好き。
もちろん『いくつもの週末』も。
最近、
『絵本を抱えて部屋のすみへ』を読み返した。
江國さんの文章は日々の幸福を鮮やかに掬いとってくれるから、読むだけで特別な気持ちになる。
ちょっと高価で魅惑的なお菓子をつまむような感じ。そして小説のほうも、なんだかそんな感じがする。
2番目は誰だろう。とても迷うけれど、
「笑えるエッセイ」といえば、今までいちばん笑ったのは朝井リョウさんの本。
『風と共にゆとりぬ』の方が好き。
これも家の書棚にある。
めちゃくちゃ笑えるから、電車じゃ絶対読めないやつ。あ、今はマスクするからある程度ごまかせるかもしれない……
朝井リョウさんの言語感覚はすごく研ぎ澄まされていて、(小説ももちろんそうなのだけど)
あれほど笑える文章を、よく書けるなと感嘆する。読めば、朝井リョウさんへの好感度も必然的に上がる(と思う)
岐阜出身の方だからか、よく図書館で講演もされている。
(いつかチラッとでもいいから、拝顔したいなと思ってる……)
3人目も迷うけれど、酒井順子さんかなぁ。
古典に関するエッセイが好き。
読むと、千年前の人々に俄然親しみが湧く。
『枕草子REMIX』とか『徒然草REMIX』とか、『紫式部の欲望』とか。
これから、『平成ガールフレンズ』を読み始めようとしてるところ。
(これは地元の図書館の本)
あ、あと穂村弘さんのエッセイも好き……
川上未映子さんとの共著、『たましいのふたりごと』も素敵だった。
(というか『たましいのふたりごと』って、とても素敵なタイトルだ)
今は、よしもとばななさんのエッセイを読んでいる。ばななさんの本は、大学生のときに水を飲むみたいに読んだ。
水を飲むみたいに必要な言葉、というのがたまにある。何度も読み返したいような、胸に沁み入ってくる言葉。
そういう一文に出会えると、やっぱりとても嬉しくなるし、人生が良いものに思えてくる。
それについて思うとき、
江國香織さんが書いた、『バンビ』の引用を思いだす。
「バンビは穴からでました。生きることは美しいことでした」
こういう一文にハッとする。
なんて、洗練された言葉だろう。
たとえいっときでも、生が見せる眩しさを体感できるような気がする。
何気ない日常のなかに、おかしみや楽しみや美しさがある。
そういうことに気づけるから、エッセイも読みたいのかもしれない。
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