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「入門用 星撮りカメラ」 いま始めるならコレ!(2020年夏・秋バージョン)

スマホカメラがどんどん高性能化しても、星空撮影にはやはりデジカメが断然有利です。ただ、良いカメラがたくさんありすぎて、入門者が「いいスタートを切るためのエントリーモデル」を選ぶのも、あんがい難しそう。

そんなわけで、コスパを最重視しつつ将来性もちゃんと踏まえたカメラ選びの提案をしてみます。

あ、あくまでも私の独断による選定ですので、ズバズバ行かせていただきますよ!

■最初に結論! これが入門用のベストな一台!


◎Sony α5100(E-mount/ミラーレス一眼)

【メーカー/マウント】 ソニーEマウント(ミラーレス)
【本体】α5100
【イチオシのレンズ】シグマ 16mm F1.4 DC DN
【評価】サイズ:写り:価格:将来性= 5:4:4:5 (各5点満点)

驚きのコンパクトさで、コスパ最高! 将来性もちゃんと踏まえた手軽なエントリーとして、これ以上無い選択肢。
人気の超ロングセラーでありながら、なぜかいつまでも後継機が出てこない、かなり貴重な存在とも言える。

まず最初に考慮すべきは、将来性No.1のソニーEマウント機であるということ。

そして、数あるEマウント機のなかで、手頃な価格帯で、最高のコストパフォーマンスを求めるとき、とくに入門者向けでは、このα5100の良さが圧倒的に素晴らしいのです!

なにより、この軽さ・小ささなら、ほんとに気軽に散歩に持ち出せるので、自然と写真を撮る機会が増え、上達も早くなり、、きっと写真を撮る楽しみが、どんどん増していくはず☆

というわけで、いま、初心者から始めるなら、Sonyのα5100が私のいま一番オススメする入門向け 「星撮りカメラ」です!


ではここからは、より詳細なポイントについて、1つずつ掘り下げて説明してみます。

■悩みポイント ~トレードオフのバランスのとり方~

上手に悩んで、いいバランスを選ぶために、具体的には以下のトレードオフをじっくり考える必要があります。

1)「コンパクトさ」と「写り」

映像を写す「センサー(映像素子)」のサイズが大きいほど、一般的に写真の写りは良くなります。

しかし、センサーが大きいと、本体が大きく重たくなるだけでなく、レンズの価格も高いものばかりになってしまう。

そこで、プロやハイアマチュアの主流である「フルサイズセンサー」のひとつ下のランクである「APS-Cサイズ」のセンサーを搭載したカメラが、星空撮影入門のベストバランスだと、わたしは考えています。

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ちなみに、最新のiPhone(iPhone11 Proなど)のカメラのセンサーは1/3.6サイズ。つまり、1/2.3よりもさらに小さなサイズですね。

かすかな光を捉える星空撮影では、できるだけ大きなセンサーで光をたくさん捉えることが非常に重要。なので、フルサイズまでは行かなくても、頑張ってAPS-Cサイズのカメラから始めましょう!

2)各メーカーの「実力」と「将来性」

かつてキヤノンとニコンが2強と謳われたデジカメ市場も、いまはミラーレスカメラで一気に躍進したソニーが、他を圧倒しつつ、引き続き将来性も見据えた進歩を続けているように思われます。

ソニーが先行したフルサイズミラーレス市場に、キヤノンとニコンはだいぶ遅れを取って・・・2018年にようやく参入を果たしました。

しかし、キヤノン・ニコンともエントリーモデルとは別のマウント(規格)を立ち上げたので、エントリーモデルとはレンズを共有できません。それに、レンズの選択肢もまだまだ少なく、しかも高価なハイエンドのものばかり。
将来性は未知数ながら、現時点で入門者がキヤノン(Rマウント)やニコン(Zマウント)に手を出すべきものではないでしょう。

その他、富士フィルム(Xマウント)は、独自の戦略で、現在のハイエンドの主流である「フルサイズ版ミラーレス」を展開していないので、将来的なステップアップを見据えると、どうしても躊躇してしまいます。

リコー(ペンタックス)やパナソニック、オリンパスなども、まだ頑張ってはいますが…、サバイバルレースの様相で、いずれも、かなりきびしい局面に立たされているのが現状です。

