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雨の日に

あなたの中には、私の仕組みを変えてくれるかもしれない光が確かにある。雪野はそう思う。

『小説 言の葉の庭』新海誠



ザアザアとものすごい勢いで雨が降っている。雷もときどき聞こえる。
稲妻という言葉をふいに思いだす。

「雷には稲をはらませる力がある」と昔の人は考えていたというはなし。
(稲をはらませるって、すごい言葉だな)

稲のつまという意味で稲妻。
天と地上にあるものが、あんなに激しく結ばれて日々の糧になるなんて。
その考え方自体がとても壮大で、
ちょっとロマンチックかもしれない。


数日前から、
なんだか何を食べても味がしないなと思って、
ときどき咳は出るけど風邪かなぁなんて思ってた。
(だって急に寒くなったし)

でも息苦しさもあって、
念のため抗原検査をしたら陽性だった。
(病院のPCRでも陽性)


十日間の自宅療養が確定して、
今これを書いてるところ。

ずっと眠ってばかりだったから、
noteを書く気力が出てきたということは、
少しずつ快復してきているのだと思う。

まだ息苦しさはあるし、
食べても何の味もしないけど。


味覚障害で思いだしたのが『言の葉の庭』に出てくる雪野先生で、久しぶりに読み返したくなって、家の本棚から引っ張りだして再読した。




雪野先生の、大人になりきれない不器用さや優しさや美しさが、とても好き。

映画だと描かれない登場人物の設定や心理描写が繊細に書かれていて、新海誠さんの作品では唯一、小説版の方が好きな作品だ。
(もちろん映画もとても美しい)


この物語の舞台の新宿御苑に行きたいって、
3年以上思っているのだけど、なかなか実現しない……来年こそは行きたいなぁ、秋に。
東京にある図書館も行きたいし。


未来に何かをしたいって思うと、
それだけで今が輝くような気がする。
苦しいこともたくさんあるけれど、
それだけじゃないよね、と思わせてくれるような。


自宅療養中ってとても時間があって、
こんなにゆっくりするのは何年ぶりだろうなんて思ってしまうほど何もしていない。
勤務先の図書館にも、
「今は静養に努めてください」と言われた。
やりたかった展示の仕事は最後までできなくて、それを思うとちょっと悲しいけれど……

今はとにかくゆっくり過ごさなければ。


何かをしようと思えること自体奇跡的なことで、生きることって、すごく大きな枠組みのなかで何かを許されてることなのだと思う。


健康に過ごせる有り難さとか、
家族への感謝とか、
ずっと大変な状況下で病院や保健所で勤務されてる方々のことを思った。


本当に誰かが苦しんでいるときは、
真っ先に手を差し伸べられる人になれたらいい。


泣きそうな気持ちでそう思ったりした。
そのためには早く良くならなければね。


本当は他にとても感動した本があって、
その紹介もしたかったけれど、
今日はとりあえずこの辺りで。





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