というわけで、現在の実力将来性の両面で、ソニーが他を数歩リードしており、それは入門者にとっても同じであると、私としては考えています。

■その他の選択肢

◎Sony α6000 (E-mount/ミラーレス一眼)

【メーカー/マウント】ソニーEマウント(ミラーレス)
【本体】ソニー α6000 
【おすすめレンズ
※α5100と同じシグマ 16mm F1.4 DC DNソニー  E 35mm F1.8 OSSMEIKE 6.5mm F2.0 (FISHEYE) など
【評価】サイズ:写り:価格:将来性= 4:4:4:5

α5100と比較して、コンパクトさにはやや劣るが、ビューファインダー付きなのは大きな魅力! 上達のためにはより良い選択肢となるかも。

ソニーEマウントからもう一台。
こちらも、超ロングセラーで、いまだに売れまくっている機種の1つ。前述のα5100と比べると、コンパクトさでは少し負けてしまいますが、それでも十分気軽に持ち運べるサイズ感。

一方で利点としては、α5100にはついていないEVF(撮影のときに覗き込むビューファインダー)がついています。

わたし自身、最初に星空撮影をしたのは、EVFのついていないモデル(Sony NEX-5N)だったので、、実際EVF無しでも入門用としては大きな問題はありません。

ただ、日中の景色をよく撮影する場合は、ビューファインダーがあったほうが断然有利ですし、星空撮影でも、ピント合わせや撮影後のチェックでは、やはりEVFがあったほうが便利です。

なので、α6000のサイズでも問題ないと思える場合は、こちらのほうが良いかもしれません。

おすすめレンズについて

シグマ 16mm F1.4 DC DN は、Sigma社のContemporaryシリーズの広角レンズで、4万円台ながら高級レンズさながらの写りが期待できます。 
星空撮影用という面では、なんといってもF1.4という明るさが大きな魅力。
AF付きの広角レンズということで、星空以外にも風景の撮影全般で活躍してくれます。

ちなみにこちら、現在の私の実質メインレンズでもあります^^(カメラはα6300)

ソニー  E 35mm F1.8 OSS も、明るい単焦点レンズで、いわゆる撒き餌レンズの1つですね。星座をまるごと撮影するときには、便利な画角です。

MEIKE 6.5mm F2.0 (FISHEYE) は、空を丸ごと全部撮影できる円周魚眼です。1万円台で買えてしまう非常に安価なレンズですが、F2.0と星空撮影にも十分な明るさ。そして実際使ってみると、期待以上のシャープさ! 私も所有しているのですが、ほんとに驚きのコスパの高さです。


◎FujiFilm X-T100(X-mount/ミラーレス一眼)

【メーカー/マウント】 富士フィルム Xマウント(ミラーレス)
【本体】X-T100
【おすすめレンズ】 サムヤン 12mm F2.0 NCS CS
【評価】サイズ:写り:価格:将来性= 3:4:3:3

夜空のHα(水素由来の、赤い色合い)がよく写るため、星空写真家に人気。フルサイズへのステップアップを考えないのなら、これもアリ!

α6000の最大のライバル機ですね。 

このカメラ、通常はセンサーを改造しないとなかなか映らない、星雲の赤っぽい色(水素に由来するHαと呼ばれる光)を、無改造でもよく捉えてくれるため、カラフルな星野写真・星景写真を撮る人には人気があります。

夜空だけでなく日常のスナップ写真においても評判良いですね。とくに撮って出しのJPEG画像の色合いは、私も個人的に好みです。

私自身、もし複数のマウントのカメラを所有するくらい裕福だったら^^; 2台目としてはFujiのXマウントのカメラを選びますね。

おすすめレンズは、他のマウントでも展開されているSamyangのF2.0シリーズあたりが、手頃な入門用としてちょうど良さそうです。


◎CANON EOS Kiss X9(EF-mount/一眼レフ)

【メーカー/マウント】キヤノンEFマウント(一眼レフ)
【本体】EOS Kiss X9
【おすすめレンズ】AT-X 11-20 PRO DX CAF など
【評価】サイズ:写り:価格:将来性= 2:5:4:2

将来性が心配なキヤノンの一眼レフEFマウントだが、これまでのトップメーカーとしての実力はさすが。本格エントリーとして間違いのない一台。

キヤノンは、現段階ではミラーレス(Rマウント、EF-Mマウント)よりも、まだ一眼レフのEFマウントのほうが良いですね。

一眼レフ自体、将来的にはミラーレスに敗北して消えていく運命かな、と思いますが、それでも長年トップブランドとして築いてきた技術やレンズ資産などはさすが。当面は根強く支持され続けるでしょう。

星空撮影用の、できるだけコンパクトな入門機となると、EOS Kiss X9 あたり。そこからもしステップアップしてフルサイズに移行する場合は、EOS 6Dという超定番売れっ子モデルも控えてます。

おすすめレンズとして、ここでは手頃な広角ズームを入れてみました。F2.8通しで、星空撮影にもなんとか使えそうな明るさがあります。

■まとめ

好みによって、色んな意見があるものですが、それでも入門者向けに広く受け入れやすい選択肢を具体的に考えてみました。

選ぶ基準としては

カメラ(4~5万円程度)
◎数世代前の、APS-Cセンサー搭載のミラーレス(または一眼レフ)
◎5万円程度以内
◎コンパクトで、気軽に持ち出して使いやすいもの

■レンズ(1~5万円まで)
◎とりあえず広角
◎F1.4~2.8くらいの、明るいレンズ
◎できればオートフォーカス(星空撮影以外での使い勝手のため)
◎ズーム・単焦点は問わず

といった感じで考えてみました。

もちろん、もっと最新型を含めたら、これらと同等以上にコンパクトで、さらに写りや機能の進化したモデルもたくさんあります。

しかし、数世代前のモデルでも、入門用には十分なことがほとんどですし、なによりコストパフォーマンスが素晴らしい。

最初から身の丈にあわない高級機を選んで、あっさりと挫折したりしてしまったら、元も子もありません。 そういう意味でも、まずは手頃な入門コースで体験し、自分がハマるかどうか試してみることも、けっこう大事だと思うんです。

「入門用の次」の カメラ選び

もし、もっと奮発してでも最新型/高性能のカメラやレンズが欲しくなったら・・・きっとその頃には知識も増えて腕も上達して知識も増え、カメラ選びの判断も自分自身でできるようになっているでしょう。なにより、自分なりの好みが、確立しているはずです。喜び勇んで、みずからカメラ沼・レンズ沼へとハマって行きましょう?! 😁


そんなわけで、今回のお話は、スマホのカメラやコンデジから、最初のステップアップを目指して星空撮影に挑戦する際の、おすすめエントリー機のご紹介、でした。

気軽なチャレンジの第一歩を踏み出すための参考としていただければ幸いです。


■【追伸】お借りしたトップ画像について

カメラ入門編ということで、女の子が小さな手で本格カメラを構えている写真(by takayuki365 さん)をお借りしました。ありがとうございます!

可愛いながらも、キュッと脇を締めた構えの姿がなんとも見事ですね~。きっとちゃんとしたカメラマンさんに、構えの指導をしてもらったんじゃないかと想像します。

それも含めて、ホントにけなげで可愛らしい、すてきな写真家だな、って思いました。

■【追伸2】 選定基準について

画質等の実力  ×  価格の手頃さ  ×  将来性・拡張性

今回のnoteでは、コスパを含めて考えた、現時点でのベストチョイスとして、あえて数世代前のモデルを取り上げています☆ 

高級カメラを買って失敗しないための、いわばお試し用という位置づけです。
最新の高級カメラの紹介ではなく、こういうスタンスで最新モデル以外も排除せず考察する記事はあまり多く見かけないので、こういうニーズもあろうかということで。

なお、
入門編 よりも手前の「入門するつもりも、今のところ無いけど、ちょっとくらいは星撮りとやらをなんちゃって体験してみたいかも」くらいのかたは、星も撮れるコンデジに手を出してみると良いかも。以下のnoteもご参考に。

■【追伸3】内緒のホンネ

だんだん追伸が止まらなくなってきてますね。これで最後にします。

さて。
いつからか最新カメラの動向を追い続けることが、私にとって趣味というか日課の1つになりました。

そんな自分が、油断してカメラ沼・レンズ沼にハマってしまわないよう、なんとか頑張って歯止めをかけ、フルサイズには手を出さないよう踏みとどまっているのが正直な現状であります。

しかしながら、ときに心の声が抑えきれないこともありまして…。
現代の最高峰カメラたち(各社のフルサイズ・フラッグシップモデル)への憧れのつぶやきが、こちらのnoteに漏れ出てきてしまっているのは内緒です😓


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